いきがかり上いたしかたなく・ぶろぐ

寄る年波には勝てないし難しいことは出来ないし、行き掛かり上致し方なくブログに頼ります。

岡田史子さんが亡くなられた

2005-05-22 01:35:53 | 出来事
マンガ家の岡田史子さんが亡くなられた。先月の3日。心不全。55歳だったそうだ。私と変わらない年齢だったのだと、今頃になって知る。

昔、私はCOMという本を読んでいた。その頃、コミックの投稿というか新人発掘みたいなことをやっている本にはCOMとガロがあったのだが、ガロはどちらかというと劇画で、COMは手塚治虫さんの虫プロの本だった。私は本屋さんでCOMを買い、ガロはその時ついでに立ち読みしていた。記憶違いでなければ、その頃ガロに「タッチ」のあだち充さんが投稿しておられて、内容はSFだった。投稿マンガの批評のコーナーだったので作品全部が掲載されているわけではないのだが、主人公らしい人物の絵が大きく出ていて、「原稿が非常にきれい」と書かれていたのを覚えている。なんで、そんなことを覚えているんだろうな、しかし。

COMでは石森章太郎(当時はまだ石ノ森ではなかった)さんのファンタジーワールドジュンというのが大好きだった。せりふの入っていないマンガで、詩的な感じの作品。

で、岡田史子さんというのはそのCOMから出た人で、私はその作品にすっかりまいってしまい、しばらくはその模倣みたいなマンガを描いてみたりしていた。今思い返してみると、ちっとも模倣にすらなってないようなお粗末な内容だったし、しかも出だしのところしか描けなかったのだよなあ。確か透明な球体の中にフクロウを描いて、その名前をフィロソフィー(哲学)にしたんだった。そのまんまやな。マンガを描いてたんだから、中学か高校の頃だったはずなのだが。

とにかく、岡田史子さんのマンガはそれまで見たことのないような画風で、外国の絵本のような感じだった。内容もわかりにくいと言えばわかりにくいのだが、文学的というか哲学的というか、とても不思議な雰囲気だった。

新聞で死亡記事を読んでからインターネットで検索してみたのだが、ずいぶん長い間、マンガ家としての仕事はしておられなかったらしい。でも私の頭の中には、ずっと岡田史子さんの絵があったのだ。COMは読んでいたけれど、彼女のすべての作品を読んだというわけではない。でも読んだ幾つかの作品の印象がものすごく強かったということなんだろう。

55歳かぁ。あと5年しかないやん。私もいい作品を残さないとなあ。80まで生きるとしたって(予定では60なんだが)もうあんまり時間ないしな。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
悲しいです。 (岡本はなびーる)
2005-05-22 18:12:21
悲しいです。。。

なにが悲しいといって、彼女の若さが…。



私もその昔、漫画大好き少女でしたので、萩尾望都さんが絶大な影響を受けた作家ということで、その作品に触れました。



およそそれまでの目に星、花をしょって…みたいな少女マンガの概念をぶち壊す画風が衝撃的、だったし、

ストーリーというよりも、全体で詩、そう、詩的でしたね・・・。



いまでも実家のどこかに、彼女のコミックスがあるはず・・・「ほんのすこしの水」。とても好きな作品です。阿修羅王がモチーフになっています。



岡田さんの追悼特集、組まれるでしょうね。

若い人に読んでほしいですね。。。
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訂正 (岡本はなびーる)
2005-05-22 18:49:04
今、岡田史子さんのことをネットで検索していて、記憶違いがありましたので訂正します。

阿修羅王がモチーフという作品は、正しくは、「死んでしまった手首 阿修羅王」で、『ほんのすこしの水』というコミックスに収録されています。

失礼しました。
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私はCOMしか持ってないけど (林本ひろみ)
2005-05-22 22:54:41
そのCOMも実家だし(捨てられてなければ、ですが)。



でも嬉しいな。身近に岡田史子さんを知ってる人がいて。ありがとうございます。
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初めまして。私と同年代ですね。 (トミー(猫とマンガとゴルフ~の管理人))
2005-06-08 15:37:14
 初めまして。このブログのことを読んで、私のことかと思いましたよ。私も中学の頃、COMに夢中でした。ここには同じマンガ好きがいっぱいいらっしゃるようですね。岡田史子さんのことを自分のブログにちょっと書いたので、トラックバックさせて頂きました。又伺いますので、どうか宜しくお願い申し上げます。
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トミーさん、いらっしゃいませ (林本ひろみ)
2005-06-09 09:55:46
岡田史子さんのマンガのことは、時々思い出していました。最近のマンガ全般の様子はさっぱりわかりませんけれど、彼女のようなタイプの作品って他にもあるのでしょうか。



いずれにしても寂しいことですね。
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