豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

つばさ

2006年10月19日 | Weblog
偶然見た何かの番組の中で、本当にすごい!と絶賛する人のに熱意にほだされて、初めて買った本田美奈子さんのシングルが「つばさ」
かなり前の話です。
確かに、クラシックの歌唱法を学ばれた後の彼女の力が思う存分発揮された素晴らしい歌でした。

本田美奈子さんは、「1986年のマリリン」などのヒットを飛ばしたアイドルというイメージでしたが、透き通るような、でも力強い歌に意外な驚きを感じました。彼女は、ミュージカル「ミス・サイゴン」の主演を自分の力で勝ち取られたり、ひとつずつ階段を上っていくという努力を怠らない、一人の人間としても素晴らしい人だったようです。
その後「レ・ミゼラブル」では、重要な役エポニーヌもつとめ、そのかたわらクラシックの歌唱法によるアルバムも発売されたりと、とくにファンではない私にもその精力的な活動が伝わるほど熱心にいろいろなことに取り組んで来られた方でした。

しかしながら、彼女は残念なことに、昨年、病に倒れ亡くなられてしまわれました。発病から闘病に至る過程はいろいろなメディアに取り上げられていましたから、ご存知の方も多いでしょう。
エポニーヌは若い娘の役でしたが、昨年の春から「レ・ミゼラブル」の核ともいえる憧れのファンテーヌを演じることが決まり、張り切られていた矢先の突然の発病、そして舞台の降板だったようです。

その彼女の「つばさ」を、同じ「レ・ミゼラブル」の舞台に立ち親交も厚かった岩崎宏美さんがカバーされていることを知りました。
アルバムの制作に先立ち行われたアンケートで一位になった曲、
しかも、広島交響楽団との共演でNHKテレビで先日放送されたのだとか。
見たかったなあ・・。

岩崎宏美さんは、去年のレ・ミゼの2000回記念公演では、この役を演じた歴代の役者を代表する形でファンティーヌ役をつとめられました。その彼女がファンティーヌを演じることを夢見ながら果たしえなかった本田美奈子さんの代表曲を歌われることも何か意味のあることのような気がします。
明日、早速、岩崎宏美さんの新しいアルバムを探してみようと思います。

ファンティーヌが切々と歌う「夢やぶれて」という曲は、それ自体で成り立つ名曲です。これを紅白歌合戦で歌っている岩崎宏美さんの映像を見つけました。二十代、伸びのある高音も健在で、力溢れる歌唱が聞けました。その年のヒット曲ではなくて、ミュージカルの中の曲を披露するというのはかなり異例なことだったようです。