豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

えっ!?

2006年10月09日 | Weblog
昨日見たお芝居は「オレステス」。
ギリシア悲劇です。たっぷりじっくり悲劇するんだーと思っていましたら、最後に「えっ!?」という展開だったのです。

予備知識がないとわかりづらいのかなとかなり心配でしたが、去年見た映画「トロイ」が、登場人物の関係についての理解は助けてくれました。いうなれば、後日談?でしょうか。
絶世の美女トロイのヘレンをめぐるあれこれを背景に都市国家が争いを繰り広げる中で起きたある事件。出征中の夫を裏切り、ついには亡き者にした母。その母を殺した罪にさいなまされる息子オレステス。心身を病むまでに傷ついた弟の身を案ずる姉。
姉と弟二人は民衆からも糾弾を受け、身の安全すら風前の灯火です。
彼らが最後の頼りと定めてすがった相手も、自らの保身に走り彼らを見殺しにしようとします。そもそも母殺しすら、天上の神アポロンのご託宣によるものでした。そそのかしておいて見殺しかと、オレステスは嘆きます。それぞれが自分のよりどころになる論理にすがり、なんとか自分の活路を見出そうとした結果、また壮絶な憎しみが増幅されていくという八方ふさがりの状況。
破滅の道を歩むしかないという最後の瞬間に、突然降ってきたアポロンの天の声。
かなり強引な講和の勧めです。なぜか素直にそれに従う関係者。

幕切れは、ある意味まことにあっけなく、それまでの各自の葛藤、すさまじいあがきは何だったの?とさえ思えるほどでした。
ギリシアの物語には、そういえば神々の思いのままに地上が操られているという大前提があったのですね。

最後の場面では、降ってくるという表現では物足りないくらいの驚くべき量の紙片が上空から客席に舞い降りて来ました。紙には中東の三カ国とアメリカの国旗と国歌が印刷してあります。


通路を真っ白になるまでに埋められた紙を踏みながら、また、数枚の紙片を手にしながら、観客は各自の???や!!!を抱きつつその場を後にしたのでした。
願わくば、紙の降らない世界を・・。

「オレステス」って、本当はどういう物語なんでしょう。
ちゃんと学習しなくてはいけませんね。そういう人が多かったのでしょうか?
グッズ売り場の原作は売り切れていました。
仕方がないので、大阪限定!藤原竜也くんの「生写真」付の、来年のカレンダー買っちゃいました。つい・・・ね。


P.S.
「オレステス」のあらすじ
なるほど、もともとそういうお話だったのね、納得!