一昨年の後半頃からめっきりと釣行回数が減ってしまった。
その結果あまり冒険をしなくなったせいか、予報がちょっとでも怪しいと南房アジは避けて最初から手堅い?団子釣りを選択する傾向がある。
な~んて、客観的な理由を付けてみたが結局はこの釣りが好きなのである。
今回は予報が終日曇天午後は雨とのことだったので、期待をして行ったのだが残念ながら間逆の結果に終った。
最初に入った場所は、最近立禁になった小提のすぐ向かいの埋立地、どの辺りがポイントになるのか解らず、船が着岸されにくい先端寄りの内側に釣り座を取り午前6時頃開始した。
第一投目から団子を触る弱い餌取りどものアタリが出る。
団子が解けて自作カヤウキ『舞烏賊Ⅱ』のソリッドトップが浮上・・・
ボディ上部が見える・・・
直後に弱い押さえ込み・・・
すぐに戻る・・・
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回収すると綺麗に付け餌が無い。
何度か繰り返す内に餌取りの正体が10cmに満たないアイゴと判明!
背鰭と腹鰭の前部棘鰭に毒を持つので、ゴンズイやハオコゼ同様に接し方に気を使うお魚だ。
長くこの釣り場に来ているが、自分の経験からは過去にこんなにアイゴの稚魚が沸いたのは記憶に無い。
昨年の同時期、成魚がかなり網にも入っていたようなので、その子供達なのだろう。
まあ、食べる分には煮魚にするとカレイ並みに美味いので良いのだが、残念ながらこのサイズでは調理が無理だ。
そして、ここから延々とアイゴ地獄が続く・・・
しかも底に根があるようで、少し流すと根掛りが多発、その度に針を失いアイゴのスレ掛りの合間に針結びといった作業で、本命の顔を拝めずに1セット目が終了してしまった。
しかも、予報に反して小雨がパラつき出す。
「うーむ・・・釣り座を奥へ変えるか?・・・外側のテトラ帯へ出るか?・・・大きく移動するか?」
釣竿を置き、立ち上がって腕組みしてブツブツ云いながら岸壁を徘徊する。
近くの親子が怪訝そうな顔でこちらの様子を伺っているのを背中で感じながら・・・
「よしっ!・・・移動!」
アイゴ以外の唯一の釣果のシマイサキをその親子に進呈して館山方面へ向かう。
再開は11時、潮位は干潮から上げに向かい始めたところか?
実はここも知ってはいたが竿を出すのは初めての場所、港内なので流れが無く、魚の寄りは時間が掛かりそうだ。
車は横付けだし楽チン度はAAAなのだが、今度は餌取りすら居ない。
この時点で坊主は覚悟したが、水深が5m位あり団子釣りに向いている感じだったのでとにかく投入を繰り返す。
2セット目が半分程になった頃・・・
ズ・・・ジビジビッ・・・とウキのボデイが入りトップが更に二目盛入って止まった!
そして始まった第二の地獄魚がコレ!
「う~~~む・・・アイゴにゴンズイって・・・外道のハロウィンパレードかいっ!」
ウキに出るアタリが本命に似ているので、合わせた時のワクワク感と、直後のガッカリ感の落差が大きく、釣り人の感情を弄ぶ悪魔のような存在だ。
そんな悪魔との地獄?を堪能していたときに傍らに野良猫が一匹寄ってきた。
釣り場ではよくある光景なので驚かないが、よほど釣り人に可愛がられているのか、軽く叩いたくらいでは逃げない。
それどころか早く釣れ!とばかりに横で座り込んでいる。
そんな中、釣りあがったゴンズイを針から外そうとハリスを掴んだ直後・・・
いきなりその猫が飛びついた!
「バカ、ゴンズイだぞっ!」
思わず猫に向かって叫んだが、奴は両手で掴み更に頭に食いついてる!
プチッ・・・奴の重さで魚から針がはずれた!
ゴンズイ咥えたどら猫♪・・・・
追いかけずにいたら、すぐ傍で放り出し2・3発猫パンチしている。
野良猫とはいえ、毒棘で怪我をさせては後味が悪いので隙を見て回収した。
まさか食うとは思えないが・・・
食う気だったのだろうか?
毒棘のことは?
その後も奴は隣でこちらの隙を伺って居て気が抜けない。
しかし潮位が上がるにつれてようやく生体反応も出始め、鯔らしき魚影やヒイラギがスレ掛りするようになった。
コマセも残り少なくなった頃、ゴンズイにしては元気のいい消しこみ・・・と思ったらコレ!
・・・んがしかしまさかの結末が!
ああああ~っ!
小さいながらも本命でした・・・の落ちを確保と思った直後に奴のアタック受けてしまった!
針を飲んでしまったのでキープしようとバケツに移そうとした一瞬にやらた。
今度は食うのか?と思い何もせず見ていたら、結局また猫パンチを2・3発食らわして放置してしまった。
「なんだ食わないのか?・・・それとも食えるようにしろってか?」
気がつけば閑散とした岸壁に居るのは、野良猫とワシだけ・・・
結局この後同サイズのチンチンが2枚来たが、キープサイズは出ず午後3時に終了。
道具を片付け車に乗り込むときには野良猫はどこかに去ってしまっていた。
しかし、釣果はともかく、あの猫は何だったのだろう?
釣り場で野良猫は珍しい光景ではなく、むしろセットのようなものなのだが、意外と警戒心が強く、安易に近寄ってこないのだが、時間つぶしに来た釣り人のように、横で座り込んでじっとウキを見つめていたり、膝の間にもぐりこんできて道具箱や付け餌を物色したり・・・あまりに馴れ馴れしいのでつい人のように話しかけていた。
あれっ・・・そういえばきくぞぉ~さんの命日って・・・
いやいや・・・久しぶりに終始一人の釣行だったので感傷的になってしまったかな?
日時:2012年10月28日大潮
場所:内房某所
釣果:チンチン(黒鯛の幼魚)×3尾、シマイサキ1尾、アイゴ・ゴンズイのパレード!