独特の名調子が冴え渡る、川上未映子2007年後半から2009年真ん中あたりまでの約二年間の文章のあれこれを集めたエッセイ集。その裡なる世界は共感せられるものから、考えすぎだろ、と思われるものまで色とりどり。果たしてこの娘は(といっても三十路過ぎか)どういう経緯をもってして芥川賞作家に至ったのか、ということがわかるようなわからないような。ああ、そういえばまだ受賞作『乳と卵』は読んでないな。
どうにもちょっと、この人の文体はクセになる。思わず調子が引っ張られるので、よろしくない。
さて、書かれていることは割合、至極まっとうなことで、特別真新しいことでもないと思われるが、やはり文体のリズムがいいのだろう。するするするする読みこなせてしまい、読書という観点から言えばたいそう気持ちよい。そしてこの人は言葉に対しても並々ならぬ思い入れと親しみを持って書いておられる様子で、また、よい。
何より、東京で初めて訪れた場所が三鷹の太宰治の墓所というのが、自分と同じであったので嬉しく思えた。何故にこの人に共感を覚えたのか、うっすらと気付いた次第である。
どうにもちょっと、この人の文体はクセになる。思わず調子が引っ張られるので、よろしくない。
さて、書かれていることは割合、至極まっとうなことで、特別真新しいことでもないと思われるが、やはり文体のリズムがいいのだろう。するするするする読みこなせてしまい、読書という観点から言えばたいそう気持ちよい。そしてこの人は言葉に対しても並々ならぬ思い入れと親しみを持って書いておられる様子で、また、よい。
何より、東京で初めて訪れた場所が三鷹の太宰治の墓所というのが、自分と同じであったので嬉しく思えた。何故にこの人に共感を覚えたのか、うっすらと気付いた次第である。
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