小暮写真館
大好きな~作家
宮部みゆきさんの念願の新刊です。
・・・高1の花ちゃんこと花菱栄一の両親は、結婚20周年を期に家を購入する。
新居は“新築”ではなく、さびれた商店街に取り残された小暮写真館という“古家”。
店舗や写真館の看板をそのまま残し、家の中だけをリフォームした新居には
元の住人、小暮老人の幽霊が出るという噂もあって・・・。
「小暮写真館」「 世界の縁側」「カモメの名前」「鉄路の春」4話の長編小説。
ネタばれは、しませんよ。ご安心を~
主人公の高校生の語りで~物語は~進行していきます。
宮部みゆきさん・・といえば
女性心理を描かせたら~この人の右に出るものはいない!と、
信じて・・いました。
けど
この物語の主人公は~高校生の男の子です。
あれ?
この花ちゃんを取り巻く家族であったり、友人であったり、その人間模様
まるで、「サザエさん」と見間違えるような~平和で~普通~高校生って~こんな会話するのかなあ~というくらい~平和で~
長閑な時間が流れています。
スパイスとして、
心霊写真・・だったり
妹の死・・だったり、
不登校・・だったり、
失恋・・だったり、
いわゆる「負」の部分が、織り交ぜてはありますが、
全体に流れる空気感は
サザエさん~サザエさん~サザエさん~は~愉快だな~の世界。でした。
あれ?
これ?
宮部みゆきさんの本?
本のカバー 素敵ですよね。
最後のページを読み終わり、ぱたんと本を閉じる。
この本のカバーが、伝えるもの。
ここで、初めて、気づきます。
「春の駅だ。
線路脇を桜並木が彩り、菜の花の絨毯が広がっている。そのに停まっている電車は、上半分がクリーム色で、下半分が紅色だった。」