儂が育った家には仏壇があり、祖母が毎日お線香をあげてお経を読んでいた。また、子供の頃から祖母に連れられてよく菩提寺に行っていたし、春秋のお彼岸や法事も欠かさない家だった。儂自身も飼っていた犬のお墓にもわりと頻繁に行っていた。
今思うと、子供の頃からこんな環境で育ったことで、実は仏教が儂の中に自然に入ってきていたのかもしれない。まさにご縁があったのだろうか。
そして、菩提寺で仏式の結婚式をあげたことがきっかけになったのか、その頃から極々たまに仏教に関する本を読むようになったのだが、
それから30年弱もの間は仕事や日々の生活に追われ、正直仏教を気にかけるような余裕もなかった。しかし、毎年のお彼岸や祖母や犬の命日には墓参りを欠かすことはほとんどなかった。
ところが、7年前に会社を売却してある程度の時間的な余裕ができ、同時に、それまで一生懸命育ててきた自分の会社がなくなって心に寂寥感が広がっていた。そんな時、たまたま立ち寄った書店で「ほんとうの法華経」という本に出会い、購入して読み始めた。この本は、仏教学者の植木雅俊先生が2008年にサンスクリット語原典を元に翻訳して出版された「法華経」について、宗教社会学者の橋爪大三郎先生との対談をまとめた「法華経」の解説書である。ちなみに、本の帯には「仏教入門」と書いてあるが、こういった仏教経典に関する本を初めて読んだ儂にとっては「入門」までもたどり着けなかったw
それでも、難しくて理解できないところが多々あったにも関わらず、読み進むうちに「法華経」そのものを読んでみたいと強く思うようになり、この本を読み終えるとすぐに植木先生の訳された経典「法華経」を読み始めた。
こうして儂の仏教の勉強は始まった。もしあの時あの書店に立ち寄らなければ、そしてあの本が置いてなければ、儂が仏教とここまでの関わりをもつことはなかったかもしれない。そう思うと、あの書店で出会ったあの本が仏教との本格的なご縁の始まりだったのだろう。
今日はこのあたりにしておこう。(多分)もう少し続く。。。