はしがき
人間は生命体であるが、国家もまた生命体であり、個人がそれぞれ個性ある理念を
表現しているように、それぞれの国家もまた個性ある理念を表現しているのである。
各自の個性を滅却すれば人間は死あるのみである。国家も同じでことである。
国家の個性は滅すべからざるものである。特に日本国家は、海外の諸国とは
国の成り立ちが異なっているのであって、他国の成り立ちが人間の自衛のために
集団して建国を見たのとは異なり、
宇宙生命の本源神にまします天照大御神(あまてらすおおみかみ)の発想により
創作せられた国家構図を成す中心帰一理念の具体化として発祥せる生命体国家なのである。
しかもこの理念は、宇宙生命の本源神の御発想に基づくものであるから、
単に日本国家形態の中心理想であるばかりでなく、あらゆる“生”あるものの
存在の基本形態になっており、
すべて生あるものはその全構成要素が中枢を成す中心に帰一することによって
その健康を保っているのである。生命体としての国家は 他の生命体と同じく
中心に帰一することによって健全なる発展が見られるのである。
わたしはかつて 『 占領憲法下の日本 』 なる本を公刊して四十数万部を頒布したが、
そのとき三島由紀夫氏が 特に序文を書いて下さったが、その序文の中に次の如く
書いていられるのである。
・・・・・・
生長の家が 愛国運動の中心として活躍していることは今や周知のことだが、
それは決して近年に始まったことではない。
そもそも生長の家の発祥が、兵庫県の住吉村八甲田に住んでいた私が、
毎朝からだを禊(みそぎ)してから近くの本住吉神社にお参りし、
日本国の隆昌(りゅうしょう)と皇室の弥栄(いやさか)のために祈っていたとき、
霊感を頂いたところにあるのである。
そして昭和八年、東京における第一回講演会の演題が 「 中心(すめろぎ)に
帰一する道 」 であり、東京に本部道場が開設されて最初の十日間の講習会で
連日 『 古事記 』 『 日本書紀 』 に基づく日本の話をし、現世利益・病気治しの話を
第一義に期待し求めて来た受講者が驚嘆(きょうたん)したものである。
戦時中は 「 皇軍必勝・必勝生還 」 を宣揚し、戦後占領下も、自らは追放下に
ありながら、聖経『 甘露の法雨 』 巻頭の神示に 「 皇恩に感謝せよ 」 の一句を
堂々と唱導して来た。その後も、国民総自覚運動や文書を以て
一貫して、日本の実相、天皇の実相顕現を唱導し推進して来た。
書籍としても、 『 限りなく日本を愛す 』 『 我ら日本人として 』 など十点に余る
憂国の書を世に問うたが、今回、それらの論を統一して理解するための、
天皇と日本論の根拠となるべき問題を易しく説いた講話を中心に本書をまとめた。
日教組教育により日本や天皇の尊厳、特殊性について全く教えられず、
それどころか逆に反天皇、反国家的教育と社会状況の横行する中で、
いきなり天皇・日本の本質を説いても受け入れ難い層に、本書は特に有意義であると思う。
・・・・・・
これ( 補注:日本国内の精神的、思想的、分裂、対立の状態 )は、
禍津日(まがつひ)の神の出現で、過渡的現象としての自壊作用であり、
やがて本当の天照大御神ご司配の日本国が出現する時が近づきつつあるのである。
それに先立って、浄め払いのために 住吉大神(すみよしのおおかみ)の御出御が
なければならないのである。
住吉大神は 『 古事記 』 及び 『 日本書紀 』 の記録によれば天照大御神
御降誕(ごこうたん)に際し、また天孫降臨(てんそんこうりん)の折り、
神武天皇(じんむてんのう)御東征(ごとうせい)の際、
神功皇后(じんぐうこうごう)の三韓(さんかん)征伐(せいばつ)の時、
仲哀(ちゅうあい)天皇崩御(ほうぎょ)し給い日本国が危機に面した時など
顕われ給いて、日本の国をお護りになった神様であらせられる。
今や、日本国は 有史以来の思想的及び政治的危機に際し
吾らが 「 竜宮住吉本宮 」および 「 鎮護国家(ちんごこっか)出竜宮顕祭殿
(しゅつりゅうぐうけんさいでん)」 を造営し奉るのも、
一(い)つに 住吉大神に現象の表に臨御(りんぎょ)していただいて
直接その御光を頂き、日本国の危機の暗雲を一掃して頂き、天照大御神の御光を
現象界にまで射照し給い、炳焉(へいえん)として日本国本来の実相が顕現して、
思想的にも政治的にも日本国家が本来建国されたる中心理念の礎(いしずえ)の上に立ち、
確乎安泰たるを得んがためである。
本書の公刊の目的も同じことである。今上陛下が国史上初めて、お健やかに
御即位満五十年の記念すべき日を迎えられた今日、尚一層ひろく天皇国家の基礎を
なす理念につき、国民すべてに深く理解して頂きたいためである。
昭和五十一年十二月二十五日
谷 口 雅 春
目 次
はしがき
1 真理は人間を解放する 9
2 真の自分・より大いなる自己を生きるための根本哲学 52
3 唯物論 か 唯神実相論か ― 真理国家建設の原点 81
4 “ 身土不二 ” の観点から ― 祖国が新しく生まれ変わるために 107
5 祈りなき人生と祈りある人生と ― “ 唯物論教育 ” と “ 生命の教育 ” と 131
6 わが天皇絶対論 と 天皇絶対権力者論 との相違 160
7 青年に 美しい夢と希望を 170
8 真の平和には 先ず 「 占領憲法 」 の廃棄が必要である 194
9 限りなく天皇さまを敬愛する 221
