「う~ん・・・・誰でも一度は通る道だな・・・んふふ・・・」
鯵釣りを始めたばかりの頃、ミニサイズのロケットカゴにコマセを詰める為、大き目のボンドの空き容器を注入器に使用してみたことを話したところ、一笑にふせられてしまった。
当時は根っからの堤防族で、磯の夜釣りなんて全く選択肢に入っていなかったワシに
「南房は良いよ~大きいのが来るよ~♪」
・・・と煽ってくれた人
間借人さんこと長谷川和明さんの訃報が届いた。
(どういう実績を残されたかは、サヨリストさんのブログで触れられているので参照されたし)
自分にとっては、タナトールタイプの自作仕掛けを使用した南房アジの攻略法の全て(ご本人にとっては一部かも?)を教わった師であり、ネット仲間(サヨサヨ水産)でも中心的&兄貴的&顧問的な存在だった。
事情があって関東を離れられてからは、年に一度逢えるかどうかだったが、いつも元気そうだったので最初は冗談かと思ったくらいだった。
初めての南房磯はもちろん師の案内だった。
翌朝、それまで魚だけで一杯になったことの無いクーラーは、なんと30cm前後のアジに32.5cmの黒メバルで、氷も入る隙が無い事態となった。
目の前の予想以上の釣果とそれまでの実績の拙さのギャップが受け入れられず、呆然としてしまった所までは記憶にあるのだが、その日どうやってお礼を言って、どう別れたのか思い出せない。
当然その後は、釣行だけでなく仕掛けや釣り場の相談など親交が深くなっていったのだが、カルチャーショックを受けたのは、その釣行スタイルだった。
それは
3~4日、場合によっては1週間近く泊り込みで釣り続ける・・・・
というものだった。
仕事をどうするのかというのもあるが、いくら好きでも流石に飽きるのではと思うし、それ以前に体力が持たないのでは?
自由すぎる・・・・
あるオフ会のときにそんな釣行スタイルについて尋ねると・・・
「真似しない方が良いよ、・・・・帰ったら表札が変わってるかもしれないからね、うふふ・・・」
・・・と、てんぷらを揚げながら、突っ込みようのないブラックジョークの効いた答えが返ってきた。
釣り魔界の仙人=間(魔)借人
岸壁の魔術師=Mr.マガリニック
海辺のファンタジスタ=マガリーニョ
ワシより付き合いのずっと長く深いサヨリストさんや園子さんなら、詳しく解っているのだろうけど、ワシにとっては謎の多い人だけに、時々でリスペクトの意を込めてそんな呼称を付けて遊ばせて貰っていた。
ワシは師の人生のほんの一部しか知らない。
でも、その一部はワシから見れば実に自由で魅力的だった。
それでいい。
自由人=長谷川和明
安らかに