豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

外郎

2007年03月18日 | Weblog
外郎(ういろう)は、羊羹のような棹物の和菓子です。

名古屋名物として塾長さんが紹介されていましたが、お隣の山口県の名物でもあります。
私のお菓子の記憶で一番古いせいもあるのか、とても好きな和菓子です。
何歳だったかはっきりはしませんが、深夜大人たちがざわざわする気配を感じた翌朝、一箱の和菓子が届きました。その中には、セロハンにくるまれたつやつや光る細長い小豆のお菓子が行儀良く並んでいたのです。
当時住んでいた家の前の田んぼの土手に車が乗り上げて横転し、物音を聞きつけた父や近所のおじさんたちが力を合わせてその車を救助したのだそうです。お菓子の箱は、そのお礼を言いにこられた車の持ち主さんからのものでした。
手で端を持つと左右にしなるそのお菓子こそ、地元山口名物の外郎だったのです。

小豆の味もくどくなく甘さもほどよい上品なお味。出来立ての生が一番美味しいのですが、真空パックになっているこの頃は、少し熱湯でゆでるとその出来立てに近い風味も再現することが出来ます。
もみじ饅頭の例のごとく、本家とか元祖とかさまざまある中で、私のご贔屓は御堀堂さんの外郎です。ちょっと幅が太めなところも安心感がありますね。

山口の外郎は平べったくてぷりんぷりん。対して名古屋のは厚みがあってかっちりと充実しているようです。同じ外郎といっても、プッチンプリンと焼きプリンのような違いがあるのは、何故だろう・・と調べてみました。すると、そもそも原料が違うのだそうです。名古屋のは米粉、山口のはわらび粉が使ってあるということでした。なるほど、あのプルプル感はわらび餅に通じるものだったのですね。
外郎は、もともとお薬だったとも言われる中国から伝わってきた食べ物のようですが、その土地土地にあった作り方で定着していったのかもしれません。さすがに広い平野を擁する名古屋のあたりはお米が豊富に手に入ったのでしょうね。

ところで、山口には「豆子郎」という外郎によく似たお菓子があります。これは、名物の外郎をもっと美味しくしたいという目的で戦後開発されたお菓子なのだそうです。外郎のなめらかな生地の中に豆粒が点在し、歯ごたえと風味を増しています。
実は、記憶をたどると、どうも先ほどの最初の記憶のお菓子は、この「豆子郎」ではなかったかと思い出されています。
その「豆子郎」を検索していると、おお・・・思わぬところにたどり着きました。

豆子郎 あざみ野店!!

先回りして神奈川県で待っていてくれたんだねえ・・・ってことはないですね。