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トランプ氏「日本、記録的量のガス輸入へ」 共同記者会見

2025-02-08 12:10:01 | トランプ政権


7日、ホワイトハウスで共同記者会見に臨んだ石破首相とトランプ大統領(ワシントン)
=AP

 

訪米した石破茂首相は米東部時間7日午前(日本時間8日未明)、ホワイトハウスでトランプ大統領と初めての会談に臨んだ。
 
大統領に返り咲いたトランプ氏の言動は日米両国だけでなくアジアの経済・安全保障に大きな影響を与える。会談後の共同記者会見を速報で伝える。
 
 

共同記者会見は7日午後2時20分(日本時間8日午前4時20分)から40分弱行われた。

トランプ氏「日本は記録的な量の天然ガス輸入を始める」

トランプ氏は「日本はまもなく歴史に残る記録的な量の米国産天然ガスの輸入を始める」と語った。

「アラスカ州の石油・天然ガス事業に関する日米合弁事業について話し合っている」とも紹介した。

 

首相は「トランプ氏の決断を非常に感謝する」と謝意を示した。

「日本としてLNGのみならず、バイオエタノールやアンモニアという資源を安定的にリーズナブルな価格で提供されるのは大きな国益だ」と話した。

 

 

トランプ氏、関税「それほど話し合っていない」

トランプ氏は「関税についてはそれほど話し合っていない。ほかの事についてたくさん話し合った」と述べた。

 

 

トランプ氏、USスチール「買収ではなく投資で合意」

トランプ氏は日本製鉄によるUSスチール買収計画について「彼ら(日本製鉄)は買収ではなく、多額の投資をすることで合意した」と述べた。

「USスチールは我々にとって非常に重要な会社だ」と述べた。そのうえで「私たちは(USスチールが米国から)去るのを見たくないし、実際に去ることはないだろう」としたうえで、USスチールの所有権が移ることは「心象的に良くない」と話した。

 

首相も「買収ではない投資だ。日本の技術を加えて、よい製品をつくり、日本、米国、世界に貢献できるUSスチールの製品が生み出されていくことに日本も投資する」と呼応した。

「どちらかが利益を得る一方的な関係にならないと強く認識を共有した。それが本日の大きな成果と考えている」とも述べた。

 

 

首相、対米直接投資残高、1兆ドルに引き上げ

首相は米国産LNGの輸入拡大についても言及した。「両国間でエネルギー安全保障の強化に向けて協力していく」と話した。

首相は会談で対米直接投資残高を1兆ドル(約150兆円)まで引き上げたいと伝えた。

 

「トランプ氏の就任を受け、日本企業の対米投資の機運は一層高まっている」と述べた。「両国におけるビジネス環境を整備して投資・雇用を拡大していく」と強調した。

トランプ氏は「(日本は)他のどの国より米国への投資が増えると思っている」と話した。人工知能(AI)に使うインフラ整備に関し米国での投資を計画するソフトバンクグループなどを念頭に「何兆ドルもの投資がアメリカに注がれる」と期待を示した。

 

 

首相「胸襟を開き率直に意見交わした」

首相はトランプ氏との初の首脳会談を「胸襟を開き率直に意見を交わすことができた」と振り返った。会談の成果を示す共同声明に基づき「日米関係の新たな黄金時代を築いていきたい」と言明した。

「誠実で力強い、合衆国と世界に対する強い使命感を持たれた方だと感じた」とも話した。実際に対面で会談する前までは「テレビでみると声高でかなり個性強烈で恐ろしい方という印象がなかったわけではない」と笑いを誘った。

 

トランプ氏は石破氏の印象について「素晴らしい首相になる。非常に強い男だ。とても、とても強い。とても尊敬している。ここまで強くなければよかったのにとも思う」と称賛した。

 

 

 

首相、日米安保条約「尖閣に適用確認」

首相は「平和と繁栄をもたらすためになすべきことは何か。答えは自由で開かれたインド太平洋に向けた力強く揺るぎない日米同盟のさらなる強化だ」と訴えた。

首相は日米安全保障条約5条を沖縄県・尖閣諸島に適用すると確認したことも明かした。日米韓や日米比の3カ国協力を進めると強調した。

 

 

トランプ氏、「米の抑止力で同盟国守る」

トランプ氏は「友好国、同盟国を100%守るため、米国の抑止力を提供していく」と強調した。「首相と私は平和と安全を維持するために非常に緊密に協力していく。インド太平洋全域で力による平和を進める」と語った。

