小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

今日11日(水) 一般質問のテーマは、中心市街地の道路・公園、登録の要らない移動サービス、コロナワクチン。会派・小林ミルク議会レポート発行

2024-12-11 06:28:28 | FUKAYANOUTOPIA

今年も残り二十日ほど。深谷市議会12月定例会が開催中で、今日11日(水)、ここ数回と同じようにラス前5人目に一般質問をします。

テーマは中心市街地の道路・公園、登録の要らない移動サービス、コロナワクチン。時間はわかりませんが午後になるでしょう。
傍聴で、LIVE配信 でぜひ。

関連リンク

また、10日、11日の市内新聞朝刊に会派・小林ミルク議会レポートを折込みました。
小林分だけ全文コピー&ペーストします。

============

9月議会の一般質問

Take in the sheets ―シーツを取り込んで(映画『オッペンハイマー』より)

 今回は「原爆の父」を描いた24年アカデミー賞受賞映画から。妻に当時の実験成功を伝えるメッセージがシーツで伝えられたことが印象的で、先端技術と日常的な感覚との切り離しようのなさの例として引用しました。

 まず「1福祉社会を生きる市民の希望のために」。日常生活用具、ストーマ装具(人口肛門・膀胱の糞尿袋)の給付補助基準額を、値上げに対応して引き上げてほしいという市民の声を取り上げました。以前に鈴木議員、今回は小泉議員も質問していて、平成18年の設定以来一度も変更されていないそうです。

 障害福祉課の答弁は「優先順位や実施時期等を考慮し検討する」。引き上げをお願いし、ストーマ使用の方の声を伝えました。いわく、「あまり使われてない小学生のミストファンや、期間限定の新札イベントの予算の少しでも回してもらえれば、これから一生ストーマを使わなければならないわたしたちにも明るい光がさします」。現在のような袋状ストーマの国内発売は1960年代。健康のための大きな技術です。

 続いて「2 DX過渡期をコミュニティ更新のチャンスとするために」。いまや紙資料をほとんど使っていないという埼玉県庁などの例から、DXはじっくりききたいと思っていたテーマでした。シニアの多い市民活動支援の仕事でもコロナ禍で苦肉の策としてオンライン化が進み、その過程でQR決済でのポイントバックなどITを使う楽しさが普及に威力を発揮しています。新たな技術がとくに旧い価値観と交差する過渡期こそ、コミュニケーションのかたちからコミュニティを更新するチャンスではないか。そう思っての質問です。

 深谷市は時事総合研究所「全国自治体DX推進度ランキング2023」で県内2位(全国96位)。検索すると市ホームページ(以下「HP」)以外の紹介も多く、市発情報とそれら外部情報をミックスして質問しました。情報が多い分、質問内で自身こぼしたように「こんな細かいことばっかりきいてどうすんだ」という感じになりましたが、おもなキーワードをピックアップします。

書かない窓口・ワーキンググループ 新庁舎オープンの目玉の一つだった、ユーザーである市民から窓口でききとって本人は署名だけでいい「書かない窓口」を市民課から1階横方向に広げている。プロジェクトを進めた「ワーキンググループ」は複数課から組織され、市としてはデジタルに強い人材を育てて全職員に波及させる方向。

OODA(ウーダ)ループ デジタル化推進に「絶えず行動を微調整しながら進める手法」。パソコン上の業務を自動化する「RPA」、書かれた文字をデータ化する「AIーOCR」などのツール導入で採用した。開発などの分野では「アジャイル」と呼ばれ、展開がスピーディになる。小林は「4サイクルでなくロータリーエンジンのような」とたとえた。

LoGoチャット LINEのように手軽なビジネスチャット。現在1300アカウントが外部関係者を含めて発行され、すぐに本題に入るLINEのように役所に多い形式的な記述が減って効率化に役立っている。

公式LINE ユーザーの「欲しい情報」に合わせ絞りこむ「セグメント配信」で、現在7千以上ある既存HPへのアクセスを増やしている、登録者は8月末日で1 万2363人。

紙印刷・業務時間の削減 紙印刷は4年度比で6年度末までに20%削減が目標のところ、実績は5年度末時点で14%削減。「業務のデジタル化」では前出RPA、AIーOCR、音声テキスト化などの活用で、5年度実績で9120時間の業務を削減している。

最後の引用はP・K・ディック1968年のSF作品から。1982年公開の映画『ブレードランナー』の原作としても知られる名タイトルを、DX過渡期の印象として引用しました。

質問後、荻野企画財政部長にあいさつに行くと「こちらも勉強になりました」。最後、「DXでできた時間に何をしますか」という質問への「相談業務もわたしたちの大きな仕事。できた時間は市民の声をきくことにあてたいです」という部長の答弁は、傍聴にきてくれたとなり町市議が「あれには、正直、感動しましたよ。満額回答、というか。うちの市職員からは聞かれない答弁です〜深谷市職員の幹部、自分の言葉で語る姿は良かったです。公務員の矜持を感じましたよ」と感想を送ってくれました。

議会改革
定数、議員報酬、議会・委員会の公開・発信などを調査・検討する議会改革委員会が11月で6回目になりました。定数は次回選挙まで現状のままというように、意見がまとまりつつあります。議員24人の委員会は議場より意見も活発でおもしろく、ここでの議論も市民にもっと伝えたいです。

農福連携
最初の当選直後、22年に始めた「議員カフェ」をきっかけにした県北市議のグループで、10月に熊谷市の農福連携拠点2か所を視察。11月には、この地域の関係者が交流した埼玉農福連携コンソーシアムに、昨年県南部に加えて深谷で農業二拠点生活を始めた方と参加しました。事例発表はどれも現場の苦闘ぶりと、何より農業と福祉の組合せで広がる楽しみにあふれていて、大きな刺激になっています。

議会だより
編集委員として表紙原案を担当するようになって5号目。1984年にジャンルを越えたミュージシャンが個性派ジャズピアニストの曲を取り上げた『セロニアス・モンクに捧ぐ』のジャケットを参考した今回はいちばん気に入っていて、もっとも修正も少なかったデザイン。議員改革委員会でも議会の発信は話題になっていて、もっと内容の更新を進めたいと思っています。

 

12月議会の一般質問は11日(水)4人目。テーマは中心市街地の道路・公園、登録の要らない移動サービス、コロナワクチンです



ハル・ウィルナ―のプロデュース作はほかにニーノ・ロータ、クルト・ワイルなど

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「たいへんおもしろい」(P・バラカン)『アイランダー クリス・ブラックウェル自伝』

2024-11-15 13:14:40 | 音楽

先週の「ジョウニ・ミチェル(バラカン風表記)・アーカイブ」に続きピーター・バラカン「ウィークエンドサンシャイン」聴き逃しを今回はまた繰り返しできいてます。
10月に自伝が出たというクリス・ブラックウェルはアイランド・レコードの創始者。「ボブ・マーリーとU2を世界に届けた男」と副題にある通り、ジャマイカまでの飛行機代がないからボブ・マーリーがロンドンに来たり、音楽はそんなに気に入らなかったけれど名前がユニークだと思ったのと熱意とマネージャーがしっかりしていたというのが理由のU2抜擢など、その「これやりたいと思ったことを実行する」音楽の冒険の紹介は「たいへんおもしろい」(バラカン)番組でした。
思い出すのはコンピレーションの名盤『アイランド・ストーリー』。2枚組のアナログを買ったのは発売すぐだった記憶があるので1987年、つまり大学卒業の年です。半年ほどはたらいた丸井大宮店の販売の仕事で、よくこのアルバムをかけてDCブランドの店員たちと話した内容を思い出しました。
そう思ってその自伝を検索すると、3,520円か、ちょっと考えよう。Spotifyで検索すると2枚組からのプレイリストがあり、さらに「自伝に登場する楽曲を網羅したプレイリスト」約180曲、11時間、1曲目は野茂英雄のテーマとしても知られるバナナボート、というすごいのを知ってしまったり、番組ではU2がウィズ・オア・ウィズアウト・ユーでなくブラディサンデーだったり、そのU2に株を持たせたり、不動産業に戻って成功するもののコロナで客が来なくなって自伝を書いたり…。
なんとも。
歳をとると楽しみが増えます。

