これまた三十過ぎのオッサンが持ち歩くにはいささかメルヘンちっく過ぎる装丁の、人形にまつわる六つのお話を収録した短編集。
しかし、そのメルヘンちっくな外観とは裏腹に、内容は結構えげつない。
「愛しさ」ゆえの「残酷さ」、もの言わぬ人形に対しての「安心感」そして「不満」。普段は表面化することを躊躇われる「自分では気付かない、気付きたくない」感情を『人形』という媒体によって曝け出させ、暴き出し、描き出してゆきます。ある意味、恐ろしい小説です。
その対象物である『人形』を『人間』に置き換えてみてると、おのずと人間本来の汚さ、脆さ、いじましさ、がつきつけられ、また、その反面、素直さ、柔らかさ、そして優しさ、などが見えてきます。
青春小説ばかりかと思っていたら、こういう「鋭く抉って鈍い痛みを残す」小説も書いてしまうんだなぁ、豊島さんは。いや、でも、彼女の描く青春小説は、概ね「痛みを感じる」から、そのスタンスは変わりないんだな。
それにしてもまだ二十代半ばの作者。きっとこれから、どんどん化けていくだろうと思います。
しかし、そのメルヘンちっくな外観とは裏腹に、内容は結構えげつない。
「愛しさ」ゆえの「残酷さ」、もの言わぬ人形に対しての「安心感」そして「不満」。普段は表面化することを躊躇われる「自分では気付かない、気付きたくない」感情を『人形』という媒体によって曝け出させ、暴き出し、描き出してゆきます。ある意味、恐ろしい小説です。
その対象物である『人形』を『人間』に置き換えてみてると、おのずと人間本来の汚さ、脆さ、いじましさ、がつきつけられ、また、その反面、素直さ、柔らかさ、そして優しさ、などが見えてきます。
青春小説ばかりかと思っていたら、こういう「鋭く抉って鈍い痛みを残す」小説も書いてしまうんだなぁ、豊島さんは。いや、でも、彼女の描く青春小説は、概ね「痛みを感じる」から、そのスタンスは変わりないんだな。
それにしてもまだ二十代半ばの作者。きっとこれから、どんどん化けていくだろうと思います。
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