カズオ イシグロ 著
遠い地で暮らす息子に会うため、長年暮らした村をあとにした老夫婦。一夜の宿を求めた村で少年を託されたふたりは、若い戦士を加えた四人で旅路を行く。竜退治を唱える老騎士、高徳の修道僧…様々な人に出会い、時には命の危機にさらされながらも、老夫婦は互いを気づかい進んでいく。アーサー王亡きあとのブリテン島を舞台に、記憶や愛、戦いと復讐のこだまを静謐に描く、ブッカー賞作家の傑作長篇。
カズオイシグロ氏の小説は初めて読みました。
物語はロードムービーの様な、ファンタジーの様な、なんだか不思議な世界観でしたが、流石はノーベル賞作家と言っていいのではなでしょか。
この世界観に引き込まれて行く良さがあります。
不気味な展開、ハラハラとさせられる展開、申し分なく面白かったですね。
ただ、やはり海外文学である事に氏の意図している見解なのかは気になるところ・・・。
特に物語の終盤、結局読者に伝えたいことはなんなのか、この老夫婦の姿や行く末をどのように想像すればいいのか、私の様な凡人にはもう一つ突っ込んだ締めくくりが欲しかったかな。
とはいえ、やはり読んで良かったと思えた一冊でしたよ