番組聴き逃しは明日まで

自伝

プレイリスト公開

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ラジコタイムフリー、五香宮の猫、衆院選、地域通貨―そうだ、そうだ、そうだ

2024-10-22 06:29:23 | 映画

「想田和弘監督がラジオで深谷シネマのことを話してたんですよ」
シネマの朝のシフトに行った18日金曜、ボランティアのKさんにきいた。番組は文化放送9時からの『くにまる食堂』16日の放送。
若いスタッフMさんもまじえて、タイムフリーで探す。くにまる「10時台の〈産地直送ラジオのわ〉深谷というと」、想田「深谷シネマですかね。蔵を改装したすごい独特の、ユニークな映画館があって…すごくいい映画館があります」…。
10時台では深谷の話題があるらしい。話の中心はシネマでも27日から上映の最新作『五香宮の猫』こと。「ドイツの批評でわたしの社会にかけているものが写っている…ここには古くからの美徳…けんかしないじゃないですか。そういう姿がなんか新鮮に映ったみたいで…」
衆院選の公示直後。作品に『選挙』『選挙2』がある監督にパーソナリティが突く。
「論戦だといわれてますけど、実は論戦がないんですよ。選挙カーで街を巡ったり、街頭で握手するくらいなんですね。論戦なきままにいつの間にか終わってる。これがずっと繰り返されてるんですよね」
「僕はドキュメンタリーの映画を作ってますけど、やっぱり待つことが大事なんですよ。カメラをずっと回していて、待っていると、何かがやっぱり出てくるんですよ。そこがすごく大事なんです。だから、うんざりするくらい公開討論するのが良いと思います」
 (引用は番組ホームページより  )

くにまる食堂 文化放送 | 2024/10/16/水  9:15 頃

そして10時台。パーソナリティが「深谷といえばネギですね」と強調すると思ったら、地域通貨「Negi=ネギ―」の話題だった。電話ゲストは市産業ブランド推進室の馬場さん。「GO TO ふかやキャンペーン」がおもで「煮ぼうと」も「焼きねぎ」も出てきたが、「深谷カルソッツ」の名が出てこなかったのが残念だ。

同 10:00頃

・・・
20日朝10時、長男の合唱団の練習に向かう途中、J−WAVE「アクロス・ザ・スカイ」から想田監督の声がする。ゲストの本棚からその人の原点を探る「マイ・ブックシェルフ」は6月『あんのこと』公開時に入江悠監督の時に監督がよく言及するマリオ・バルガス=リョサ「果てしなき饗宴 フロベールと『ボヴァリー夫人』」の話をするのもきいた。ルー・リード/ジョン・ケイル「NOBODY BUT YOU」がかかった後でナビゲーター小川紗良が読み上げたのは、ドキュメンタリー作家・佐藤真『ドキュメンタリー映画の地平(上)』の一節だった。
「ドキュメンタリーとは映像と録音テープに記録された事実の断片を批評的に再構成することで虚構を生み出し、その虚構によって、何らかの現実を批判的に受け止めようとする映像表現の総体である」
 (引用は「現代アートハウス入門 ドキュメンタリーの誘惑」 より)

ACROSS THE SKY | J-WAVE | 2024/10/20/日  10:02頃
テレビの仕事でドキュメンタリーのつくりかたに悩んでいた、もっと違うつくり方があるんじゃないかと思っていた頃、この「虚構によって」というところに雷に打たれたような感じがした、と監督はいう。「虚構だからそこに批評性が生まれる」というところが目から鱗だった。ドキュメントとは真実を描くものという前提に違和感を持っていた、そこから僕の観察映画は始まっているんですよ…

そうだ、そうだ、そうだ。
選挙にしても、虚構による批評性にしても、映画と映画のことばは現実や社会を批判的に受け止める機会になる。コミュニティシネマの、そして議員の仕事に、映画と映画のことばは大きな力だ。
27日からの上映はいまのところ埼玉県唯一。しかも、猫というスーパーテーマだ。
何ができるか考えよう。

#rajiko #文化放送 #jwave #sky813 #想田和弘 #五香宮の猫 #negi #深谷 #深谷シネマ

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小林真ミルク議会ニュース発行。24日(火)一般質問は障害者福祉とDXがテーマ

2024-09-20 05:44:26 | FUKAYANOUTOPIA

小林真ミルク議会レポートを市内20日朝刊に折込みました。うちはジョイフィットとオザムの間です。
ミルク082=村川さんと二人とも、一般質問は連休明け24日(火)。4人目、わたしのテーマは、市民の声からの障害者福祉と一度メインでじっくりときいてみたかったDXです。

傍聴で配信でお付合ください。

・・・小林分ニュース・全文コピー・・・

みんなが、ちゃんとしてれば、ぼくたちだって宿題ひきうけ株式会社なんか、やらなかったさ。
タケシは心のなかでそうつぶやいて、ああそうかと思った。話しわすれたのはそのことだった。
だが、みんながちゃんとしているというのは、いったいどういうことなのだろうか?

(古田足日『宿題ひきうけ株式会社』1966より)

 春頃、小2の子どもと読んでいた児童文学の名作です。約五十年前。おそらく最初に読んだ社会派小説でした。
「みんながちゃんとしている」。わたしたちはみんな、ちゃんとしてきました。なのに、困ったことになっている。じゃあ、この土地でどうしたらいいんだろう。そう考えての質問でした。

「1.農地の地域計画」は農地のコモン化をテーマにした昨年12月議会の続編で、2月に行われた「農業者の意向調査」をうけて。「2.不登校支援」は教育相談など保護者と公教育機関のコミュニケーションを問うた22年6月議会の続編で、4月の「フリースペース・アミティ」発足記念シンポジウムなどを経ての質問です。ともに重奏低音は「人口減社会」。人口が減るのは、よりクリエイティブに、より一人ひとりに合わせて、いままでの社会を編み直していくチャンスではないでしょうか。
 執行部との問答は、録画や議事録、議会だよりがあるので、ここには質問の註釈、背景を記します。

田園風景と農業の未来のために
 農水省HPの「人・農地プランから地域計画へ」。今年度中に作成される「目標地図」は、農業者などの話し合いから「10年後の農用地1筆ごとの耕作者」を示したものだそうです。資料で「協議の場」での「意⾒が⾔いやすい雰囲気づくり」に言及していることが、このテーマ全国共通のムードを感じさせました。