1期目に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記と会談したことを念頭に「朝鮮半島の安全と安定を確実にするための取り組みに関与し続ける」とも述べた。

 

トランプ氏は日本に有償で防衛装備品を提供する「対外有償軍事援助(FMS)」として10億ドル分の売却を新たに承認したと明らかにした。

日本が防衛費を27年度までに国内総生産(GDP)比で2%にする方針も評価した。「今日の協議に基づき、かなり大幅に上昇する」と発言した。

首脳会談とその後の昼食会はおよそ2時間行われ、7日午後1時44分(日本時間8日午前3時44分)に終了した。
 
 
 
 
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トランプ氏、USスチール問題「買収ではなく投資で合意」

2025-02-08 11:11:57 | トランプ政権

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07E4N0X00C25A2000000/

 

 

【ワシントン=八十島綾平】

トランプ米大統領は7日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画について「(日本側と)買収ではなく(USスチールに)多額の投資をすることで合意した」と述べた。

同日午後に開かれた日米首脳会談後の共同記者会見で明らかにした。具体的な枠組みには触れず、来週に日鉄首脳と会う機会を持つと説明した。

 

トランプ氏は日本からの投資を歓迎すると話した。そのなかで日鉄のUSスチール問題について触れた。

「(日鉄は)米鉄鋼業に非常にエキサイティングなことを実施する予定だ」と切り出し「彼らは購入ではなく投資を検討している。USスチールを所有するのではなく、多額の投資を実施することで合意した」と述べた。日本側と認識を共有したと説明した。

 

そのうえで、USスチールについては「我々(米国)にとっては非常に重要な会社だ」と述べ「(USスチールが米国から)去るのを見たくないし、実際に去ることはないだろう」と話した。所有権が米国外に移ることは「心証的に良くない」と強調した。

トランプ氏は、日鉄の買収計画に一貫して反対してきた。1月、自身のSNSに「関税(引き上げ)によってより高収益で価値のある企業になるというのに、なぜUSスチールを今売ろうとするのか?」と投稿した。米国企業であるべきだと強調してきた。

 

記者からの質疑応答では、「彼ら(日本製鉄)は投資をする。もう『購入』はなしだ、いいね?」としたうえで「私は購入は望んでいないが、投資は大好きだ」と答える場面があった。

7日の日米首脳会談冒頭でも反対の考えは変えていないと示唆していた。石破茂首相との会談を受けても、USスチールが外資に買われることに対する所感は同じだと表明した格好だ。

 

半面「投資は受け入れる」と強調し、日本側への配慮をみせた。来週にも日鉄のトップと「会談する予定だ」と話し、日鉄側の計画の詳細を聞く姿勢を示した。

トランプ氏が「合意した」と述べた投資の枠組みは不明だ。「私も協力する。仲介をする」と述べたが、買収計画を巡る膠着を打開できる保証はない。トランプ氏は7日、バイデン大統領が1月上旬に出した買収阻止の大統領令にも触れなかった。

 

石破茂首相も「買収ではなく投資だ。日本の技術を提供して良い製品をつくり、日本、米国、世界に貢献するUSスチールの製品が生み出されていくことに日本も投資する」と強調したものの、日鉄が現在の計画を修正するかどうかなど具体策には言及しなかった。

日鉄の現行の計画ではUSスチールの全株式を取得する。これは一般的には「買収」にあたる。買収ではなく投資と説明するためには、出資比率を引き下げたり、一部事業への出資に切り替えたりなどの変更が考えられる。

 

計画を変更する場合、日鉄は現行のUSスチールとの契約を解除する必要がある。今回のトランプ氏の発言について、日鉄側は前向きにとらえているもようだ。

ある日鉄幹部は「現行の買収計画のスキームが変わるわけではない。(日鉄は)USスチールの社名や本社を変更しない方針を示しており、本質的にUSスチールを変える『買収』ではなく、同社を成長させるための『投資』だということで理解を得たのだろう」と話した。

 

日鉄のUSスチール買収を巡っては、バイデン前大統領が「安全保障上の懸念がある」として計画を中止し「永久に放棄」するよう日鉄側に命令した。その後、USスチールと日鉄が大統領らを「適正な手続きがなされなかった」として提訴しており、本格的な訴訟手続きが始まったばかりだ。

トランプ氏は石破首相と会談する直前の6日、USスチールのデビッド・ブリット最高経営責任者(CEO)をホワイトハウスに招いて会談していた。ブリット氏は買収計画を前進させたい同社の意向を伝えたとみられる。

 

 

 
 
