2071年、悪魔に支配された未来。
そんな未来に現れた、1971年からやってきた男。
暗黒の未来を変えるターニングポイントは、2021年。
悪魔を宿したヒーローと、世界を救った剣士たちの前で蘇った最強の悪魔に、
2071年の力を身に着けた、最強のライダーが立ち向かう。
これは、時間を越えた親子の絆が、世界を救う物語。
…平成ライダー(もう令和ですけどここ3作、平成2期からそう変わった感はないので
平成ライダーと呼称してしまいます)にはいくつかの映画形態があるわけですが
今作は「冬映画」となります。
秋にスタートしたライダーにとっては主役第1作であり、前作ライダーとの共演作。
以前は3部構成になっていましたが現在は1部構成となっています。
現役ライダーにとっては最初の強化フォームの見せ場になったり、
新2号ライダーの顔見世になったり、という立ち位置であり
前作ライダーにとっては世界を救った「その後」が描かれる機会となる作品。
現役ライダーのクライマックス時に戦隊と2本立て公開され、
場合によっては最終回後の世界が描かれたりする「夏映画」、
GWに公開され、大人数のヒーローが共演(時には戦隊も)する「春映画」が
他の2形態、となるわけで、
冬映画、夏映画は本編との連続性が高く、春映画はお祭り的なもの、というのが
だいたいのライダー映画の流れと考えていいと思います。
で、今作。冬映画なんだけど春映画なみに雑なとこ多いな、と(ストレートに)
だいたい冬映画はそれこそ本編クランクインちょっと後くらいから撮影されてて
キャラによってはどんなキャラか制作側も掴めていないくらいの状態だったり
それこそ制作中にキャラの解釈がどんどん育っていくのがニチアサなので
(それを人は「ライブ感」と呼ぶわけですが)
そこで毎週見ている本編との齟齬、が気になってしまう部分はあるわけで。
具体的に言えば、今作ってリバイス何話くらいに入る話なんだ?というのが
序盤で頭に満ち満ちてしまいまして。
こいつがこっちにいるってことはこれくらいだけど、そうなるとこの関係性は?とか。
…あと飛羽真、クロスセイバーを使えないのはわかるけどなんで最終局面まで基本フォーム?
セイバーはVシネ(3年後舞台)がこの後に来るので、その後の世界というのはそっちで描かれるわけですが
こういうときに剣士のキャラの多さで1作の映画での掘り下げが浅くなってしまうという
そういう弱点は出てきてしまうなぁ、と。
で、リバイス組はリバイス組で、かわいそうな扱いの人あり、
ジャンヌは出てるのにラブコフはいない、という残念さもあり、という感じ。
ここが本編とのライブ感による差異なのかなぁと。
そして、今作を仮面ライダー50周年記念作に位置付けている
新仮面ライダー・センチュリーと、始まりの仮面ライダーである1号の存在。
…正直1号(演:藤岡息子)はもう少し本筋に絡んでくるかと思ってたよ。
変身ポーズがあるほうが映えるのはわかるけど、旧1号での戦闘も見たかった…ですが
それは「シン・仮面ライダー」のほうで、ってことかな。
センチュリーの戦闘は面白かったですけど(ヒーローとは思えない回転ノコ風エフェクトとか)
リバイスとセイバーという2作をメインとする形で動かすには…という気も。
あとの記念作要素として歴代ライダーの客演、もおっそろしく雑でしたね…。
んで、リバイス5人+セイバー10人+センチュリーという大人数を相手にする敵サイドですけど
なんというか存在感が希薄、に過ぎて。
ライダー側にこれだけの数がいるので敵もそれなりの数を用意しないといけなく、
メイン敵のディアブロ筆頭にもう少し見せ場があってもよかったんでは、と。
…やっぱりヒーロー物、敵の魅力がないと盛り上がらないんですよ…。
と、リバイスわりと楽しく見てるのでそれなりに期待して見に行った分
けっこう辛い評価になってしまっております。いつもの東映クオリティとは思うけども。
でもたまに当りがあるからつい見に行っちゃうんですよね…。
今年の劇場映画納めがこれは少し寂しいかもしれないので、
時間取れればあれかあれのどっちか行くべきか。
…スパイダーマンの日本公開が年内ならなぁ。
(ライダー50周年ロゴの出し方、マーベルスタジオロゴのそれでしたし
エンドロールのあれもマーベル映画風といえるっちゃいえるかもしれない)