 今年61歳、農村住民でもほとんどが非農業者の同級生たちの多くも、親から引き継いだ農地をどうにかしてくれと悲鳴をあげています。一方、長く農業を続けてきた人にも、コスト高騰や変わらない農業市場に見切りをつけて農地、ハウスを手放す人が出てきました。
「協議の場」は始まっています。7月から12月まで、市内25地区で2回ずつ開催。3月までに「目標地図」を取りまとめ、縦覧を経て公告。目標地図なしには来年度以降の補助金がないそうで、その後の変更はあるにしても令和6年度内に完成させねばなりません。農水省HPでは協議の場に話し合いスキルを持ったコーディネーターの活用もすすめられていますが、深谷市では地元関係者だけの協議とのこと。現状では農地の「出し手」と「受け手」のバランスが心配ですが、経営強化やアグリテックで改善されていくのでしょうか。
 考えたのは「所有」ということ。非農家の所有者は農地をもてあましている。うちの1反の田も近所の人に耕作してもらっていますが、平成初期の耕地整理で受け継いで祖父が晩年の何年か稲作しただけで思い入れもそれほどありません。所有しないでいいから、有効に使ってもらった方がいい。その時、新聞で読んだ鷲田清一『所有論』の三浦雅士評を思い出し、参考資料として共有しました。「≪所有≫を<受託>として捉えかえ」す。農地が農業のための受託なら、まち中の商業地も商業のための受託。商業をやりたい人が使いやすく、と考えを広げられるでしょう。市街地のあり方の再考にもつながる協議の場、目標地図づくりに期待します。

ばらつきのある教育機会創造のために
 子どもには、学校に行ってほしいと思っています。でも、どうしても学校に行けない、行くのがいやだというなら無理して行かなくていい。不登校に悩む人たち、十代の頃学校に行けなくてもその後は社会で元気に暮らす人たちと話すうちにそう思うようになりました。

 他の議員も、不登校対策をよく取り上げています。でもわたしも含めて、数は何人かとか、どんな対策をしているかというきき方になってしまう。そして全校に設置の「アプローチルーム」など、深谷市の対策は県内でも先進的といいます。
 ですが当事者の声をきくと、学校(≒市≒教育委員会)に相談に行ってもちぐはぐなことが多い。来てほしい学校、まず状況を変えたい保護者、いやなものはいやな子ども。「なぜ行けないか」原因を考える方法では、噛み合わないように思えます。
 学校は学校で、百五十年で築いてきたあり方がある。時代に合わせて変わることも大切だが、ここは別の、オルタナティブなあり方、場所を活かす複線化がいいのではないか。小栁前教育長発言を引用すれば「自前型の学校から助っ人型の学校教育へと転換」、協働型の教育への移行と、現場の多くの声でもある学校の息苦しさの緩和を提言しました。共有参考資料は、「遊びに行くから」はなんでダメ? という保坂亨『学校と日本社会と「休むこと」』の岩間陽子評と自分が書いた1997年神戸事件時の記事です。
 最後、不登校などさまざまな状況に「かっこいいことばでいうと負けたくない」と学校、教員の姿勢を明言しつつ、ロープと網の譬えで民間との協働の必要性を語った片桐新教育長、「わたしも学校が嫌いな時もあったし好きな時もありました。それもよく考えてみれば人なんですよ。…ここは人のために議論するところじゃなく制度ですよ」という小島市長の答弁もききごたえありました。最後の引用は自作『深谷の土』から。いい忘れましたが、県北の俳人金子兜太は育った場所を「産土(うぶすな)」と呼んでいました。

15万人の誰ひとりとして踏まずに生きられる者はいず、
土は必ずわたしたちを支えてくれる
Seien2020年11月号「オールタイム深谷―深谷の土」より

議員定数、報酬の議論開始

  議会改革員会で、議員定数や報酬、費用弁償、政務活動費などに関する意見交換が始まりました。提出したわたしの意見から抜粋します。

 1)深谷市だけでなく全国的な課題である市民と議会の距離、2)インターネットはじめコミュニケーション技術の発達、3)現在だけでなく数十年後の議会・民主主義像を考えに入れて回答しました。2018年の「町村議会のあり方に関する研究会報告書」で提示された<集中専門型><多数参画型>から「多数参画型」をベターと考えます。多様な議員が活発に意見交換しながら合意形成していくカジュアルな議会。自分のまちに関心を持った人が気やすく立候補できる選挙風土です。
 議員定数は多い方がいい。議員の少数化は「一部の人たちの政治」感が強まり、政治への無関心につながっているのではないでしょうか。定数を増やす分だけ報酬は減じなければなりませんし、高報酬は議会の敷居を高くするでしょう。 
 日本の民主主義、選挙制度の多くの矛盾。自分の中にもあるもっとも大きいそれは、同じ選挙区の社会への志が高い人に「あなたも立候補しませんか」といいにくいことです。それは選挙の宿命なのでしょうか。先日、「ミュニシパリズム(地域主権主義)」を掲げた岸本聡子さんが当選した22年東京杉並区長選を描いたドキュメント映画を監督したペヤンヌマキさんと話す機会がありました。「いっしょにやろう」といえない感じ、選挙の持つ独特の高揚感など、民主主義の雑感の中、23年の統一地方選時に多くの女性立候補があったことの驚き、可能性を話しました。杉並は杉並、深谷は深谷ですが、民主主義は地続きです。

 

「キャッチコピー」登場

 議会だより編集委員会では、表紙を小林原案〜委員全員の意見を経て完成パターンでもう4号目。今回は念願のキャッチコピーも入れられました。議会改革委員会との連動の声も多く、今後が楽しみです。

一般質問のためのメモ(リンク集)
https://docs.google.com/document/d/1F2aWxqYpbzKP3YL7vFiNBkxp6QV5t_puiRUH8BsFT_8/edit?usp=sharing

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今日12日(木)〜13日(金)決算特別委員会、24日(火)に一般質問

2024-09-12 06:29:02 | FUKAYANOUTOPIA

9月議会始まってます。
今日12日(木)〜13日(金)決算特別委員会、24日(火)に一般質問。通告が掲載されたので投稿します。詳しくはまた。

全議員の一般質問
https://www.city.fukaya.saitama.jp/material/files/group/2/202409ippanshitsumon.pdf

 

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夏休みの宿題、2回目のねこの場面

2024-08-21 07:41:01 | FUKAYANOUTOPIA

 画像はXより

議会の話と深谷シネマの話です。

7月30日に議会改革員会があり、議員定数や報酬、費用弁償、政務活動費などに関する意見交換がありました。議長の角田さんからの諮問という形式です。
どの議員にとっても重大なテーマ。長期欠席の報酬カットなどが話し合われたこれまでより活発な意見が出ておもしろくききました。全員に意見を出してもらおう、いや、会派ごとじゃないか、と意見が分かれる中、8月19日までに全員が意見を書いて提出しようということに。わたしは最後に、こうして議論が白熱するのはなぜか議場より議会だより編集委員会もそうだが委員会室だ、議会だより編集員の仕事は紙の「だより」をつくることだけではなく広く議会の動きを伝えることではないか、委員会のやり取りを個人のブログなどで発信していいのかときき、公式な意見交換だしそれはかまわないということになりました。

その日の発言でうなったのは、田島さんの「それを書くのが議員の仕事です…今件は市民の関心が強いと思うので、議会広報にどんな議論をしているか(途中経過を含め)載せるべき」(本人SNSより)。その後、田島さんは「夏休みの宿題…終わったかい?w」として回答の画像を投稿しています。この投稿へのレスポンスとして、わたしも全文コピー&ペーストを。

そして8月11日、深谷シネマで『映画 ◯月◯日、区長になる女。』を鑑賞し、監督ペヤンヌマキさんの舞台あいさつがありました。市政から遠いところにいたペヤンヌさんが自宅を通る道路計画を知ったのをきっかけに新区長支持に加わっていき、そこでの体験のドキュメント。ここでも、とくに多くは女性だった観客からシリアスな質問がありましたが、最後のひとりで手があがらなかったので「投票率約13%で2年前に当選した地元市議です」と前置きして、映画の中でいちばん印象的だった、告示直前で自分と選挙との関わり方を自問する「2回目のねこの場面」の撮影のことをききました。19日に提出した回答には、その内容も書いています。

