【NQNニューヨーク=川上純平】
30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前週末比418ドル48セント(0.97%)安の4万2573ドル73セントで終えた。
年末を控えて主力株に利益確定売りが出た。半面、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの過度な懸念が後退したのは米株相場を下支えした。
2024年の主要株価指数の上昇率は軒並み2ケタとなっている。30日は年末を控え、主力株を中心に利益確定や持ち高調整の売りが出た。
市場参加者が少なく売買が薄いことから株価の変動率が大きくなりやすく、ダウ平均の下げ幅は700ドルに達する場面があった。
もっとも、ダウ平均は売り一巡後に下げ渋った。
30日発表の12月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は36.9と前月から低下し、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(42.2)を下回った。
米経済の減速を示唆する内容で、市場では「FRBが来年に追加利下げに動きやすくなるとみた投資家が主力株に押し目買いを入れた」(シーミス・トレーディングのジョセフ・サルッジ氏)との指摘があった。
ダウ平均の構成銘柄ではボーイングの下げが目立った。韓国で同社製造の航空機による事故が起き、韓国当局が一斉点検を決めた。
ナイキやプロクター・アンド・ギャンブル、マクドナルドも売られた。半面、エヌビディアは上昇した。規制当局が問題視していた人工知能(AI)関連企業の買収が完了し、買い安心感が広がった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落した。前週末比235.246ポイント(1.19%)安の1万9486.785(速報値)で終えた。テスラやメタプラットフォームズに売りが出た。