ぼくのうちに波がきた岩波書店このアイテムの詳細を見る |
この絵本は、メキシコの詩人オクタビオ・パスの短編小説をもとにして書かれているらしい。もともとはもっと怖くて残酷な話のようだ。
はじめて海に行った男の子が海からちぎれた波を家に連れて帰る。はじめのうちは平和的な感じだった波は、冬が近づくにつれて荒れるようになり、やがては波が呼んだものなのかどうかわからないが、幽霊や怪物までが家の中に現れるようになる。
仕方なく男の子の家族はみんな荷物をまとめ、寒い部屋に波だけを残して家を留守にする。その間に波はすっかり凍りついてしまう。
波は何だか硬そうに見えてしまうが、他の人物とか動物とか家具など、とても細かく描きこまれている。色は少し派手な感じ。ほとんどの絵は好きなのだが、ただ幽霊や怪物が出てくるところの絵は、なんかちょっと違うかなあという気がする。
訳者が原案の短編小説について書かれている文を読むと、この絵本の話の内容が少し違うふうに読み取れる。もともとは波は奔放な女性として描かれているらしい。気になる。ちょっと読んでみたい気もする。
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