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英スターマー新政権、対EU修復へ 貿易・安保協定狙う

2024-07-05 14:37:30 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


英スターマー新政権はEUとの関係修復をめざす=AP

 

【ロンドン=江渕智弘】

英国で14年ぶりに労働党政権が誕生する。外交政策の柱に離脱で傷んだ欧州連合(EU)との関係修復を掲げる。

再加盟は否定しつつ、貿易や安全保障で新たな協定をめざす。2020年の離脱の「失敗」は保守党の歴史的大敗の一因となった。

 

「貿易、研究開発、安全保障でより良い協定をEUと結べると考えている」。

首相に就任する見通しのスターマー労働党党首は選挙の3日、記者団に語った。政権公約には関係の「リセット」をうたう。

 

英国は20年末にEUから完全に離脱した。関税ゼロは維持したが、食品などの輸出入に煩雑な通関手続きが生じた。書類の記入などの手間が膨大で、廃業した中小事業者も多い。

EUは輸出の4割、輸入の5割を占める最大の貿易相手だ。英予算責任局は離脱によって英国の輸出入が長期的にそれぞれ15%減ると分析する。新政権は検査の廃止などで貿易円滑化をめざす。安保協定も含めて想定する協定の内容は明らかにしていない。

 

離脱は輸入コストの増大や東欧からの労働者の減少による人手不足でインフレを助長した。EU加盟国と行き来する際の厳格な国境管理のため空港や駅で待たされるようになった。

僅差で離脱派が勝った16年の国民投票から8年たち、国民の過半が離脱を「間違いだった」と考える。

 

EU離脱とリグレット(後悔)を重ねた「ブリグレット」という言葉も定着した。英ユーガブの1月の世論調査では再加盟に賛成が51%にのぼり、反対の36%を上回った。

離脱を主導した保守党は、EUの規制からの解放で経済が活性化するうえ、EUへの分担金を公的医療の充実に回せるといったバラ色の未来を提示していた。それらが実現せず、保守党に「裏切られた」との国民の憤りにつながっている。

 

スターマー氏をはじめ大半の労働党議員は国民投票で「残留」に投票した。関係の修復をめざすものの、国論を再び二分しかねない再加盟は明確に否定する。

外相に就くとみられるラミー氏は5月、保守党政権とEUの関係について「懸念を話し合う定期的な会合すら持っていない」と批判した。EU側が協定の交渉に応じるかは見通せないが、保守党と比べると伝統的に関係の近い労働党のほうがEU側の抵抗感が小さいとみられる。

 

 

保守党政権は離脱を機に世界で機会を求める「グローバル・ブリテン」構想を推進した。

インド太平洋地域を重視し、環太平洋経済連携協定(TPP)に参加した。日本とはイタリアを含めた3カ国での次期戦闘機の共同開発に取り組む。

 

キャメロン外相は2月、「(日英同盟を結んだ)1902年以来の緊密な関係だ」と語った。

労働党政権がEUとの関係修復に力を割き、日本を含むインド太平洋地域への英国の関心がこれまでより薄まるとの見方がある。保守党の政権公約に「日本」は3回出てくるが、労働党の公約には記述がなかった。

 

日本政府は議会解散前、労働党の「影の内閣」で外相を務めるラミー氏、財務相のリーブス氏による7月の訪日を調整していた。総選挙で仕切り直しとなったが、労働党政権とのパイプづくりを急ぐ。

新政権は対中国で「一貫したアプローチ」を主張する。対中方針を定める前に、英選挙管理委員会や議員への不正アクセスなど中国の高まる脅威を踏まえた「監査」をする。キャメロン首相時代の蜜月から強硬姿勢に大きく振れた保守党政権を反面教師にする。

 

近年の保守党政権は米国やドイツ、フランスなどに比べ、中国とのハイレベル外交が停滞した。

ラミー氏は1日の記者会見でこの点を問題視し、関与を強める考えを示した。「協力、競争、挑戦」を使い分け、安全保障上の懸念に対処しながら気候変動対策や貿易で連携を模索する。

 

同氏は5月、トランプ前米大統領の返り咲きの可能性を念頭に、トランプ陣営の選対幹部とワシントンで面会したと報じられる。米共和党と英労働党の政権の組み合わせはブッシュ大統領とブレア首相の良好な関係が知られるが、トランプ氏が相手だと見通せない。

外交経験のないスターマー氏がどう対峙するか「想像もつかない」(労働党ベテラン議員)。

 

労働党はパレスチナ寄りの議員や支持者を抱える。政権公約でパレスチナの国家承認に前向きな姿勢を示した。

イスラエルと独立したパレスチナ国家が共存する「2国家解決」をめざし「新たな和平プロセスに資するように国家承認を約束する」と記した。

 

 

 
 
 
 

イギリス議会下院が2024年5月30日に解散しました。7月4日に総選挙を実施します。スナク首相が率いる与党・保守党は最大野党・労働党に支持率で大きなリードを許しています。

 

 

 

 

日経記事2024.07.05より引用

 

 

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