いずれにしても、議会のあり方を自問し始めた深谷市議会。9月定例会が近いですが、おもしろくなってきました。

田島さんのSNSより
7.30 https://www.facebook.com/reel/1664197114363983

7.31 https://www.facebook.com/reel/842613637833650

8.15 https://www.facebook.com/hideoki.tajima.90/posts/pfbid0Sr6uE5THyH1ot26mqMbYtNp8UkowvhwxZJQprMruZZpSKtbGHabo7nCwXQ6bakNUl

 

小林真 Xより(区長になる女。』リポスト付)
https://x.com/quarante_ans/status/1822820554141020542

「長文です」とつけて19日に提出した回答全文コピー&ペースト

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

諮問1:議員定数と議員報酬、その他待遇、政務活動費の使途基準の見直しについて

氏名( 小林 真   )←匿名も可。その場合は(匿名)と記入。

設問1.議員定数について
◯増やす ・ 減らす ・ 現状維持 ←←いずれかに〇をつけてください。
意見があればお書きください。                                        

 全回答の考えは設問5にまとめて書きます。
 現行の24から、28、または26、25へ。複雑な社会状況では、さまざまな意見が市政に反映されるように議員の数は多いほうがいいと考えています。定数は漸次的に増加が望ましいでしょう。                                

設問2.議員報酬について
増やす ・ ◯減らす ・ 現状維持 ←←いずれかに〇をつけてください。
意見があればお書きください。                                        

 定数を増やす分だけ報酬減。定数28にして財政負担を変えないとなると約15%減ですが、議会へのコストを漸次的に低減させるため20%減を提案します。         

設問3.費用弁償、厚生年金、その他特別手当などについて 
意見をお書きください                                        

 費用弁償は議会、委員会その他招集のあった日にはキロ数に応じて支払うべきと考えます。「公務員の特別職」地方議員の待遇には長く議論されてきましたが、ふだんの市庁舎への訪問 でなく、招集のあった日は勤務と考えるのが妥当であり一般の職員と同等が望ましいでしょう。                                 

 厚生年金は希望により加入できるのがいいでしょう。議員の生活手段は多様ですが、議員になってそれまでの厚生年金に加入できなくなる人も少なくないでしょう。      歴史的に議論が交わされてきたという期末手当は、議員報酬の総額が市民に伝わりにくい。年俸制・均等支払に更新したほうがいいのではないでしょうか。     

設問4.政務活動費の使途基準について
    意見をお書きください。                                       

 使途基準に関しては、現状では議論になる広報での政党としての活動の広報は、当議員が一員として活動しているなら計上していいと考えます。しかし議員活動は当議員の日常生活と切り離せないと考えるので、とくに「経費の範囲」を定めて交付すること自体に違和感を持たざるを得ません。政務活動費分を報酬に 含め活動使途の報告は任意、確定申告で必要経費として控除する、が法的に認められていませんが感覚的にはしっくりきます。

設問5.他に提案などあれば意見をお書きください。                                       

 全設問を通して、1)深谷市だけでなく全国的な課題である市民と議会の距離、3)インターネットはじめコミュニケーション技術の発達、3)現在だけでなく数十年後の議会・民主主義像を考えに入れて回答しました。せっかく字数制限なく意見を書ける機会ですので、議会に関する考え方を記して市民のみなさんと共有します。

 3)では2018年の「町村議会のあり方に関する研究会報告書」で提示された<集中専門型><多数参画型>が参考になります。深谷市の環境や上記 1)2)、そして22年1月の初当選で議員になってからわたし自身が感じていることから、「多数参画型」を民主主義像を理想と考えました。多様な議員が活発に意見交換しながら合意を形成していくカジュアルな議会、自分たちのまちに関心を持った人が気やすく立候補できる選挙風土、そんなあり方です。

 定数や報酬は、それだけで議論できるものではありません。性格が違うといわれるかも知れませんが、育児や介護、裁判員制度などのように同時に制度が整わないと社会的な歪みが生まれるでしょう。

 議員定数は多い方がいい。衆院選では小選挙区比例代表制にシフトした1993年以降、とくに20代の投票率が低下しています。議員の少数化は「一部の人たちの政治」感が強まり、政治への無関心につながっているのではないでしょうか。

 定数を増やす分だけ報酬は減じなければなりませんし、高報酬は議会の敷居を高くするでしょう。 

 長く議論されてき費用弁償や諸手当。志願して多くない報酬を受け取って活動する性格を考えれば、個人事業主のような経済形態と考えます。

 日本の民主主義にも選挙制度にも、多くの矛盾がある。自分の中にもあるもっとも大きいそれは、同じ選挙区の社会への志が高い人に「あなたも立候補しませんか」といいにくいことです。ほかのことなら「いっしょにやろう」といえるのに。「いっしょにやろうといえない気分」は日本の政治を窮屈にしていませが、それは選挙の宿命なのでしょうか。 先日、「ミュニシパリズム(地域主権主義)」を掲げた岸本聡子さんが当選した2022年の東京杉並区長選を描いたドキュメント映画を監督したペヤンヌマキさんと話す機会がありました。「いっしょにやろう」といえない感じ、選挙の持つ独特の高揚感など、民主主義の雑感の中、23年の統一地方選時に多くの女性立候補があったことの驚き、可能性を話しました。杉並は杉並、深谷は深谷ですが、民主主義は地続きです。

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7月2日(火) 15時からFMクマガヤ、映画『ゲバルトの杜』公開記念番組 「政治の季節」 いかに語る

2024-07-01 22:06:21 | 映画

 ※画像は小林草案

明日7月2日(火) 15時からFMクマガヤの映画『ゲバルトの杜』公開記念番組に出ます。1972年早稲田大のゲバルト事件を描いた作品の監督は、熊谷出身代島治彦さん。話が始まったのが6月20日だから放送まで十日ちょっとの間、1969年の熊谷高校服装自由化のことを知ろうとしたことは、昨年、地元明戸地区での関東大震災時の出来事を知っていったのと同じような「歴史の時間」でした。知らなかったことだから、今の自分と地続きだからこそ味わえる時間と空間の交差点。
このおもしろさを多くの人と分かち合いたい。そう思って、新たなプロジェクト「県北 after 1945」を起ち上げます。まずは明日の番組を。

FMクマガヤ告知

代島監督X投稿

毎日新聞 6.28 「政治の季節」いかに語る 隈元記者

 

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熊谷・すず鬼 スタ満ラーメン

2024-06-28 06:37:59 | 食語り

小林真食レポリターンズ。おもしろい食文化発信再開です。

昨日、シアターエフの事業報告を北部地域センターに持っていたので、そうだと思い寄りました。
もやし屋らに語っているように、ここ数年の県北フードイノベーションベストワン。今世紀人気の胃にヘビーラーメンに県北のごわごわ麺、それとこれも21世紀ニューカマー肉汁うどんのエッセンスを加えた絶妙なバランス感です。従来たしか二度の訪問で、これだけ迫るパーツだらけなのになぜかすっきりしている食後感にまいっていました。全国区の潮流に県北エリア感のアドベンチャーなミクスチャーということでは、いまはなき名店「福は内」と様子は違いますが共通です。