 
 
 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

 

 

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
 
ひとこと解説

事前に米国の知人などに聞いていた話では、USスチールはとても無理だろうという話しでしたので、今のところの最大のサプライズはこれでしょう。

まだ中身の詳細は分かりませんが、従来の枠組みを無視して「独創的」なやり方で打開策を探そうとするトランプ流の特徴が出たと言えるでしょう。

また、従来の米国エリート、エスタブリッシュメントと全く切れていることも、ある意味彼の強みであり、誰に気兼ねすることなく方向転換をできたのだと思います。

もちろん、その他の部分で日本からいろいろ譲歩を引き出したのだろうと思いますが、日本側の空気がこれで大きく変わることを理解していたのかどうか。

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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
 
ひとこと解説

アメリカ国内的には「USスチール」を守って、日本には(そして法的には)「買収を容認」に近い扱いをさせるのかもしれません。

USスティールへの「投資」もトランプには「成果」。 日鉄を「ニッサン」という言い間違いはこの際、ご愛嬌。

 (更新)
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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
 
分析・考察

あえて水を差して、ファクトから行きましょう。

「買収」とは何か。通常は少なくとも議決権のある株式の過半数の取得です。

「投資」とは何か。

極めて多義的な言葉で、例えば株式の取得なら議決権(発言力)はゼロでも全て「投資」です。 つまり、報道では両首脳は単に「買収はやめさせる」としか言っていません。

その他は全て希望的観測です。 ディール(取引)とは、甘い期待を排除して実を取ることです。

客観事実を見れば、日本は1兆ドルの投資を約束し、米国は貿易赤字をやめさせ、USスチール「買収」をやめさせ、同盟は堅持という想定内のことを言ったのみ。

それで日本側が一斉に安堵しているようでは、ディールではないですね。

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滝田洋一
日本経済新聞社 客員編集委員
 
ひとこと解説

①映画「アプレンティス」の一場面のよう。ディール・メーカーとしてのトランプ氏の面目躍如。「購入は望んでいないが、投資は大好きだ」とはよく言ったものです。

②単独では立ち行かないUSスチールに日本からの投資を引き入れるとともに、経営や雇用は譲らない形を演出する。日本製鉄の経営陣のメンツも立てる。そして日米間の火種を消し止めることで、石破首相にも恩を売る。もちろん自らの存在感を高める。

③2期目のトランプ大統領のしたたかさは畏るべし。ディールの要諦は相手方に対する主導権を握ること。この調子でインドのモディ首相との会談をこなしたうえで、中国の習近平主席にも様々なディールを求めることになるのでしょう。

 (更新)
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石破茂首相とトランプ米大統領の首脳会談に関連する最新のニュースと解説をまとめました。

 

 

 

日経記事2025.2.8より引用

 

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いかにも日本的。 うまく収めたという印象です。

 

 


石破首相、トヨタやいすゞの投資計画をトランプ氏に伝達

2025-02-08 10:09:09 | トランプ政権



首脳会談で握手を交わす石破首相とトランプ米大統領(7日、ワシントンのホワイトハウス)
=共同

 

【ワシントン=黒沼晋】

石破茂首相は7日の日米首脳会談でトヨタ自動車いすゞ自動車の新たな投資計画をトランプ大統領に伝えた。

冒頭で日本の対米直接投資残高が5年連続で世界首位だと説明し「これからもっと伸ばしていきたい。まだ発表してないが、いすゞ自動車が近々米国に工場を建設し、多くの雇用をつくることを決定した」と話した。

 

 

トヨタ自動車の豊田章男会長について「私の高校・大学時代の友人だが、トランプ氏が再び就任するのを心待ちにしていた。

彼はこれから米国にさらに多くの投資をし、多くの雇用をつくりたいという発表をするということだ」と述べた。

 

 

ソフトバンクグループと米オープンAIの協業についても触れ「これから多くの投資をするということだ」と述べた。

 

 

トランプ氏は「自動車工場は素晴らしいものになる。米国への投資がすすみ、自動車を米国でつくるというのは良いビジネスになる。

豊田氏は私の友人だ。ぜひとも彼によろしく伝えてもらえれば」と新たな投資を歓迎した。

 

 

 
 
 
 

石破茂首相とトランプ米大統領の首脳会談に関連する最新のニュースと解説をまとめました。

 

 

 

 

日経記事2025.2.8より引用

 

 


石破首相「対米投資1兆ドル」 日米首脳会談

2025-02-08 09:37:20 | トランプ政権


首脳会談後の共同記者会見に臨む石破首相㊧とトランプ大統領(7日、ホワイトハウス)
=AP

 

