いきがかり上いたしかたなく・ぶろぐ

寄る年波には勝てないし難しいことは出来ないし、行き掛かり上致し方なくブログに頼ります。

102.「ぼくのうちに波がきた」 キャサリン・コーワン文 マーク・ブエナー絵 中村邦生訳 

2005-12-30 03:02:27 | 絵本
ぼくのうちに波がきた

岩波書店

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この絵本は、メキシコの詩人オクタビオ・パスの短編小説をもとにして書かれているらしい。もともとはもっと怖くて残酷な話のようだ。

はじめて海に行った男の子が海からちぎれた波を家に連れて帰る。はじめのうちは平和的な感じだった波は、冬が近づくにつれて荒れるようになり、やがては波が呼んだものなのかどうかわからないが、幽霊や怪物までが家の中に現れるようになる。

仕方なく男の子の家族はみんな荷物をまとめ、寒い部屋に波だけを残して家を留守にする。その間に波はすっかり凍りついてしまう。

波は何だか硬そうに見えてしまうが、他の人物とか動物とか家具など、とても細かく描きこまれている。色は少し派手な感じ。ほとんどの絵は好きなのだが、ただ幽霊や怪物が出てくるところの絵は、なんかちょっと違うかなあという気がする。

訳者が原案の短編小説について書かれている文を読むと、この絵本の話の内容が少し違うふうに読み取れる。もともとは波は奔放な女性として描かれているらしい。気になる。ちょっと読んでみたい気もする。

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