豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

包丁研ぎ

2007年06月14日 | Weblog
 念願の包丁の研ぎ方の講習会。
出張レッスン?の先生から、直々に教えを乞うことが出来ました。
まずは、花ばさみ。
こういうものも研げるのですね。はさみは立てて研ぐのがコツなのだそうです、



 いよいよ、包丁です。
こちらは、寝かせ気味に研ぎます。最初に消しゴムのようなものでさびを落として、次に目の粗い砥石で割れや欠けを直しながら研ぎます。その後、目の細かい砥石に変えて研ぎます。向こうに押し出すように、均一に力をかけて研ぎます。なるべく砥石と交わる角度を大きくして広い面が当たるようにします。
見ているととても簡単。難しいことはありません。



 「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めて遣らねば、・・・・。」と言う先生のポリシーの下、実際に研がせてもらいました。やはり、見るとやるとは大違い。頭で手順を考えていると手元がおかしくなります。写真の彼女は、なかなか上手でした。



 先生は、もともとは幼い頃から丁稚奉公をして、刀鍛冶の修行をされていた方ですが、今は料理用の包丁を作る専門家です。若い頃、ずいぶんつらい病気をされて、どうにも良くならないというときに出会ったある人に、刀鍛冶だった先生のお祖父さんが作った刀で命を奪われた人の霊があなたに災いをしている。刀を作る仕事をし続けたら寿命は長くはないと言われて、刀鍛冶の道をあきらめたのだそうです。名工の誉れ高かったお祖父さんは、お気の毒なことに、旅先で行き倒れてなくなられたそうです。名人と言われる人の最期はえてしてそのようなことが多かったといわれているのだそうですが、あえてその道は選ばないと、先生は包丁に専念することにされたのだと、研ぎ方を指導しながらとつとつと話してくださいました。先生自身、半信半疑ながらの不思議な話でしたが、そういうことって、あるのかもしれないですね・・・。
先生は、もうすぐ80歳。その選択が幸いしたのか、今もお元気であちこちに出向かれて、たくさんの人に喜んでもらわれています。
もちろん、先生の打たれた包丁は天下一品。良く切れますし、研ぎなおせば切れ味が戻ります。鍛えた鋼の力ですね。