
またまたお昼にサウサリートへ行きました。今回はモデストと2人ランチ(前回はアントニオと一緒の3人)。かねてから行きたかったサウサリートで有名なお寿司のお店(ちとお高い)、SUSHI RAN へ連れて行ってもらったのでした!ランチには Yellow tail(ハマチ)のBento Boxをいただきました。おいしかったー。サラダも、お寿司も、ごはんも上品でした。
モデストは理科の先生の育成に携わっているので、ふだん私がいるラーニングスタジオとは別のセクション。そのため日常的には会わないのだけど、会うととてもエネルギッシュ。今日はランチを食べながらこんな話をしてくれました。
「教室に35人生徒がいたとして、全員が将来科学者になるわけでもないのに、今の理科教育はレベルが高すぎる。全員が全員、高尚な理科の授業を習う必要はないのに、学校の先生方は水準の高い「理科」を教え過ぎ。それが本当にわかる生徒は1割のみだろう。もちろんその1割の中から科学者になるような生徒が育つのかもしれないが、クラスの1割にしか役に立たない理科の教育はおかしい。残りの9割は「理科はむずかしい」で終わってしまう。僕は、35人生徒がいたら全員が大人になっても覚えているような授業をしたい。僕の理科の授業は水準を低いところにあわせている。全員が科学者になる必要はないかわりに、全員が日常的な身近な科学(everyday science)を心に留めておけるような人間であってほしいから。」
モデストと一緒にワークショップをしたことがあるけれど、ほんとうにこども達をとりこむのが上手。持ち前のエネルギーでぐいぐいリードして、コミュニケーションの取り方がすばらしいなぁと思う。「僕は科学者になるような子に科学を教えることに興味はないけど、科学が嫌いなこども達に科学を伝えることに興味がある」とよく言っているとおり、勉強嫌いなこども達の心をつかむのがうまいのです。自分が教えようとしていることを「売らないと」いけないんだよ、先生は。だから優れたセールスマンでいることが重要、とも。デモ、語り、リアクション、どれをとっても彼は立派な営業マンだ(笑)。水準はさげているのかもしれないけれど、1割の子に役に立つ理科よりも、10割のこども達の心に残る理科。素敵だなぁ。こういうことができるのもミュージアムというインフォーマルな学習環境での教育ならではなのだと思います。
SUSHI RAN でのランチタイムは本当に贅沢で、おいしくて、学びのある時間でした。食後、近くにあるカフェ Taste of Rome (Cafe Triesteと同じオーナー)でコーヒーを買っていたら、エクスプロラトリアムで私と同じくボランティアをしているデービッドに遭遇。デービッドは定年退職したエンジニア。今はエクスプロラトリアムのショップで展示をつくる仕事を手伝っています。高度なスキルの持ち主で、一緒に仕事をするといつもいろいろ教わることがあります。
素敵な偶然に感謝しながら、3人で日なたぼっこしながら食後のコーヒーを楽しみました。