ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

最後のほうは読まなくていい本

2014-05-19 02:07:41 | Weblog
夕寝をしてしまい、22時前に「ハッ」と目が覚めた。
そのまま寝ようと思ったのに、ウトウトしているうちに、だんだん目が冴えてきて、
そのまま眠れなくなってしまった。

しょうがないので、『世界の歴史<20> 中国の近代』という本を読んだ。
まず、中国に近代があるのか?というツッコミを入れたい気持ちになりつつ
読み始めた本だった。
と、かなり最初から猜疑心満載だったのは認める。

清末から国共合作のあたりまでの歴史は、わりと納得したのだが、
特に共産党が登場してからは、まるで中共のプロパガンダを読んでいるようで、
こういう文章を書く人が日本の最高峰の大学の研究者だったのか、と恐ろしくなった。

なぜ、中共が発表したものを、そのまま鵜呑みにできるんだ。
最も信じてはいけない「発表」だと思うんだけど、まったく信じられないなあ。

最初に書かれた時期が文革の時代で、情報が少なかったせいかもしれないけど、
もしかして中国に行って、人民と話したことないんですか?
もし話したことがあるとしても、中共が用意した模範的人民としか話したことないでしょう、と
ツッコミたい気持ちになった。

そもそも、そんなに中共礼賛なら、
中国は1949年以前は「古代」、1949年以降は「新中国」と言っているのだから、
日本の歴史と、心情的にシンクロさせるような紛らわしい「近代」という題名は
つけないほうがいいと思う。

まるで悪い近代の日本と対比させるために、ある時代の中国を区切ったかのようじゃないか。
まあ、私が高校時代までに読んだ教科書や先生の話は、
おおむねそんな路線でまとめられていたから、しょうがないけど、
そろそろ日本人は、敗戦のショックによる自虐史観をもった人たちが引退したところなので、
他人の顔色ばかり伺ったりせず、自分たちで歴史の教科書を書いたほうがいい。
せっかく自分たちの言葉「日本語」が残っているのだから。

先日友人が「いまの中国に歴史はない。未来に向かって創作してるのが歴史」と言っており、
なるほどと思った。

中共に取り込まれた多くの少数民族たちで、
いまだに自分たちの文化を大切にできているのは、
やはり書き文字を持っている民族だけだと思う。
口語しかなかった少数民族は、ほぼ漢民族化が完了したと言えるだろう。
彼らは、過去にさかのぼって自分たちのルーツを探したくても、もう術がない。

外から見ると、もう少しで日本自治区となるところだったんだと思う。
日本政府は、どんどん中国人に日本の戸籍をあげちゃってるし、
そもそも、一昨年の反日デモのとき、在上海日本領事館が出したお知らせは、
「みなさん、領事館が標的とされていますので、領事館にはなるべく来ないでね」だった。
官製デモだったから、一般の私たちは安全と言えば安全だったけど、
そんな不穏な雰囲気のなか、逃げ場となるはずの領事館が「来ないで」と言うわけだから、
日本と言う国は、私たちの生命と財産を守れない立場で、
それなら、日本と言う国は存在しないのと同じ、と思った。

ということで、東アジア全体のパワーバランスをよく見た上で、
集団的自衛権については議論すべきなんじゃないかなあと思う。

ただ、議論しようとしても、曲がった歴史教科書で育った今の日本人に、
ちゃんと情勢を見極めろと言っても無理だろうから、
こういうとき、民主主義は結構難しいとも思う。