木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

十字架

2015-09-27 23:31:39 | 
読んでる小説を飛ばしてお風呂のお伴に選んだのが10000歩の日に買った「十字架」重松清
やはり書店で立ち読み20ページ程の実力は相当なものだった
まだ半分ほどの進み具合だが今のところは だ
ただ何も考えず友達に勧めるべき内容の本でもない
友達の友達の中に悲しい辛い思いをした人がいるからだ
これはいじめのお話です


主人公、真田裕(さなだゆう)はクラスメイトをいじめによる自殺で亡くした
自殺したフジシュンは遺書を書いて いじめの張本人二人を明らかにするとともに
親友でいてくれてありがとう と裕にお礼の言葉を残した

でも僕は彼の親友でも何でもない
幼馴染ではあったがその中学二年の今はただのクラスメイトだったはずだ
いじめられてたのは知ってた
親友でもなかったのだから身の危険を顧みずその間に割って入る気もなかった
もう一人彼が書いた遺書に名前が載っていたのは 中川小百合
フジシュンの憧れの人で、自殺の直前に彼女にバースデイプレゼントを買って思い切って電話をした
「プレゼント受け取ってくれないか?」と
彼女はそれを断った
だから迷惑かけてごめんなさいとそこに記して そしてそれを送ったまま命を絶った

フジシュンには両親と弟がいた
世間で注目を集める事件となった
葬儀の時、僕と小百合は一般生徒とは別に前の方に呼ばれたが小百合はことが発覚してから学校には来ていない
僕は家族の・・少なくとも父親と弟から冷たい視線を浴びることになる
 親友なのになぜたすけてくれなかったのか

四十九日の前日、僕と小百合はフジシュンの家族に呼ばれた
仏様になる前に一度遊びに来てくれないかと
母親の優しい視線は感じるが、父親と弟からの無言の圧力
小百合はプレゼントを断った後ろめたさに涙を流す
それは当然の如く 父親からの理解は得る

本当は親友ではなかったんです
そう言えばもしかしたら父親と小さいころ一緒に遊んだことのある弟はわかってくれるかもしれない
でも、たった一人だけ亡くなった息子が語り掛けた親友は親友ではなかった
それを知ったお母さんはまたどんなに悲しむだろうか
あんなに優しくしてくれているのに


今そのあたりです

一つの命が終わることはその周りに大きな影を落とすことになる
家族、友達、それが普通の死でない時には社会にもその爪跡は残る
助けられなかったのか?
精一杯やってきたのだ
そう思うしかない そう思うしか
コメント (10)
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