能登半島の突端・珠洲市の仁江(にえ)にある
揚浜(あげはま)式塩田でつくった塩「能登のはま塩」をいただいた。
近世まで能登の主要産業のひとつだった製塩は時代とともにすたれ、
1993年には、つづけていたのがこの角花さん一軒だけ。
でも90年代後半に各地で地元志向の流れがおき、
珠洲でも、塩づくりを体験できる「道の駅 すず塩田村」や
角花さんのほかにもいくつかの揚浜塩田ができた。
塩田が連なっていただろうかつての風景には程遠いだろうが、
それでも、塩田が散在する海辺の風景はたのもしい。
珠洲でも貴重品だった揚浜式の塩が、だいぶ手にはいりやすくなった。
おかげで、神奈川にいるわたしたちも愛用者の仲間入り。
そのひとりである妹は、これを「魔法の粉」と呼ぶ。
「いつもの料理」が、塩をかえるだけで「とびきりの料理」になるから。
とはいえ、ただ一軒、技術を継承してきた角花さんの塩は、
ある意味でこれぞ「元祖・揚浜塩田」の塩ともいえそう。
…うれしくって、たまらん。
使いかけの塩がおわったら、この塩でおにぎりを作ろう。
ちなみにいま使っているのは、
昨年末にいただいた、やはり珠洲の揚浜塩田の塩。
このとおり、ふっくらと粒ぞろい。
この機会に思いたって菜の花の粕あえもつくってみた。
これも、珠洲でであって感動した料理のひとつ。
作り方:
1)小鍋に酒粕と水をいれ、弱火で加熱しながら酒粕をペースト状にねる。
2)菜の花を熱湯でかるく茹でる(あとで蒸らすのでかためで十分)。
3)茹であがった菜の花をタッパーにいれ、ペースト状にした酒粕をかけて密閉する。
今回はたまたま、いただきものがあったので、つかったのは
珠洲の地酒「宗玄」の酒粕。
数時間後か翌日には、よく漬かって食べごろ。
このみで醤油を数滴かけても美味。
なんとも手軽なうえに、常備菜になる点もお気にいり。
菜の花のほろ苦さと、酒粕のほんのりした甘みと香りに、
春をかんじる逸品だ。
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