≪関東平野のど真ん中、開発途上の大宮の地にそびえ立つ、地上35階建ての巨大スパイラルビル。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人の運命が交差するその建設現場で、積み重ねられた不安定なねじれがやがて臨界点を超えるとき―。鮮烈なイメージと比類ない構想、圧倒的な筆力で“現代”のクライシスを描く芥川賞・山本賞作家の傑作長篇小説。≫
吉田氏の小説を読むと、なにかしら気が重くなる。ボクシングで例えるなら、フックやストレートのような鋭い攻撃はわざと避け、ジャブ、ジャブ、肘当て(反則)ジャブ、蹴り(反則)ジャブ、ジャブ・・・・そして、ジャブ。そうやってジワジワとコーナーに追い詰め、なおも、ジャブ。それも全部、リバーブロー。
やがて耐え切れず膝をつき明瞭な意識の中、苦しみ、もがきながらのカウントダウンを耳にする。
試合後(読後)は気だるさの漂う中、呆然とその試合内容について思考を巡らせれば、辿り着くのは『自分』の愚かさ、弱さ、醜さ、汚さ。
ただ、それが嫌なわけではない。それこそが、本来あるべき『自分』の『人間』の姿なのだろうから。だからといって、妙に納得したり、受け入れたりは、ちょっと難しいから、抵抗があるから、ときどき、こういう深いボディブローをくらって、普段忘れがちな『自分』を再認識しておきたい。
なにが言いたいのか?自分でもよくわからないが、そういった気持ちにさせられた一冊でした。
吉田氏の小説を読むと、なにかしら気が重くなる。ボクシングで例えるなら、フックやストレートのような鋭い攻撃はわざと避け、ジャブ、ジャブ、肘当て(反則)ジャブ、蹴り(反則)ジャブ、ジャブ・・・・そして、ジャブ。そうやってジワジワとコーナーに追い詰め、なおも、ジャブ。それも全部、リバーブロー。
やがて耐え切れず膝をつき明瞭な意識の中、苦しみ、もがきながらのカウントダウンを耳にする。
試合後(読後)は気だるさの漂う中、呆然とその試合内容について思考を巡らせれば、辿り着くのは『自分』の愚かさ、弱さ、醜さ、汚さ。
ただ、それが嫌なわけではない。それこそが、本来あるべき『自分』の『人間』の姿なのだろうから。だからといって、妙に納得したり、受け入れたりは、ちょっと難しいから、抵抗があるから、ときどき、こういう深いボディブローをくらって、普段忘れがちな『自分』を再認識しておきたい。
なにが言いたいのか?自分でもよくわからないが、そういった気持ちにさせられた一冊でした。
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