絵はがきの中にすっぽりと入り込んでしまったような気分にさせられるロッキー山脈の大自然。荒々しい岩肌をさらす雄大な山々と、神秘的な美しさをたたえる湖が絶妙にマッチして荘厳なアンサンブルを奏でます。
視界いっぱいに広がる大自然の圧倒的なスケール。連なる山々が、彫刻刀を打ち込んだように険しい。広大な青空。山すその緑に、雲の影が点々と映ります。
山肌が岩と緑でくっきり二分されているのは日本ではあまり見られない光景でしょう。山の断層は東側にあるものがほとんどですが、例外的に西側にあるものがあります。これは太平洋側から東へ褶曲した地層が一部反動で西へ押し戻されたもので、地球の歴史のダイナミズムを表しています。
湖の美しさにも目を見張ります。雪解け水がたまって出来た氷河湖は、氷河に削られた岩石が粉となって水に混ざり、光に反射して不思議な色になります。
ロッキーは野生動物の宝庫でもあり、様々な動物を見ることができます。大きなシカのムースやエルク、太く巻いた角を持つ羊のビッグホーン・シープ、マウンテン・ゴート(山ヤギ)。グリズリー(ヒグマ)もよく現れるといいます。
北側のカナディアン・ロッキーにはコロンビア大氷原があります。雪が風に舞い、氷のほかに何もない世界。氷の薄い部分が青や緑に光ります。地球の神秘さに心奪われます。アメリカ側のグランドティートン国立公園には、ロッキー山脈の峰々があり、優美な姿をふもとのジャクソンレイクなどの湖面に映します。