漕手のやんごとなき日常

~立教大学体育会ボート部の日常を漕手目線で~

2人のN 3年山口

2019-09-06 16:46:17 | 感動大作
 全日本大学選手権が始まりました。明後日の日程が全て終わると4年生はこの合宿所を去ってしまいます。仮入寮のときを会わせると僕が高校生の頃からお世話になっているこの部活のなかでは1番長い時間を過ごしてきた方々の引退、そして退寮となります。
 本当は全日本大学選手権が終わってからこの日記を書こうと思っていましたが順番が思いの外速く回ってきたので書きます。
 今の4年生全員に本当にお世話になったのですが、そのなかでも2人同部屋になって過ごした方がおられるのでその2名についての日記を書こうと思います。
 まずは中村鑑彦さんです。この人は4年生のなかでは1番絡みにいってる先輩だと思います。この人は月曜日はいつも夕方艇庫におられたので何度も一緒にご飯を食べに行き帰ってきたら一緒にゲームをし共通の漫画や音楽の話をしたりと本当に兄のような方でした。去年の今頃はこの人は僕らと同じ年に卒業するんだろうなぁとか、引退しても学校でまた会うんだろうなぁと思っていましたが3年後期に謎の覚醒を遂げどうやら学校で会えるのも今年度が最後になってしまうみたいです。ほっとしたような、それでも少し寂しいようなそんな複雑な気持ちです。この人は3年前期までは学校をサボりがちの人だったので引退後に気が緩んでまた来なくなることがないように、引退後も学校でまたご飯をおごって貰えることを願っています。そして、無事に卒業して僕の大好きな伊藤園の健康ミネラルむぎ茶を差し入れに持ってきてくれることも願っています。
 そして2人目は永澤佑真さんです。この人は現在M4+で一緒に全日本大学選手権に出場しているクルー唯一の4年生の先輩です。永澤さんとは1年生の冬に同部屋になりました。その頃の永澤さんは腰を痛め漕手からCOXへの転向をしたくらいの時期でした。そして、同部屋生活を送っていたある日、永澤さんにこう言われました。「俺は日本一を目指してこの部活に入ったけど怪我して自分で漕いで勝つことができなくなったけど頑張って体重を55㎏にするから俺が4年生になったときに俺をCOXに乗せて優勝させてくれ」と、それから今に至るまで永澤さんと漕ぐこともなく今年の全日本までは対抗である無しフォアに乗らせていただきました。全日本も終わり、今シーズン残す大会が全日本大学選手権のみとなり、クルー選考を行っている7月に自分のなかで付きフォアで勝つイメージが湧いてきたのと永澤さんとの約束を思い出したこともあり、自分がこんなことを言える立場ではないとわかった上で対抗である無しフォアではなく付きフォアで行きたいと志願しました。今考えれば相当なわがままだったと思います。しかし、これが単なる身勝手なわがままで終わらせるのではなくきちんと結果という形で示さなければという覚悟にも繋がりました。明日は準決勝がありますが、約束通り予選の頃から体重を55㎏に調整して、苦しい減量に耐えている永澤さんとの約束を今度は自分が約束を守る番なので必ず明日勝ち、決勝へ進みそして、優勝します。
 お世話になった先輩方の文のため長文となってしまいました。引退後もこのお二方との付き合いは続くと思いますが、一緒の寮にいる残り少ない時間も楽しんでいきたいです。