雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

電化製品列伝/長嶋 有

2010-01-13 | 小説
 この人の偏執っぷりは、毎度常軌を逸しているが、その最たるモノがコレだと思う。っていうか企画的に、もう笑える。小説(映画、漫画もあり)の中に登場する家電(その家電にしても長嶋独自の流儀がある)にスポットを当てた書評集。
「なんだよ、それ(笑」と思って読んでみると、これがまたもの凄い。なにが凄いかって? だからその偏執っぷり、ではなくて、電化製品について語っているようで、それでいてちゃんとその作品のことも捉えているとこ。
 ほとんど読んだことがない作品ばかりがとり上げられているにも拘らず、飽きることなく読み、笑い、呆れ、最後には「あ、この小説今度読もう」と思わせる、まさに長嶋マジックというかなんというか、とにかく凄い。やっぱりこの人の文章は最高に面白くて巧いんだなぁ。
 これほどまでにマニアックになると些か「俗」に感じたりしてもおかしくないのだけれど、まったくそうならず(きっと本当にコアなマニアックさだからだろう)もはや「高尚」さすら感じる。

 次、何読もうかな? と悩んでたところだったので、この本はいい指針になった。っていうか、そういうの抜きにして、この本自体が本当におもしろかった。
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西日の当たる教室で/千原ジュニア

2010-01-13 | 小説
 所謂、「タレント本」ってやつですか?

「芸人さんの中で誰が一番好きか?」と訊かれれば迷わず「ジュニア」と答えます。なので、とりあえず読んどけ、と思って読みましたが……あれですね、ファンは読まなくていいんじゃねーか? と。大方の話は色んなところで語ってますわ。だから、彼の考え方やなんかを知っている(解っている)ファンの人は改めて「洗脳」される必要はないんじゃないか、と。寧ろ、千原ジュニアのことは「最近テレビでよく観るなあ、わりとおもろい人やなあ」くらいの人が読むと、「こいつええこと言いよるなあ」もしくは「なにイキってんねん!」と両極端な意見に分かれることでしょう。 

 まあ、言うても、千原ジュニアです。笑わせるとこもきっちり押さえてあるんで、パラパラ~と読むにはいいんじゃないでしょうか?
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リテイク・シックスティーン/豊島 ミホ

2010-01-13 | 小説
 自分は、つくづく青春小説が好きなんだなあ……と思った。

 学際、競技大会、海でのダブルデート、等々の青春イベントはもちろん、グループ昼食、放課後の寄り道、些細なすれ違い、等々の日常的青春も満載。そのベタさはまんま少女漫画(最近の少女漫画はどうだか知らないけれど)といってもいいほどのシックスティーンストーリー。
 一応、なんでこんなにベタなのかと言えば、主人公の友人が「実はわたしは27歳(2009年)からタイムスリップしてきた」と。「もう一度、戻れるなら絶対高校生からだ」と。んで「今度こそ思いっきり青春するのだ!」と。概ねこんな感じで意気込んでいるから、なので、このベタさもしっかり計算済みなのだね。なんか、そう聞くと「SFものか?」とも思えるが、タイムスリップはベタさを受け入れさせる便宜みたいなもので、SF色はほとんど無い。
 まさに「豊島ミホが過ごしたかった青春がここにある!」みたいな?

 執筆休業前、最後の豊島作品は、「これでもかっ!」ってほど青春がつまっております。(本人曰く『日向の青春』)



 余談ではありますが、現在発売中の『パピルス』誌上に豊島ミホの写真&活動休止についてのインタビューが載っております。己を卑下することに長けている彼女らしい休業理由ですので、些か納得できないところもあります。本人が思っている以上に世間は彼女のことを評価してると思います。少なくとも、私はそうです。

 いずれまた、彼女の作品を読める日がくることを信じて、この『リテイク・シックスティーン』を読みました。
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