本書は、著者が1972年11月、米国ハーバード大学において、
国際関係学者約50人を前に、「1930年代より大東亜戦争開戦までの間、
日本が歩んだ途の回顧」というテーマで行った講演録である。
「統帥権」をうまく機能させていた元老がいなくなることで、
明治憲法の構造的な欠陥が、様々な対立を生むことになったこと等
とても示唆に富む内容となっている。
「 私は、日清、日露戦争は 日本の国防上、極めて重要な朝鮮半島での問題から
発展し起きた戦争、満州事変は ポーツマス講和会議に基づく満州における我国の
権益の保存、支那事変は 満州国の安全と保衛のためのもの、大東亜戦争は
自存自衛の戦争だったといえると考えます。 」