雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

泣かない女はいない/長嶋 有

2009-05-06 | 小説
 内容はともかく、(いや、ともかくって…)この本に収録されているのは表題作の「泣かない女はいない」と「センスなし」と「二人のデート」の短編三作なんだけど、「二人のデート」が読めない。

 それは何故か? その訳は「二人のデート」が収録されている場所にある。

 それは何処か? 裏表紙、らしい…。

 そう、すなわち、図書館で借りた本では読めない! と、いうことなのだ。図書館の本というのは補強のためとか汚れ防止だと思うんだけど、「これでもか!」ってくらい表紙をビニールテープで貼り付けてくれている。なので、裏表紙を拝むことなど、不可能……。ようするに、読みたきゃ買え。

 作者の談では、それを見越して、買ってくれた人だけの、いわばボーナストラック的なもの、って言ってました。ようするに、買え。と。

 作者の知り合いの図書館司書の人が「(裏表紙を)どうやって読んでもらおうかしら?」と悩んでたらしいんですが、作者はすかさず「あぁ、いいんですよ。読めなくて」と言ったらしい。

 そんな、粋な意地悪をしてくれる長嶋有が、とても好きだ。

 読めないのはとても残念だけど……(買えよ)
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