満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

不思議な少年(作:山下和美)

2007-08-27 | 漫画紹介

      (不思議な少年 1~5巻)

左は「天才柳沢教授」「寿町美女御殿」を描いた
山下和美さんの漫画です

多分…この漫画はマーク・トウェイン作の「不思議な少年」を元に
描かれたのではないかの~?っと思われます
ただし、マーク・トウェイン作の「不思議な少年」っという小説も
実際は誰か別な人が書いた話であろうっというのが定説となっています

小説では「堕天使サタンの甥」っと名乗る少年が
小さな村の少年に様々な人間の悪行を見せ
人間の悪い所をあげつらう~ってな話になっております

心に残る言葉の一つに…
哀れな人間にも一つだけ最高の武器がある
それは「笑い」であるっとサタンの甥が語る場面があります
苦しみも悲しみも「笑い」という武器によって
一瞬にして吹き飛ばす事が出来る…
この言葉がこの小説の唯一の救いだったと感じた記憶があります(笑)

さて山下和美さんの描いた漫画では
主人公である不思議な少年は時間も空間も場所すらも飛び越える
不思議な能力を持っています
その彼があらゆる場面の人間を…時には体験者として
時には傍観者として見続けるっというお話になっています

それぞれ30P前後から100Pあまりの一話完結が収録されているので
どの巻から読んでも面白いと思います

紀元前399年の古代ギリシャにて
死の間際のソクラテスと会い…彼を時空へと連れ出す少年。
戦いによる人間の愚行が詰まった未来を見せるが…
絶望の淵に佇んだソクラテスが、そこで発した言葉とは…


南極大陸の探検に向かい…遭難し…生き残った隊員二人
育ちの良い男と、育ちの悪い男
一見なんの接点もないように見えた二人だが…
幼い頃にある事件で二人は出会っていた…
少しずつ蘇る記憶。
遥か遠方に助けの船が見えた時、二人に再び何かが起こる

日本の現代、リストラされ離婚の危機に直面した末次家。
末次家の長男として潜り込んだ少年は
不甲斐ない父親に何代もの先祖までさかのぼり過去を見せる
なんという事もない過去の出来事に次第に夢中になっていく父親
普通の生活がその裏側に隠し持っている奇跡に気付いた時
父親の世界を見る目も変わっていく

永遠(?)の生命を持ち
時空を超えて旅を続ける少年は
色々な人々の生き様を見て行きます

神がかりな場面もあるのですが…
人間の少年の様な心を持ち合わせている場面もあります

人の心を多少なりとも持ちつつ続けるこの旅は…
何の意味があり…どんな結果を生むのか…
未だ謎のままですが
人の心を持ったままでは辛い旅になって行くのではなかろうか?
などとボンヤリと感じました


その点、小説の主人公の少年「サタンの甥」には人間的な要素が皆無な分
辛さは感じなかったな~

この二つの作品、小説と漫画だけれど
似て非なる面白い組み合わせだと思うので
機会があれば読み比べてみるのも一興かもしれません~

気持ち的には…歴史の真実を知りたい!っと思っておりやすが…
世の中には知らないからこそ幸せじゃ~てな事も沢山ありますもんね~
例えば…満天さんの…(ガハハハハハハ)