ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

お笑い

2010-09-25 12:48:26 | Weblog
一昨日、お笑いのテレビ番組を見てから、なんとなく気になっている。

私は、ふだんお笑いを見たいと思うことはない。
嫌いではないけれど、自発的に見るほどではなく、
読書の時間を削ってまでの興味はない、というところだ。

人を笑わせるには、いくつかの方法があるけれど、
私の好みとしては、タイミングと会話の妙があるものが好きだ。
床が抜けたり、あぶないことをして肉体の限界にいどんだり、
必要以上に誰かをたたいたり、ウィークポイントをせめたり、
という系統のお笑いは、あまり好きではない。

テレビを見ていて思ったのは、
思わず「アホだなあ」と言ってしまうようなものよりも、
「この人たち賢いなあ」と、唸るようなものが増えたということだ。

確かに、芸を披露しているときは、アホに見える。
でも、頭の片隅で本当のアホではない、と思いながら見ている。
天然系で飛べる人もすごいけれど、
計算しつくされたアホだと直感的に伝わると、とても気持ちよく笑える。

お笑いをしている側も、
天然と計算のはざまを目指しているのではないかと思うのだけど、
どうなのだろう。どこが目標なのだろう。

人の歴史を振り返ると、道化の果たしている役割は大きい。
特に権力とは切り離せない関係だろうと思う。
道化は、その技をきわめても、あくまでも道化であるわけだから、
偉そうにしているお笑いタレントを見ると、
もうすっかり興味をなくしてしまう。

有名になり、「権威」と呼ばれるようになっても、
「アホはアホ」でいなければならない。
ふつうの芸に比べても、登って行くのがすごく難しい道なんだろうと思う。