FMクマガヤがかかっていることも、役員としてうれしい限り。やってた番組で石原に新社屋という葬祭業者のベンチャースピリットに触れ、こういうのがコミュニティFMと感じ入りました。
「お水を持ってお好きな席に」「紙エプロン使ってください」といういつもながらのパーフェクトな接客に今回はトッピング「全部お願いします」とこたえてしまいました。鬼ルッキングな丼姿もチャーミングです。
いやあこの麺、両サイドのにんにく、しょうがをセンターの背脂になだれ込ませる。辛いので水もどんどん飲みます。あっという間の一杯。満足です。

帰り途、そうだと思って来週の企画のため母校熊谷高校図書館へ。18の時以来だから42年ぶりの記念館です。帰ってから家人に、「何食べたん、そんなくさいのでひとにあっちゃだめだよ。今度あったらあやまりな」。はい、次回はしょうがだけにします。

#県北ラーメン #すず鬼 #福は内 #スタ満

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一般質問動画 「だが、みんながちゃんとしているというのは、いったいどういうことなのだろうか?」〜「15万人の誰ひとりとして踏まずに生きられる者はいず、土は必ずわたしたちを支えてくれる」

2024-06-21 15:15:43 | FUKAYANOUTOPIA

本日、6月議会が閉会。19日の一般質問の録画が早くもアップロードされました。最後、教育長と市長の答弁も圧巻です。

録画

以下、前後に議場できいた声:
「おもしれんだけど、何いってんだかわかんねんだよな。ライターなんだから、文書いてっから読めばいんじゃねん」(いや、書いてたらブレがないじゃないですか)「はい、どうぞ、っていわれても…」「わかりやすい質問お願いしますっていっちゃいますよ」「えっ、今(質問)増やすんですか?」
「パソコンがマイクに当たって音が出てました」「あいかわらず何いってるかわかんないけど、最後のコラムはよかったわね」「不登校を議会で話題にしてくれて一歩前進です」「いろいろよくまとまってたね」

モニター投映の資料

人・農地プランから地域計画へ

今回冒頭引用は、古田足日『宿題ひきうけ株式会社』から。
ここ数日、交くんと読んでいて、1章の最後のこの一節を何度も繰り返して味わいました。質問内でもいってるように、自分にとって最初の社会派小説。数年前に読んだ全集版あとがきで鴻上尚史が「小学生の時に勇気をもらった」と書いてて、『ゲバルトの杜』の劇映画部部分にもつながっています。

1時間の議会シアター。ご意見お寄せください。

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19日(水) 一般質問は「地域計画」と「不登校支援」。小林ミルク・議会レポートを発行しました+小学校のミストファン

2024-06-18 03:06:14 | FUKAYANOUTOPIA

6月議会が始まっています。
初日の3日、議長選挙があり角田議長、福嶋副議長が就任しています。ほかに先がけて決議されたのが、小学生の熱中症対策として導入のミストファン。効果、安全性などをめぐって質疑、討論が多く出ましたが、すでに各メディアにも登場しています。

NHK首都圏ニュース

埼玉新聞

わたしはいくつか質疑したあと賛成しました
動画(わたしの質疑は 20:22〜)

「なんだろう」って感じで半信半疑でしたが、小2の長男含め子どもたちは意外なほど喜んでいます。

17日から一般質問も始まっており、今回のわたしのテーマは「1.農地の地域計画」と「2.不登校支援」。1は昨年12月議会、22年6月議会の続編といえます。1は2月に行われた農家の意向調査、2は4月に行われたフリースペース“アミティ”主催のシンポジウムなどを経ての質問です。
19日(水) 5人目ですから午後のスタートです。

またこの一年、一般質問初日に新聞に折り込んでいる会派・小林ミルク「議会レポート」。今回も17日に折り込みました。


pdf
https://bit.ly/kobamilk240617

小林記事全文:
「映画に“政治的”じゃないカットなどない。どのワンカットも“政治的”だ」(大島渚)

 今回の引用は映画監督・大島渚。現役の監督・脚本家の井上淳一さんの引用をきいて膝を叩いてから、これまで何度も孫引きしています。
 22年の最初の補欠選以来、議会をもっと身近にと訴えてきました。政治と生活の距離。とくにおかしいなと感じたのは、この十年の熊谷での経験です。
 まず「NAOZANE」のライターとして19年の県議選時、候補者の政見を特集しようとして県選挙管理委員会から「事前活動にあたるので」とストップがかかったこと。同誌が新聞折込版だった20年ほど前には掲載可能だった内容がNGになってしまったことに違和感を抱き、読者の意見も掲載した巻頭記事「レッツ・トライ・トゥ・ヴォート」をヒストリー連載「After 1945―熊谷の選挙」とセットで書きました。
 その1年前の18年、アイドルグループとコラボ開催だった熊谷市民活動のニャオざねまつりで、九条の会などいくつかの市民活動支援センター登録団体が参加できなかったこと。当時支援センター周辺で交わされた議論を、「ニャオざねまつり&市民活動 11年のみち・まがりかど」という巻頭記事で書きました。
 自治体が推進する市民活動と根拠法のNPO法が「政治・宗教・営利」を排していることの議論は絶えません。「イデオロギーのない市民活動なんてありえないじゃない」とは、市民活動のフィールドで精力的に活動するある女性の言。とはいえわたしも運営者ですから、「◯◯首相やめろ」と書かれた七夕短冊を撤去したり、支援センターイベントで占いは可か、協賛事業者の広告物設置は可かなどスタッフ、利用者とああでもないこうでもないと繰り返した議論はいまや大きな財産です。
 さらには、約2年半の議員生活で感じている違和感。いくつかのメディアから「ほかの役職はいいですけど、小林議員とはいえないんです」といわれたことは、中立を志向するメディアの自主規制が民主主義にブレーキをかけていると感じています。
 バックヤード(背景)が長くなりました。一般質問冒頭で指摘したように今回の議会でも、エレベーターの営業マンでもある岡議員、ブロッコリー生産者の角田議員ら自らのバックグラウンドからの言説が議会のことばを彩っています。わたしもNPO支援とライターの経験から、今年度が市教育委員会直営最後の年となる公民館と主権者教育を通して、政治離れをテーマに質問しました。議会でのやり取りは録画、議事録を参照してもらうとして要約のみ。ここではフットノート(脚註)を記します。
 ◇ ◇ ◇
 公共施設は、多様な使い方ができる方が市民の利益になる。そう考えます。
 松村教育部長の答弁冒頭のように深谷市は「規模的・機能的に全国でも有数の優れた公民館」を持っている。近隣の市民からうらやましい、よく利用しているという声をよくききます。一方で「稼働率約3割とまだまだ活用できる余地」がある。「公民館が営利事業に関わることを全面的に禁止するものではない」とする18年の文科省依頼などを経て、21年から営利企業の利用が可能になっています。ただ、利用申請者が公民館での活動で収入を得ている場合、スポーツ教室や文化教室の講師が自ら生徒を募集し会費や月謝を徴収している場合は営利利用であり、例としてNPO法人が特定非営利活動である学習支援を行う場合も「営利」とみなされる実態をききました。たとえば、コーラスグループなど教育サービスを受ける側が講師を招いた場合は非営利になることと齟齬がないか。そう思って「ニワトリが先かタマゴが先か」と疑問を呈しています。
 最近、他自治体では「公民館でビアガーデン」などという事業も増えていますが、現在のところ深谷市の公民館は「物品の販売や商品の紹介、実演、契約行為などの行為が伴う場合は、個人・団体・法人を問わず」利用不可。それぞれの活動のための資金づくりという観点からも考え直してほしいです。
 次に宗教、というか価値観の多様化から増えている占いやスピリチュアルと呼ばれるさまざまな活動は利用可能か。答弁によればここ2年、宗教的な理由で利用できなかった例も、占いフェスタのようなイベントの開催例もないとのことでした。
 それは、政治的な活動も同様。布教や選挙に関わるものでなければ、宗教団体の会議や政党の報告会なども行われています。
 なお、事業計画の柔軟な変更やこの議会レポートのような印刷物の公共施設への配置に関しても質問しました。これらに関しては、予算内での計画変更や配置は各施設ごとに判断している。配置はスペースの関係などもあるから配置できない場合もあるとの答弁でした。質問を挟んで若年層などの意見を運営に取り入れる公民館運営審議会の公募をきくと、現在は公募のシステムはないが、必要なことでもあるので研究していきたいとの答弁。実現してほしいです。
 ◇ ◇ ◇
 もう一つのテーマは主権者教育。学校では、地域の現状を知る社会科資料集「新しいふかや」の活用や模擬選挙、学級会などの活動を通して実践し、社会教育の場では地域を知るや公民館主催の地域行事に参加することが主権者教育につながっているとの答弁を得ました。
 再質問では社会教育法22条の公民館の事業の最初に「討論会」と書かれていることに着目して、現在討論会を行うことがあるかと。松村部長の言は「討論会として行われていることはないが、ふだんの会議の場などで討論は行われている」。わたしはこういった討論をもっと深め、その議論をうまく市民に発信していくことが必要と、議会だよりの表紙デザインにも触れながら訴えました。
 最後に、主権者教育に関して小栁教育長に意見を求めています。これまで何度も深い答弁を返してくれた教育長は3月で退任し、これが最後の答弁になりました。要約します。
 主権者教育の出口である投票率の低下はそれが混乱していることで、混乱した時は原理原則に戻ること。戦後民主主義の息吹の中で何とか平和で民主的な国家を形成しようとする国民を育てようとして始まった公民館ですが、経済が発展し社会の構造の変化で人と人とのつながりが薄くなったことから、公民教育的な政治的なものを遠ざける風潮すら生まれてきました。そんな中、公募による若い人の登用は民主主義に沿うこと。いずれにしても「由らしむべし知らしむべからず」という政治の世界になるのは困る。人類の叡智がたどり着いた民主主義というシステムは大事にしていきたい
 学校勤務のブラック化、関東大震災朝鮮人虐殺事件の伝え方、ヘルメットなどの問題に関して、教育長はいつも歴史的な切り口から答弁をくださいました。感謝のことばとともに戦後間もない映画『カルメン故郷に帰る』に描かれていた学校への憧れと、自分がかつて業界紙で一主婦が政治に関わっていく過程をドキュメントした記事のエピローグを引用して締めくくりました。

