何かが「透明」だというとき、普通に考えるのは、それを通して物が見えるという事で、必ずしもあらゆる種類の光がそれを通過出来るという意味ではない。例えば赤いガラスは透視出来るので透明だといえるが、青の光線は通さないし無色のガラスでは紫外線や赤外線は極く僅かしか通さない。ではここにガラスで出来た温室が日光を浴びて建っているとしょう。太陽の可視光線はガラスを自由に通過して中にある物体に吸収される。温室にある物体はその結果、外にある物体と同じように温められる。日光で温められた物体は、再び放射線のかたちで熱を放出する。勿論エネルギーの高い可視光線は出せないが低いエネルギーの赤外線を放散する。一定の時間が経つとその物体は太陽光線のかたちで吸収したのと同量のエネルギーを赤外線のかたちで放出し、温度を一定に保つ。温室の中では物体が放出する赤外線のうち、極く少量を除くとガラスを透過できず、その大半はガラスに反射されてエネルギーは温室内部に蓄積される事になる。このような現象を「温室効果」という。