ネトウヨ先導者百田尚樹。うーんこれは悪い意味ではない。
僕は彼の意見のおおよそは間違ってないと思うから。
保守的な言論人の他に多くの人に認められている小説家の顔がある。
「永遠の0」や「海賊と呼ばれた男」などベストセラー作家の名を恣にしている。
その中でもちょっと変わった本がある。「至高の音楽」と言うクラシックの名曲を解説した本だ。CD付きで名曲26曲の解説。
この本の帯に「文学は音楽に敵わない」と思わずにはいられない瞬間がある。と言う言葉があった。
「silent」の最新回で耳の聞こえなくなった主人公がCDを買う場面があった。彼はもう音を聞くことはできないのに。それでもその歌詞カードを見て耽るシーンが映る。歌詞だけだったらネットで簡単に見られる昨今、音だけだったら簡単にネットで聞くことができる昨今。でもそのCDがそばにいてくれることが大切なんだろう。そんなことを思うに耳の聞こえない人のどうしようもない不自由さを思い知らされる。僕らは何も感謝しないまま毎日音楽に触れ、歌い、楽しんでいるのに。もしその楽しみを奪われたらどんなに辛いことだろう。
そしてもし目の見えない人となったら音楽は聴けるかもしれないけれどネットに接するのに大変な苦労を伴う。どころか普通は自分でそこに辿り着くことさえできないことだろう。そしたら自分の聞きたい音楽にはめぐり会えない。歌詞も誰かに読んでもらわなければ知ることができない。しかも普通なら読み返すこともできない。
文学は音楽に敵わない時があるかもしれないけど音楽は文学に敵わない時があるかもしれない。
当たり前のことだがここまでそんな贅沢を知らないうちに享受して来たことを改めて感謝。ずるしかない。