政治は偏在して暮らしに強く結びつき、どちらもあるもので間に合えばそれがいい(2016年7月『関東古ハウスユースコネクション』より)

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『市民シアター・エフ PART Ⅱ』始まる………二代目理事長になりました

2024-06-02 16:20:19 | 映画

 


 総会前、剣道稽古待ちでシネマに来ていた長男に映写室を案内する竹石さん

5月28日(火)の総会を経て、6月1日に認定NPO法人市民シアター・エフの二代目理事長になりました。
創業者で理事長・館長を22年続けてきた竹石研二さんは引退で理事、名誉館長に。理事長と館長を分離して、理事長はわたし、館長は一回り若い小林俊道さんのダブル小林体制となりました。4月から公募で入った新スタッフ、数人の新理事も加わっています。
よく話しているように、46歳だった移転前の2009年にドキュメントを書かせてくださいと一観客だったシネマに来たのがいわゆる「地域デビュー」。それからとなりまちの本庄、熊谷でも活動して「市民活動・NPO」コーディネーターが専門分野のひとつになって子どももできて、15年経ったらNPOによる日本初の映画館運営NPOの代表になっていたわけですからわからないものです。
このところ繰り返しているのは、22年続いてきた映画館業務以外の「映画を中心とした文化を通したまちづくり」業務を広げていくのが自分の役割ということ。NPO20分野の「五 農業支援」「十九 市民活動の中間支援」を加えた定款変更も視野に入れています。これまでやってきた「まちづくり・中間支援」に「深谷シネマの運営母体」というブランド力は国内最高レベルでしょう。楽しみなこと、この上ありません。

以下、総会後の竹石さん慰労会での自分のことば要約(かなり修正)と、当日思いついて編集した2010年時点の企画書+サンプルテキストの予告編を含む、シネマ&七ツ梅関連の各メディア発表文集「Kenji Takeishi whitten by Makoto Kobayashi」の pdf です。
………
竹石さん、深谷にこんないい場所をつくってくれてほんとうにありがとうございました。
これからシアター・エフのパート2が始まります、と、映画館のNPOですから、思い出すのは映画のパート2作品です。みなさんパート2といえばどの作品ですか。(場内)「ゴッドファーザー!」。そう、われらの世代ならやっぱり『ゴッドファーザー』ですね。でも、今朝検索して知った10年くらい前の何だったか海外雑誌が選んだベストは『エイリアン』でした。
わたしにとってもパート2ナンバーワンは『ゴッドファーザー パートⅡ』。その魅力は何でしょう。いろいろありますが、やっぱりパートⅠには出てこないロバート・デ・ニーロが出てくること。タータララーラララー…と、現在のアル・パチーノ=マイケルから若きデ・ニーロ=ビトーが重なるシーンは、名作ばかりのデ・ニーロ出演シーンでも一、二を争う完璧さです。
パート1にはいないスーパー俳優が華やかにするのがパート2の名作。きっと『シアター・エフ パート2』でも、今日はここにいない誰かがデ・ニーロとなって深谷シネマの物語をさらに魅力的にしてくれるでしょう。
おたのしみは続きます。

英エンパイア誌が「史上最高の続編映画50本」を発表。第1位は?(2009.9)

深谷シネマホームページ

『Kenji Takeishi whitten by Makoto Kobayashi』 pdf (冊子化・販売検討中)

上記の一部である『埼玉県北ニアベンチャー 2010’s』



 竹石研二さん慰労会で入江悠監督から


 ネームタグは小林俊道新館長が作成してくれた


 記念品のひとつ新札名刺

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Seien 6月号発行+「深谷市少年少女合唱団」くすだま大作戦

2024-05-22 06:47:23 | FUKAYANOUTOPIA

5月3日に情報提供を呼びかけたピーアイピーのフリーペーパー「Seien」6月号が発行されました。巻頭特集タイトルは「7月3日まで進行中! 深谷史上最大のカウントダウン 新一万円札がやってくる」です。


5日の記念館前のいきなり取材に応じてくれた旭川・岩手から来深の姉妹はじめ、深谷(関係)人のたくさんの声が2ページに詰めこめました。ありがとうございます。
加えて取材の副産物がふたつ。新一万円札名刺の自分版と、新札発行市歌替歌(一部)です。前者はトップ画像に使うことにした中里商店製を話をきいているうちに、じゃあ、わたしもと。後者は市担当にくす玉大作戦のことを詳しくきき、子どもの画像がほしいと思ってこの春から長男が参加している少年少女合唱団に持ちかけてできた子どもたちと先生たちのハーモニーです。本文ラスト一行は、実は最終稿で思いついて挿入しました。フリーペーパー記事が創り出すささやかな現実。創刊号巻頭のタイトル「深谷現創学」は展開しています。

