死をもって終わりとしよう。
彼は入水自殺を決行するも、
寸前で止められる。
愛しいものが彼を探しだし、迎えにくる。
寸前で止められるのも、結局愛するひとが迎えにくるのも、
私にとっては興ざめであった。
人生に絶望したって、
彼には愛するひとがいて、そのひとも彼を愛していて、
その関係がどんなに歪んでいても、
結局彼はひとりではなく、
ひとりであることに絶望する必要もないし、
死に行く理由もない。
だから、こんなに腹が立つのだった。
たかが小説、されど小説。(重力ピエロとは無関係な小説です)
今はまだ、守るべき対象があるから、
私は生きているのではないか。
その対象がなくなったとき、
私に生きる理由があるだろうか。
朝。雪が舞った。
気分がすぐれなかった。
不安定だったものが完全に均衡を崩し、
奈落に向かって堕ちてゆく。
まだ、うつ状態であるだけで、鬱ではないが、
ズブリと、底なしの沼に片足を踏み入れてしまった。
こうなると、沈むところまで沈むしかない。
抗う気力もなくなってしまった。
とうとう均衡を崩してしまった。
こういう状態は、突然やってくる。
不安な気持ちを抑えきれなくなり、
頭が恐怖心に支配されるとき。
私はなんて弱虫なんだろう。
何故こんなに軟弱なんだろう。
明日、一日だけ。