人間は生命体であるが、国家もまた生命体であり、個人がそれぞれ個性ある理念を
表現しているように、それぞれの国家もまた個性ある理念を表現しているのである。
各自の個性を滅却すれば人間は死あるのみである。国家も同じでことである。
国家の個性は滅すべからざるものである。特に日本国家は、海外の諸国とは
国の成り立ちが異なっているのであって、他国の成り立ちが人間の自衛のために
集団して建国を見たのとは異なり、
宇宙生命の本源神にまします天照大御神(あまてらすおおみかみ)の発想により
創作せられた国家構図を成す中心帰一理念の具体化として発祥せる生命体国家なのである。
しかもこの理念は、宇宙生命の本源神の御発想に基づくものであるから、
単に日本国家形態の中心理想であるばかりでなく、あらゆる“生”あるものの
存在の基本形態になっており、
すべて生あるものはその全構成要素が中枢を成す中心に帰一することによって
その健康を保っているのである。生命体としての国家は 他の生命体と同じく
中心に帰一することによって健全なる発展が見られるのである。
わたしはかつて 『 占領憲法下の日本 』 なる本を公刊して四十数万部を頒布したが、
そのとき三島由紀夫氏が 特に序文を書いて下さったが、その序文の中に次の如く
書いていられるのである。
・・・・・・
生長の家が 愛国運動の中心として活躍していることは今や周知のことだが、
それは決して近年に始まったことではない。
そもそも生長の家の発祥が、兵庫県の住吉村八甲田に住んでいた私が、
毎朝からだを禊(みそぎ)してから近くの本住吉神社にお参りし、
日本国の隆昌(りゅうしょう)と皇室の弥栄(いやさか)のために祈っていたとき、
霊感を頂いたところにあるのである。
そして昭和八年、東京における第一回講演会の演題が 「 中心(すめろぎ)に
帰一する道 」 であり、東京に本部道場が開設されて最初の十日間の講習会で
連日 『 古事記 』 『 日本書紀 』 に基づく日本の話をし、現世利益・病気治しの話を
第一義に期待し求めて来た受講者が驚嘆(きょうたん)したものである。
戦時中は 「 皇軍必勝・必勝生還 」 を宣揚し、戦後占領下も、自らは追放下に
ありながら、聖経『 甘露の法雨 』 巻頭の神示に 「 皇恩に感謝せよ 」 の一句を
堂々と唱導して来た。その後も、国民総自覚運動や文書を以て
一貫して、日本の実相、天皇の実相顕現を唱導し推進して来た。
書籍としても、 『 限りなく日本を愛す 』 『 我ら日本人として 』 など十点に余る
憂国の書を世に問うたが、今回、それらの論を統一して理解するための、
天皇と日本論の根拠となるべき問題を易しく説いた講話を中心に本書をまとめた。
日教組教育により日本や天皇の尊厳、特殊性について全く教えられず、
それどころか逆に反天皇、反国家的教育と社会状況の横行する中で、
いきなり天皇・日本の本質を説いても受け入れ難い層に、本書は特に有意義であると思う。
・・・・・・
これ( 補注:日本国内の精神的、思想的、分裂、対立の状態 )は、
禍津日(まがつひ)の神の出現で、過渡的現象としての自壊作用であり、
やがて本当の天照大御神ご司配の日本国が出現する時が近づきつつあるのである。
それに先立って、浄め払いのために 住吉大神(すみよしのおおかみ)の御出御が
なければならないのである。
住吉大神は 『 古事記 』 及び 『 日本書紀 』 の記録によれば天照大御神
御降誕(ごこうたん)に際し、また天孫降臨(てんそんこうりん)の折り、
神武天皇(じんむてんのう)御東征(ごとうせい)の際、
神功皇后(じんぐうこうごう)の三韓(さんかん)征伐(せいばつ)の時、
仲哀(ちゅうあい)天皇崩御(ほうぎょ)し給い日本国が危機に面した時など
顕われ給いて、日本の国をお護りになった神様であらせられる。
今や、日本国は 有史以来の思想的及び政治的危機に際し
吾らが 「 竜宮住吉本宮 」および 「 鎮護国家(ちんごこっか)出竜宮顕祭殿
(しゅつりゅうぐうけんさいでん)」 を造営し奉るのも、
一(い)つに 住吉大神に現象の表に臨御(りんぎょ)していただいて
直接その御光を頂き、日本国の危機の暗雲を一掃して頂き、天照大御神の御光を
現象界にまで射照し給い、炳焉(へいえん)として日本国本来の実相が顕現して、
思想的にも政治的にも日本国家が本来建国されたる中心理念の礎(いしずえ)の上に立ち、
確乎安泰たるを得んがためである。
本書の公刊の目的も同じことである。今上陛下が国史上初めて、お健やかに
御即位満五十年の記念すべき日を迎えられた今日、尚一層ひろく天皇国家の基礎を
なす理念につき、国民すべてに深く理解して頂きたいためである。
昭和五十一年十二月二十五日
谷 口 雅 春
目 次
はしがき
1 真理は人間を解放する 9
2 真の自分・より大いなる自己を生きるための根本哲学 52
3 唯物論 か 唯神実相論か ― 真理国家建設の原点 81
4 “ 身土不二 ” の観点から ― 祖国が新しく生まれ変わるために 107
5 祈りなき人生と祈りある人生と ― “ 唯物論教育 ” と “ 生命の教育 ” と 131
6 わが天皇絶対論 と 天皇絶対権力者論 との相違 160
7 青年に 美しい夢と希望を 170
8 真の平和には 先ず 「 占領憲法 」 の廃棄が必要である 194
9 限りなく天皇さまを敬愛する 221