「深谷市少年少女合唱団」ホームページ

巻頭特集 pdf

創刊号(2020.10)巻頭「深谷現創学」

 

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Seien 6月号「渋沢新一万札発行」特集のネタを募集します

2024-05-03 18:18:19 | FUKAYANOUTOPIA

いよいよあと2ヶ月になった「渋沢新一万札発行」。Seien 6月号巻頭はこの深谷市史上最大のカウントダウンを特集します。市主催の数々のイベントともに、市民や各団体による関連イベントや商品、個人的な思いコメントなどを紹介します。
自分たちでも、知ってる誰かでも、何でも大歓迎。本投稿へのコメント、SNSのDM、メール、電話でご連絡ください。内容によっては対面か電話で取材。できる限り掲載します。
ぜひ、ご協力ください。

Seien ライター・小林 真
090-9108-5785
SNS、メールはこちらから
https://lit.link/makoto3660021

この記事のイメージです。
2021年4月号「二〇二一年春。栄一、プレゼンツ…」
https://bit.ly/seien202104

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3月31日(日)、会派小林ミルク議会レポート「令和5年度総集編」発行

2024-04-02 06:57:19 | FUKAYANOUTOPIA

3月31日(日)、年度最終日に会派小林ミルクの議会レポート「令和5年度総集編」を新聞に折り込みました。

議員一人月額2万5000円の政務活動費、年間55万円(2万5000円×2人×11ヶ月)を全額レポートの印刷と折込料に使って少し自己負担しています。2人両面だと1枚あたり3.3円の市b運販売店に支払う折込料金が半分ですむので9月(6月議会編)、12月、3月に2回の4回発行できました。視察も少し考えましたが、それはあんまり遠くでなくちょこちょこ行こうよ、ということでのレポート発行。少しずつ反響もでてきました。ぜひご一読ください。

pdf
https://bit.ly/kobamilkreport240331

===小林分テキスト===

 ミルクおやじさんと同じく3月議会一般質問は6月発行の次号で詳しくということで、この号は今年度の議員活動総集編。6月、9月、12月、3月議会をテーマ別にリミックスします。

文化とまちづくり
 6月議会で100年目になる関東大震災時の流言蜚語事件を、12月議会でこれまで何度も取り上げている旧七ツ梅と区画整理をテーマにしました。
 ともに提案が主旨なので、質問になりにくい。とはいえどちらも訴えたい、多くのみなさんに伝えたいこと。どちらもきっかけは映画です。
 関東大震災は深谷出身の若手映画監督入江悠さんが、近2作で言及していること。映像作品を通しての「忘れてならない」というメッセージをこのまちにフィードバックさせるため、現在の小中学校で事件がどうおしえられているか問いました。語りにくいテーマを授業で若い世代に伝える難しさを、この3月で退職する小栁教育長の熱意のこもった答弁が印象強く残っています。
 そして旧七ツ梅と区画整理では、難しいという計画変更が実際はどう難しいのか問いました。ライフラインの埋設や換地。初めて知る内容から、ではわたしたち市民はどうするか、の考えが深まりました。
 文化とまちづくり。深谷市総合計画では「渋沢栄一の精神とSGDsの視点を踏まえたまちづくり」を掲げています。栄一スピリットはもちろん広げたい。でも今世紀に入って日本有数の「映画のまち」にもなった深谷では、映画をベースにしたまちづくりは効果的ではないか。まちづくりは、一人ひとりが得意なことをして積み上げていくもの。「まちづくり」というより、丸山真男を援用して「まちなり」といった方が近いかも知れません。そう思うとともに、参加しているアート議連の研修で触れた「文化芸術が不要不急といわれないために、アートは福祉でもあるという視点が欠かせない」(要約はおおよそ)という考えをしっかりと心に置いて考えて続けています。

「ばらつきのある教育」と福祉
「ばらつき」は内田樹編『転換期を生きるきみたちへ』から。「ばらつき」を偏愛するという内田は「『何の役に立つかよくわからないもの』が群生しているのが知的空間としては極上」といいます。
 それで9月議会では、「なぜヘルメットをかぶらなくてはいけないのか」と子どもに問われたらどうこたえたらいいかをはじめ、発達に関する相談への対応、12月議会では小規模小中学校の統廃合、3月議会では公民館使用に関するガイドラインと、主権者教育とそれに必要なコミュニケーション学習を学校教育、社会教育の両面から質問しました。右の関東大震災もここに含まれるでしょうか。
 いずれも執行部の答弁とかみ合わないことは少なくないですが、よく考えると「決まっていること」ベースにロジックを組み立てる執行部と「ものごとを決めないこと」の意義を語るわたしの議論ですから、それは当たり前かもしれません。でも、こうしたアウトプットのばらつきこそ信じられる。そう信じています。

 

守りたい風景と環境
 ストレートに環境がテーマなのは、9月議会の「クビアカツヤカミキリ」と12月の「家庭用廃油回収リサイクル」。どちらも環境に関心のある方の声からです。それと12月の農地問題も、大きくは環境、風景につながるでしょう。
 環境に関する問題は、制度・法令や経済産業、消費社会、農村文化と数多くの問題が絡んでかんたんな解決策はありません。そしておそらく人口減社会のデメリットを、もっとも激しく被る分野なのではないでしょうか。できることをできるだけ早く進めるしかありません。

世と議会との距離
 3月議会で主権者教育を質問しましたが、議員になって2年間、ずっと感じている思わずため息が出るような「重さ」です。議員と書いてはいけない、議員として話さないで、議員はオブザーバー参加になります、という場面が少なくない。意見をいうのが議員の仕事なんじゃないんでしょうか。公職選挙法で、議員の行動は制限されています。しかたない制限もありますが、仕事としての立場や家庭人としての役割の延長にあるのが議会であり議員ではないか。決まっているわけでないのに。映画作家・井上淳一の言葉を借りれば根拠のない「脳内リスク」によって何かが生まれるのを疎外する「過剰な自主規制」は、過去を振り返ってみればここ30年くらいでずいぶん強くなっています。
 質問中も話しましたが、低投票率、政治への無関心は行政サイドが悪いわけではなく、市民みんなが共同でよくなくしている。「政治に関心を持ちましょう」といわれて、たしかにそうだ、と関心を持つ人はいません。むずかしい。
 ここでも、できることから少しずつやっていくしかありません。いちばんは意見をいったり、ひとの意見をきいたりすることの大事さ、いや、大事さより楽しさ、高揚を感じられるようにすること。次に議会そのものを、もっと関心を持ってもらうようにする。「悪くないおもしろい」論議を重ねていくことでしょう。この点がミルクおやじさん・村川議員といちばん一致する考え。それと「決まったように思われること」でも、もう一度考えようという姿勢です。3月議会でもわたしはずっと「産業会館跡にこども館」の計画に賛成でしたが、ミルクおやじさんと何度も話をするうち意見を転じて反対討論もしました。
 それと市民協働をもっと進めること。自分たちで市政を変えていける実感、空気をもっともっと広げていかなければおもしろくありません。
 また、委員会の仕事では、議会だより委員会で9月議会号から表紙の基本デザインをやらせてもらっています。編集者、サブカルチャー愛好者の経験から、ポピュラー音楽名盤ジャケットやファッション誌のデザインを参考に、中身を語る文字を多くして他の委員のみなさんの意見でリファインして好評。「議会だより編集委員の役割は、紙とPDF媒体のだよりだけでなく映像やSNSなど議会をメディア化することではないでしょうか」と提案しています。

