新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 甲虫、ケバエなど

2020-06-28 21:11:31 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第223弾


6月21日にマンションの廊下で見つけた虫です。



最初はヒゲブトハムシダマシ



これはウリハムシだろうと思って撮ったのですが、どうも自信がなくなりました。さて、何でしょう。(追記2020/07/02:立西さんから、「2枚目はウリハムシモドキではないかと思います。」というコメントを頂きました。確かに似ていますね。こんなハムシがいるとは知りませんでした。いつも教えていただき、大変有難うございます



これはたぶん、フタホシシロエダシャク



それから、これはマエキヒメシャクだと思います。



セグロアシナガバチが床でへばっていました。







ケバエが3匹いました。たぶん、どれも同じでトゲナガアシブトケバエ Bibio adjunctus♀だと思われます。一応、確かめておこうと思って、以前に出したブログを探してみると、2015年6月にトゲナガアシブトケバエ♀を調べていました。そのときに用いた検索表は次の論文に載っています。

D. E. Hardy and M. Takahashi, Pacific Insects 2, 383 (1960) (ここからpdfがダウンロード可能)

検索表のうち、必要な部分だけを抜き書きすると、以下のようになります。

① 前脚脛節の刺は鋭い
② r-m横脈はRs脈の基部の少なくとも1/2、普通はほぼ同長
③ 前脛節の内側の刺は外側より明らかに短い
④ Rs脈の基部の長さはr-m横脈の長さと同じか少し短い;脚の腿節は赤褐色ではない
⑤ 翅は普通透明か半透明であり、完全に茶色ではない。もし、後縁が黄褐色の場合はC室や翅基部は淡い色であり、茶色ではない;前脚脛節の内側の棘は通常、外側の1/2より長くない(medianusを除く);もし翅が黒ずんでいる場合、脚は赤褐色
⑥  ♀
⑦  口肢は長くて細い。口肢の末端節の長さは触角鞭節の初めの4-5節の長さにほぼ等しい                   
⑧  中胸背板は太くて黒い筋があるか完全に黒;平均棍には茶色から黒いノブを持つ
⑨ M2とM3+4脈は翅縁に至る十分手前で終る;後腿節は基部でだけ細くなる B. adjunctus

そこで、一応、今回の写真でも確かめてみました。



最初は翅脈に関するものです。この写真から、②、④、⑨あたりが確かめられます。なお、翅脈の名称は論文に合うようにしていますが、「原色昆虫大図鑑III」に従った名称は"/"の右側に載せてあります。また、M2とM3+4脈の翅縁付近で脈が途切れている部分は〇で囲ってあります。さらに、Rs脈の基部とr-m横脈の長さの比は1:0.89でした。



これは口肢の末端節が長いことを示す写真で、⑦を確かめるものです。口肢末端節と触角1~5節の長さの比を測ると、1.13:1でした。



最後は前脚脛節末端刺を写したものです。これにより、①、③、⑤が確かめられます。もう一度、調べ直してみて、たぶん、トゲナガアシブトケバエで大丈夫なのではと思いました。