トーマス・グラバー 第六章 グラバー三菱岩崎との再会 岩崎、三菱商会を設立https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f82fc6aaf41a4d3d0f73968bd9b8acdc
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グラバー、岩崎弥太郎と東京へ
三菱商会は廻漕(海運)会社を目的として設立された。 しかし、当時は一般人の旅行客などはとても少なく、主な就航は江戸時代から続いている三つの廻船だった。
それは、
一、菱垣(ひがき)廻船(大阪が主力で木綿、油、酒、酢、醤油)。
二、樽廻船(灘や伊丹などの酒を江戸へ運ぶ)。
三、北前船(北海道産のニシン、酒、昆布などを大阪に運ぶ)。
しかし、明治維新により、一般庶民も通行手形などなくても、自由に国内旅行を楽しむ時代となった。 海外への渡航も許されるようになると、日本の海運業は急速に発展を遂げて行く。
それでも当時、日本の廻漕業者が保有していた船は、その大半が木造の帆船ばかり。 外国製の蒸気船を保有している業者は少なかった。 このため廻漕業者も外国の蒸気船確保が重要なポイントになった。
一方、外国の海運会社は日本の海運業界の将来性に目をつけ、いち早く橋頭塁を築いてきた。 その先端を担ったのが、言うまでもなく英国と米国であった。
この英米両国は、新しく日本へ航路を開設、顧客と貨物の両運送を獲得すべく海運会社を設立した。
英国はシロン商会、米国はマウス商会、ドイツはハルトマン商会などである。 一方、弥太郎、グラバーが長崎で親しくしていたオルトは、オルト商会を設立、その都度一隻いくらで船を貸す『貸し船』を展開していた。
狭い国土で天然資源に乏しい日本は、海運、造船の発達なくして日本経済の発展はあり得ないと痛感、政府は自らの海運会社、造船会社設立に意欲を燃やし始めた。
政府は明治三年一月、幕府から接収した汽船を交付して半官半民の会社を設立したが、メイン航路の東京~大阪間の運賃をあまりに高く設定したため、利用客は少なく、わずか一年余りで閉鎖を余儀なくされている。
このあと改めて明治五年八月、三井、鴻池、島田組、小野組などに出資させ、『日本国郵便蒸気船会社』(本社東京)を設立した。
これに対して弥太郎の三菱商会は、わずか三隻の船でスタートしているが、今後の海運業が期待できるのは、横浜を開港した東京地方だと判断。 明治七年四月、本社を中央区日本橋南茅場(かやば)町に移転した。
と同時に、社名も三菱商会から『三菱汽船会社』と改めた。
この間、弥太郎はグラバーを通して、外国商社から借金し、東京へ本社を移した頃には二十数隻の船舶を保有していたという。
弥太郎が東京へ本社を移管、真っ先にやらねばならないことは、国内の廻漕船の乱立を一掃することだった。
神戸の大手、紀伊国屋との価格競争に勝利した三菱汽船の難敵は、政府系が設立した『日本国郵便蒸気船会社』だった。
(トーマス・グラバー関連情報)
01.明治維新の大功労者 トーマス・グラバーのシリーズを始めます
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02.明治維新の大功労者 トーマス・グラバー フリーメーソンつぃいての活躍 本の 表紙と帯
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03.トーマス・グラバーと明治維新 FACTベースの基礎知識
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04.トーマス・グラバー 第一章 トーマス十二歳、生まれ故郷を後へ 初恋の人との別れ
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05.トーマス・グラバー 第一章 トーマス十二歳、生まれ故郷を後へ フレーザーバラを離れる
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46.トーマス・グラバー 第五章 グラバー商会の稼働開始 長崎一の茶葉工場稼働開始https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/db7bcc48925088ee0cd4228ac7403553
47.トーマス・グラバー 第五章 グラバー商会の稼働開始 マッケンジーの仕事を引き継ぐ
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48.トーマス・グラバー 第五章 グラバー商会の稼働開始 岩崎弥太郎、阪本竜馬に会うhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/bd632c979ef16f5c33935d21603f235e
49.トーマス・グラバー 第五章 グラバー商会の稼働開始 船舶・武器輸出へhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e048230522a67d46bc0630450ef64190
50.トーマス・グラバー 第五章 グラバー商会の稼働開始 茶葉工場の移動命令https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/8acda48a5ffb018b5e09e2a6975dd8d3
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52.トーマス・グラバー 第五章 グラバー商会の稼働開始 三番目の兄、ジェイムズの来日
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55.トーマス・グラバー 第五章 グラバー商会の稼働開始 隠し部屋があった?https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/69c6d450abef03bc70f40b402d39562f
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58.トーマス・グラバー 第五章 グラバー商会の稼働開始 所有者転々と変わるhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/22e3a8d6eb2b4f54e4fddeb58a1c2cc3
59.トーマス・グラバー 第六章 グラバー三菱岩崎との再会 助っ人、岩崎弥太郎https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d6a008b9ff0895eb7cc53064d2eac82f
60.トーマス・グラバー 第六章 グラバー三菱岩崎との再会 岩崎、三菱商会を設立https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f82fc6aaf41a4d3d0f73968bd9b8acdc
61.トーマス・グラバー 第六章 グラバー三菱岩崎との再会 グラバー、岩崎弥太郎と東京へhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/36a8f8573726a6188964cb30b917e736
この歴史書は、歴史的に貴重な写真、図、文献なども数多く掲載されている秀逸な作品ですが、それらをPDF化して皆さんに紹介することもできますが、著者と発行所の『長崎文献社』に敬意を払って、全てを紹介するのは、控えたいと考えております。
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