可愛いカワラヒワ

私が好きな鳥はオオワシとカワラヒワだ。オオワシは日常的にそのへんを飛んでいるなんてことはないが、カワラヒワはよく飛んでいる。飛んでいるのだが、見つけにくい。スズメくらいの大きさで、スズメにまじって飛んでいたりするからだ。色もスズメによく似ている。ただ翼の一部分がとてもきれいなレモン色をしている。そして、まるで鈴を転がすような声でチリチリチリと鳴く。

カワラヒワを最初に見たのは、というか最初に気づいたのは、庭に野鳥の餌台を置いていた時だ。（近所からの「ベランダにハトがくる」との苦情にて短期間で撤去したが）

スズメによく似た鳥がいつもただ一羽でやって来て、可愛い声で鳴きながら餌をついばんでいた。羽にレモン色のしるしがあって、地味なのにとてもきれいな小鳥。それがカワラヒワだった。

きのうの午後、買い物の帰り。自転車で走っている私のすぐ横を一羽の小鳥がかすめていった。あ、と思って自転車を止め振り返ると、運送屋さんの駐車場のフェンスにカワラヒワがとまっていた。手を伸ばせば届きそうなくらい近い。

自転車から降りてそっと近づく。カワラヒワはフェンスから駐車場に降りて、先にそこにいたハクセキレイ（そのへんの道でよく見かける長い尾を上下に振っている小鳥。ちょこちょこ歩く姿がとても可愛い）と一緒に水たまりの水を飲んでいる。

カワラヒワを見るのは久しぶりだったのでとても嬉しい。と、私の見ている真ん前にもう一羽カワラヒワが舞い降りて来たのだ。つがいなのだろうか。二羽はしばらく水たまりのところにいてから、揃って舞い上がり電線にとまった。そして、驚くほどのスピードで西の空に消えていった。

全部で１分もないくらいの時間。でもとても幸せな気持ちだった。