台風16号が沖縄から北上中の土曜日深夜、暗闇の突堤に立つ人影に声を掛ける。
「こんばんは、釣りですか? あれ道具は?」
「こんばんは、・・・いや、まだ・・・様子を見てました。・・・ほら、時々東の空が光るでしょ?」
「そうですね。・・・鴨川方向かな?・・・予報では明日午前中は晴れでしたけどね。」
「明日は出来るかな・・・」
「僕は黒鯛狙いで朝から団子投げですけど、・・・雷雨はいつ来るか解らないですからね。」
「俺も!だけど・・・ここはね・・・」
【黒鯛釣り】【団子釣り】
暗闇で表情もよく解らないのに、このたった二つ、魔法のキーワードが見ず知らずのおっさんの距離をぐっと近づける!
聴けばこの釣り場に長年通い続けている方で、ワシと同じく東京の人だった。
黒鯛をメインに季節毎の釣りを楽しんでいるとのことで、最近の傾向や周辺のポイントを事細かに教えていただいたが、当然それを活かせる釣技あっての話なので、今後実践しつつご紹介できればと思います。
ワシのペースでは何年掛かるか判らない位のポイントを伺ったが、総じて時合いの来るのは夕方だそうだ。
・・・ということは、今まであえて時合いを外して釣行していたと云う事か・・・
「ありがとうございました。・・・とりあえず朝に備えて寝ます。」
「うん、・・・明日は頑張ってね。」
今までの少ない実績と常連さんの話、明日の風向きと潮位、いろいろ考えて釣り座を選定。
結局、急な雷雨に備え、比較的に普通の釣り座を選んでしまった。
ここまでで、大体結果は解るでしょ?
午前5時に開始、水深は4m弱と云ったところか、潮は薄濁りで風は無い。
開始数投は餌取りも無かったが、次第に付け餌のオキアミが取られるようになる。
そしてもたれこむような・・・らしいアタリ・・・でゴンズイ!
ゴンズイはゴンズイ玉と呼ばれる集団を作っ回遊することがあるので、このような釣り場では連続してくる。
しばしゴンズイ地獄・・・
思えば昨年もここでゴンズイ地獄にハマったとき、地元の人がありがたがって持って帰るので食ってやろうかと思ったが・・・
おたまじゃくし的な容姿と毒トゲを思うとどうしても手が出ない。
濁っているときの外道なので、悪い兆候ではないのだがガッカリ度は外道のベスト3にランクインだ。
潮が動き出しようやくまともなお魚が顔を出す。
ヘダイだ。
黒鯛と同居していることの多いお魚で、食味は最高!
真鯛を含めた同属で一番美味なのでは・・・と思う。
ようやく本命に近づいたと思ったら・・・
雨、・・・けっこうな降りっぷり
1時間くらい車内に避難する。
他の釣りなら多少の雨でも続行するが、この団子釣りは手で糠団子を握るため濡れると上手く糠が扱えないだけでなく、手に残った糠がドロドロになって触るもの全てを汚してしまいかねない。
そんな訳でまたコマセの打ち直し、またゴンズイ地獄・・・
そして偶にヘダイ・・・と思ったらチンチン(黒鯛の幼魚)でした。
とりあえず本命だけど・・・また来てね。
と放流する。
10時30分頃から、他所から二人、地元の人が一人と同業者が増え四人で投げ続けるが、ワシが引き揚げるまでに黒鯛は上がらなかった。
午後2時過ぎに終了。
なんとか雷雨での終了は避けられたが、思っていたカイズ~クロダイクラスは釣れず、チンチン2枚放流というしょぼい結果に・・・
「終わりですか?・・・これからいい時間なのに?」
「はい・・・こんどは釣れる日(時間)に来ます。」
なるほど・・・よく来る人には当たり前の午後出勤・・・てことですね。
今日も暑かったなぁ・・・
食味に負けてヘダイは4枚キープ
日時:2012年9月16日大潮
場所:内房某所
釣果:ヘダイ×4尾 、ゴンズイたくさん!
運が悪けりゃ・・・ゴンズイ地獄・・・いつもか(笑)