胸のすく小説。そんな小説を書かせたら、この人の右出る作家はいないだろう。張り巡らされた伏線がラストで悉く繋がる快感は何ものにもかえ難い。
今回もまた、その技法を遺憾なく発揮せられ、前作『SOSの猿』や『あるキング』などの汚名返上か? と思われたが、よくよく「あとがき」を読んでみると実は今作の連載開始は『ゴールデンスランバー』の前ということ。即ち、作風を変えだした『モダンタイムス』などからいうに、第一期伊坂幸太郎最後の作品(本人曰く『ゴールデンスランバー』からが第二期。しかし『ゴールデンスランバー』はどうみても第一期の総決算的であろう)と、いうことである。
これはもう、作者本人が「新しいものに挑戦したい」と言っているのだから、周りがとやかく騒いでもどうしようもないことではあるが、それは実に惜しいことであると永年の読者なら誰しも思うことであろう。今作を読めばそれは更に切実なものとなろう。まったくもって、この伏線と解決の妙技には今まで味わうことのなかった読書体験ができるのだから。
しかし、この妙技を完全に封印するわけでもないのであろうが、それでも今までの作風に見切りをつけて、それが売れていないならいざ知らず、他の追随を許さない売れ方をしているにも限らずにだ、新しい作風に挑む、その心意気や天晴れ! ではなかろうか。
とにもかくにも、どしどし新たなものに挑戦してゆくにしても、伊坂幸太郎なら大きな期待がもてるのだ。尚且つ、それらの売れ行きが芳しくなくって元の作風をチラチラ覗かせてくれても、それはそれで一向に構わない。寧ろ期待してしまうのだが、それはやっぱり、イケナイことだろうか?
今回もまた、その技法を遺憾なく発揮せられ、前作『SOSの猿』や『あるキング』などの汚名返上か? と思われたが、よくよく「あとがき」を読んでみると実は今作の連載開始は『ゴールデンスランバー』の前ということ。即ち、作風を変えだした『モダンタイムス』などからいうに、第一期伊坂幸太郎最後の作品(本人曰く『ゴールデンスランバー』からが第二期。しかし『ゴールデンスランバー』はどうみても第一期の総決算的であろう)と、いうことである。
これはもう、作者本人が「新しいものに挑戦したい」と言っているのだから、周りがとやかく騒いでもどうしようもないことではあるが、それは実に惜しいことであると永年の読者なら誰しも思うことであろう。今作を読めばそれは更に切実なものとなろう。まったくもって、この伏線と解決の妙技には今まで味わうことのなかった読書体験ができるのだから。
しかし、この妙技を完全に封印するわけでもないのであろうが、それでも今までの作風に見切りをつけて、それが売れていないならいざ知らず、他の追随を許さない売れ方をしているにも限らずにだ、新しい作風に挑む、その心意気や天晴れ! ではなかろうか。
とにもかくにも、どしどし新たなものに挑戦してゆくにしても、伊坂幸太郎なら大きな期待がもてるのだ。尚且つ、それらの売れ行きが芳しくなくって元の作風をチラチラ覗かせてくれても、それはそれで一向に構わない。寧ろ期待してしまうのだが、それはやっぱり、イケナイことだろうか?
作風変えたんか。俺は伏線たっぷりの伊坂が好きやけどな。
作家も女も思い通りにはいかんな(汗
いやそれにしても、もう幾度となく読んでるはずなのに、未だに爆笑してしまう。しかも以前と同じところで、次にくるボケがわかっているにもかかわらず、爆笑!
これはあれだな、「よしもと新喜劇」に通じてるな、オレ的には。
全巻制覇、求ム!