【ワシントン=黒沼晋】

石破茂首相とトランプ米大統領は7日(日本時間8日午前)、ワシントンのホワイトハウスで首脳会談し、共同記者会見に臨んだ。

首相は日本の対米投資を1兆ドル(約150兆円)まで引き上げると表明した。

 

首脳会談はおよそ30分間、その後の昼食会はおよそ1時間20分だった。首脳会談には岩屋毅外相やバンス副大統領らも同席した。

日本の対米直接投資残高は2023年時点で8000億ドル(120兆円)ほどある。19年以降、5年連続で世界トップを維持している。首相は米国産の液化天然ガス(LNG)を購入すると発表した。

 

トランプ氏は「米国の抑止力・能力を使い同盟国を100%守る」と強調した。「日米で強さを通じた平和をインド太平洋全域にもたらす」と語った。

日本が防衛費を27年度までに国内総生産(GDP)比で2%にする方針を評価した上で「今日の協議によって、さらにかなり増える」と発言した。

 

日本に「対外有償軍事援助(FMS)」として10億ドル(1500億円)分の防衛装備品の売却を新たに承認したと明らかにした。

トランプ氏は日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画にも触れた。「(日本側と)買収ではなく、多額の投資をすることで合意した」と強調した。買収に対しては「心証的に良くない」とも発言した。

 

首相は「買収ではない投資だ。日本の技術を加えてよい製品をつくり、日本、米国、世界に貢献できるUSスチールの製品が生み出されていくことに日本も投資する」と主張した。

「どちらかが利益を得る一方的な関係にならないと強く認識を共有した」とも訴えた。

 


 

 

トランプ氏は「日本が近く(米国から)記録的な量の天然ガス輸入を始める」と強調した。

「アラスカ州の石油・天然ガス事業に関する日米合弁事業について話し合っている」と明言した。

 

貿易相手国に同様の関税を課す相互関税について「唯一の公平な方法だ」と述べた。10日もしくは11日に関係会合を開催し、記者会見する見通しを示した。

首相は首脳会談で台湾海峡の平和と安定の重要性で一致したと説明した。「北朝鮮の完全な非核化に向け、日米が連携して取り組むと確認した」と言明した。日本人拉致問題の早期解決に向けてトランプ氏から支持を得たと話した。

 

 

両首脳は「日米の新たな黄金時代」を築くため経済と安全保障分野で協力を深めると確認した。日米同盟を強化し、自由で開かれたインド太平洋を堅持すると一致した。

共同声明(和訳版)はA4の紙で3枚にまとめた。首相からの近い時期の公式の来日招待をトランプ氏が受け入れたと明記した。

 

 

 

 

米国の核兵器を含む戦力で日本を守る「拡大抑止」をさらに強化する方針を明示した。

日本が27年度までに防衛費をGDP比で2%に高めていく目標を米国が歓迎すると記した。「27年度より後も抜本的に防衛力を強化する日本のコミットメント(関与)を歓迎した」と表記した。

 

 

トランプ氏は大統領1期目に日本に防衛費の増額や米軍駐留経費の負担増を求めた経緯がある。

台湾海峡に関し「力または威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対した」と盛り込んだ。日米首脳が出した共同声明でこの表記をしたのは初めて。

 

米国による対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条を沖縄県・尖閣諸島に適用すると明記した。

 

日米安保条約と日米防衛協力の指針に沿い「平時から緊急事態への切れ目ない対応をする日本の役割を再確認した」と書いた。

中国については「東シナ海での力や威圧によるあらゆる現状変更の試みへの強い反対の意を表明した」と強調した。

 

首相とトランプ氏が会うのは初めて。少人数会談はホワイトハウスの大統領執務室で30分程度開いた。

トランプ氏は冒頭に「石破首相は尊敬される方で日本の方から愛されている。執務室に迎えられて大変名誉だ」とたたえた。

 

首相は「日米の緊密な関係はトランプ氏と今は亡き安倍晋三元首相によって礎が築かれた。

大統領と私、米国と日本が力を合わせてさらに世界が平和になり、人々が夢と希望を持って生きていくことができるよう努めたい」と語った。

 

24年7月、トランプ氏が大統領選中に襲撃された際に撮られた写真に言及した。「歴史に残る1枚だ。必ず大統領に当選し、再び米国を偉大な国、世界を平和にすると確信されたに違いない」と言明した。

 
 
 
 
 
 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

 