 市外議員たちとの連携も計画中。会派・小林ミルクの令和6年度にご注目ください。

 

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4日(木) 4人目で一般質問の裏/メインテーマは「世と政治との距離」+12〜13日に深谷市内に小林ミルク議会レポート2万7100部新聞折込

2024-03-13 20:25:51 | FUKAYANOUTOPIA

このところ、Seien 原稿締切などでアップアップでしたが、12〜13日に深谷市内に議会レポート2万7100部を折込みました。3回目で花園の佐川急便で東京カラーの商品受取、ミルクさんと手分けして販売店回りのパターンもスムースです。

一般質問は今回も最終日。14日(木) 4人目なのでたぶん午後いちばんです。
テーマはR7年度から指定管理になる公民館。議員でもめったにいない指定管理経験者として、とくにグレーゾーンが多い「営利・宗教・政治」との関わりをきいてみます。裏テーマ、いやメインのテーマは、2年前の立候補の動機の大きな一つだった「世と政治との距離」。前回の『月光』に味をしめた引用は、いくつかのところで公言通り映画人のことばです。
傍聴で中継で、ぜひおつき合いください。

ネット中継

===「読む議会」テキスト===

「論理と理論の違いなんてわからなくていいけど 無知でいるのは罪か?無知でいるのは罪か?」
(The Birthday『月光』詞・チバユウスケ 2021)

 オープニングは23年11月に亡くなったロック歌手、チバユウスケ作『月光』の歌詞から。2年前の発売当時、十五夜前の月光に稲穂が輝く福川沿いを子どもとききながらきいたこと、「無知でいるのは罪か」という歌詞から「知らない」ということを考えたことから三本立ての今回の質問の最初に引用しました。

小規模学校地域のよりよい教育環境のために
―小中学校の統廃合―

 わが明戸小中学校はじめ、小規模校の統廃合の話です。熊谷では長期にわたる統合計画がスタートし、おとなり大寄の高田議員も議会の合間に話していたように北部を中心に統合の噂をよくきく。7月に発表された公共施設適正配置計画では「検討していく」とされている小中学校の統廃合が現段階でどのように議論されているかを問いました。
「まだ何も話し合ってないんですよ」。質問打合せで、こたえの半分は解決しました。担当課によると、深谷市は北部の農村地帯でも学年を合わせる「複式学級」はまだない。小規模校のメリット、デメリットを教育部内で検討しているところだそうです。
 この質問の裏テーマは「民主主義」。熊谷では自分が市民活動支援センター所長になった17年に発表された統合案が、現場の教員も保護者も地域の人々もまったく知らないうちに策定されて公になりました。その後、支援センター利用者からの声、統合反対運動、妻沼地区で行われた保護者有志による大規模なアンケートが計画されなかったことなど、行政サイドと市民との分断を残念な思いでみてきたことから、深谷では同じようなボタンのかけ違えを起こさないためにどうするか、さらには大きな地域感情を集めるこのテーマでうまく合意が築ければこの土地の民主主義にとって大きな体験となる、そのための考えはあるかとききました。
 松村教育部長の答弁は、教育委員会だけでなく市長部局、地域、保護者などとの合意形成の過程を重視していきたい、その際には妻沼地区で保護者グループから提案され、最近行田市では市内全校設置の計画が発表された小中同じ敷地の義務教育校、1時間かけて歩いている子もいる現在の校区の見直しも検討するとのこと。活性化しつつあるSNS民主主義も活かしての今後に期待します。
 なお、12月議会の後、妻沼地区でアンケートを行った保護者の方の話をきく機会がありました。その時に伝えたのはここで書いたような深谷での今後のことと、熊谷の市民活動で仕事するものとしてそのアンケートをきちんとキャッチできなかった無念。よくしようという気持ちは、できるだけ大きくしたいではないですか。

食社会、リサイクルの充実のために
―家庭廃油の回収―

 藤沢地区の方の、「河川汚染の原因でもある家庭用廃油を市で集めてくれないかしら。公民館で集めてくれると理想的なんだけど」という声から質問しました。CO2排出量が少ない航空機用再生燃料「SAF」の原料としても注目が高まっているといいます。
 これにはオプションとして、わたしも風土飲食研究会として環境課と16年から継続している生ゴミを家庭で堆肥化する「ダンボールコンポスト」推進と「食と環境」シリーズでの協働事業を提案。この方法なら実現は近そうです。

農業持続と農業振興地域の再考のために
―農業の継続と農村風景の今後―

 この質問には多くの声が詰まっています。そして、冒頭の引用のように農村に住みながら自分が農地のことをほとんど知らないもどかしさ。
 声はまず、土づくりが上手で作物がおいしいと評判の農家が26年豪雪で再建したハウスが張替えをしようとしたら費用高騰で800万と見積もられ、もう続けられないと廃業を決めた話、それから60歳になった中学同級生たち非農家の農地をどうにかしてという悲鳴、そして23年3月議会でも話題にした北部、市街化調整区域の今後の3点です。
 この質問をまとめようとして議事録を読むと、経営体育成条件整備事業、農地中間管理機構、多面的機能発揮促進事業、農振除外といった用語や答弁にはそれぞれ数字があげられていますが、録画もききなおして思うのは、テーマを細分化するほど訴えたいことから離れていく実感。きっとこの問題の真ん中はどうにかしたいけどどうすることもできないやるせなさという「感情」だから、用語や数字はなじみません。質問内でこの地を離れている同級生のメールから引用しました。「農家が安定的にもうかる人気職種なら、放っておいてもみんなが競って農家をやります。それが世の中の自然の流れです。農業をやっていた両親の下で育った人間が感じているのだから、大きく外していないと思います。憲法で定められている職業選択の自由があるのに、農地法により保有する土地の利用を農地に縛られるのは疑問であり、保有者に選択する余地があるべきだと思います」。
 後継者不足は農業がなりたちにくい社会とそこに背を向けた自分たち。まわりに広がる田園風景に、祖父母からきいた戦後まもなくの農地改革から、高度成長と調整区域を産んだ都市計画法、耕地整理とバイパス開通、食管法廃止といった物語を経て、もう個人や家族ではこの風景を維持できないこと。ならば土地神話から、斎藤幸平らがいい始めた共有在「コモン」として考えていかなければならないではないか。教育や介護、保育が家庭から社会に重点を移したように。農業でいえば、ディープヴァレーのようなアグリテック、熊谷小原営農のような地域発生型農業共同体、そして「農業+X」のような複業化や農業クラウドソーシング、農具シェアリング…。
 そうした提案の後、群馬太田・尾島地区と明戸地区の50年の変化をみて、最初と同じ城北川右岸で何度も長男と繰り返した『月光』の一節で締めくくりました。

「お前の想像力が現実をひっくり返すんだ」(同)

 質問を終え、「今回はいちばん内容がよくわかった」「質問と答弁がキャッチボールになってた」と他議員から好評でした。中でも同日行われた議員クラブ・部課長懇親会での角田幹事長のあいさつ、「小林議員のたんたんとした語りをみなさんじっときいている。この人はいったい何を考えているんだろう…」。会場は笑いに包まれ、その後の席で何人かの方とザ・バースデイや音楽の話をしました。
 また議会だより編集委員としては、深谷栄一の表紙デザインを提案。好評の声が多いですが、デザインの真意はファッション誌風にして審議内容の文字をできるだけ入れることで、深谷栄一のほかふっかちゃん、渋沢栄一案も出しました。3月議会でも、さらに中身を読んでもらうデザインを提案しようと思ってます。

 

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