ディズニーの映画は「インサイド・ヘッド2」などヒットが続いている
(2024年12月、米フロリダ州)
【シリコンバレー=中藤玲】
米ウォルト・ディズニーは2日、2024年の世界興行収入が54億6000万ドル(約8600億円)となり、世界首位になったと発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大後、映画スタジオでは初めて50億ドルを突破した。
米誌バラエティーによると23年は米ユニバーサル・ピクチャーズが首位で、ディズニーは15年以来の首位陥落となっていた。ディズニーは「数々の大ヒット作のおかげだ」と声明を出した。
24年の興行収入のうち、米国が22億3000万ドル、海外が32億3000万ドルだった。19年は100億ドル以上と推定され、その水準には届いていない。
映画の興行収入は10億ドルが大ヒットの目安となっている。
ディズニーは6月公開のアニメーション映画「インサイド・ヘッド2」が約17億ドルと、アニメ映画として「アナと雪の女王2」を抜いて歴代最高となった。
7月公開の「デッドプール&ウルヴァリン」は13億4000万ドルで、年齢制限のあるR指定映画では歴代最高となった。
11月公開の「モアナと伝説の海2」は9億ドルを超え、近く10億ドルを突破するとみられている。
23年は10億ドルを超えるディズニー作品が無く、米ユニバーサルが世界トップの座を奪った。
ユニバーサルは23年、「原爆の父」として知られる米物理学者の伝記映画「オッペンハイマー」やアニメ「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」がヒットした。
24年にディズニー映画が復活した一因として、保守派とリベラル派の価値観を巡る対立「文化戦争」から距離を置いたことで、幅広い顧客を得た可能性がある。
ボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は23年に「近年はメッセージ性に偏りすぎていた。エンターテインメントという原点に立ち返る」と強調した。インサイド・ヘッド2では、性的少数者に関連する要素が削られたとも報じられている。