 

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神保謙
慶應義塾大学総合政策学部 教授
 
分析・考察

共同記者会見を聞く限り、日米首脳会談は想像以上の成功だったと評価できる。

とりわけトランプ大統領から「米国は日本の安全保障にコミットし…アメリカの抑止力の100%を発揮することを約束する」「インド太平洋全域で『力による平和』の原則を推進する」という言質が取れたことは朗報だ。

また石破首相を評して「(以前は彼は弱いと思っていたが)彼の偉大さの素質を感じている」という言葉も日本側には心強かっただろう。

具体的な日米間の合意事項は共同声明に記されるが、首脳間で有意義な会話ができ、互いをリスペクトする関係が作れたことをまず評価すべきだろう。

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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
 
ひとこと解説

安全保障ではインド太平洋の話は当然ながら中心。

岸田ーバイデン時代の大きなテーマだったウクライナの話はなし。

「ガザ統治」発言の後なので中東の話題もさすがに避けています。

LNG購入とパイプライン共同開発、ソフトバンクやいすゞの投資などが、関税をどれだけ抑えることになったのかは次週以降にわかることかと思います。

さらに安保の話も具体的な話は今後。その意味で今回の首脳会談は顔見世のセレモニー(ただ官僚作成の共同宣言は秀逸)。それで十分なのかもしれません。

 (更新)
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渡部恒雄
笹川平和財団 上席フェロー
 
分析・考察

トランプ大統領との会談で最も重要なことは個人的な関係づくりです。

その点で成功したことは大きな成果です。

石破首相は、トランプ氏と面識がある麻生太郎元首相から「結論から先に話せ」というアドバイスをもらい、話し方も練習もしたと聞いています。

なによりトランプ氏に対して敬意をもって接しお世辞をいうことも重要です。

石破氏は、お世辞ではなくといいながら、トランプ氏を持ち上げ、対米投資を一兆ドルに引き上げるという印象的で具体的な数字を出し、トランプ氏が喜ぶアラスカでのLNG共同開発など、トランプ対策のセオリーに従い成功しました。

ただし、これで今後の関税砲がなくなる、というような楽観は禁物です。

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石破茂首相とトランプ米大統領の首脳会談に関連する最新のニュースと解説をまとめました。

 

 

 

 

 

日経記事2025.2.8より引用

 

 

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トランプ氏「米の抑止力と能力で同盟国を100%守る」

2025-02-08 09:23:44 | トランプ政権


首脳会談後の共同記者会見に臨む石破首相とトランプ米大統領(7日、ワシントンのホワイトハウス)=共同

 

【ワシントン=黒沼晋】

石破茂首相とトランプ米大統領は7日に発表した共同声明で、日本が2027年度以降も防衛力を抜本的に強化することを米国が歓迎すると記した。

日本は27年度までに防衛費を国内総生産(GDP)比で2%に高めている最中で、さらなる増額の可能性を示唆した。

 

トランプ氏は首脳会談後の共同記者会見で「米国の抑止力・能力を使い同盟国を100%守る」と強調した。

「首相と私は密接に協力し平和、安全を維持していく。力を通じた平和をインド太平洋にもたらす」と語った。

 

1期目に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記と会談したことを念頭に「安全と安定を朝鮮半島にもたらす取り組みに関与し続ける」とも述べた。

トランプ氏はかねて、同盟国に防衛費の増額や自主防衛の強化を求めている。共同記者会見で日本の防衛費増額の動きを評価した上で「今日の協議によって、さらにかなり増える」と発言した。

 

日本に「対外有償軍事援助(FMS)」として10億ドル(1500億円)分の防衛装備品の売却を新たに承認したと明らかにした。

共同声明には米国の核兵器を含む戦力で日本を守る「拡大抑止」をさらに強化すると明記した。自衛隊と米軍の指揮統制の連携強化や防衛装備協力の推進を盛り込んだ。

 

台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し「力または威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対」と書いた。日米首脳の共同声明でこのような表現をしたのは初めて。

米国による対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条を沖縄県・尖閣諸島に適用すると明記した。日米安保条約と日米防衛協力の指針に沿い「平時から緊急事態への切れ目ない対応をする日本の役割を再確認した」と記した。

 

中国については「東シナ海での力や威圧によるあらゆる現状変更の試みへの強い反対の意を表明した」と強調した。

 

 

 
 
 
 

石破茂首相とトランプ米大統領の首脳会談に関連する最新のニュースと解説をまとめました。

 

 

 

 

日経記事2025.2.8より引用