バーゼル委員会はスイスにある国際決済銀行(BIS)に事務局を設けている
【ベルリン=南毅郎】
欧州連合(EU)のマクギネス欧州委員(金融サービス担当)は18日、国際的な銀行の新たな資本規制「バーゼル3」の最終規則の一部について適用時期を2026年1月に1年延期すると発表した。
米国での導入が遅れる見通しで、公平な競争環境の維持を優先させる。
適用を先送りするのは、市場リスクに関する規定だ。バーゼル3では有価証券の短期売買などトレーディング勘定のリスクを厳格に考慮するよう求めている。その他の規定は計画通りに順守する方針だ。
マクギネス氏は規則について「米国で26年1月までに適用される可能性が極めて低い」と指摘した。今回の延期により「欧州の大手銀行は世界的に公平な競争の場を確保する」と強調した。
EUは5月、バーゼル3の最終規則を25年1月から適用することで最終承認したと表明していた。
バーゼル3はリーマン・ショックを踏まえ、主要国の銀行監督当局などで構成するバーゼル銀行監督委員会が導入を決めた。
危機に備えて銀行の自己資本を手厚く積むことで、財務の健全性を確保する狙いだ。株式などの保有リスクも厳しく評価する。
日経記事2024.06.19より引用