湘南ゆるガシ日和 ・・・急がず、休まず

湘南でゆるゆら暮らしココロ赴く先へガシガシ出かけるライター山秋真が更新。updated by Shin Yamaaki

病い告ぐカナリア:『日本のフェミニズム』全巻完結記念公開シンポジウム

2011-01-05 23:56:23 | 応援告知

とてもおもしろそうなシンポジウムのご案内が届いた。

 運命的な出会いをしたこころの師は
 ジェンダー研究のパイオニアのひとりだったので、
 門前の小僧のようにわたしもジェンダー研究の知見に学んだ。

 原子力をめぐる問題は、わたしには近代の病理のようにみえる。
 その核心は差異の政治――差異化にあるように思えてならない。
 差異化とは、集団のなかに線をひき、たとえば
 「われわれ」と「彼ら」、「内部」と「外部」とに分割すること。
 その線は「われわれ」や「内部」のトクになるように引かれる。
 ジェンダーや国内外の南北問題を考えると分かりやすいかもしれない。

 そう考えるとこれは、遅くとも大航海時代には端を発する病だろう。
 いわば、いまを生きるわたしたちの根深い持病のようなもの。
 それでも、我が身に巣くうこの病から自由になりたい。

 ジェンダーという切り口は、
 この病の問題性をより多くの人に告げる炭鉱のカナリアのようでもある。
 このシンポジウムで、カナリアの声に耳を澄ませてみたいと思う。

以下にくわしいご案内を転載させていただく。ぜひお運びください。

***  ***  ***

『日本のフェミニズム』全12巻 完結記念公開シンポジウム

時:2011年1月30日(日)13時半~18時(開場13時)
所:東京大学文学部1大教室(法文2号館2階)

  東大本郷キャンパスマップ
  http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_01_j.html

主催:『日本のフェミニズム』全12巻完結記念シンポ実行委員会
共催:東京大学ジェンダーコロキアム
後援:東北大学グローバルCOEプログラム「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」東京大学社会科学研究所連携拠点・岩波書店

 旧版『日本のフェミニズム』全7冊別冊1(1994-96)から15年。
 90年代以降に飛躍的に発展した女性学・ジェンダー研究の成果をとりいれて
 増補新版『新編 日本のフェミニズム』全12巻(2009-2011)が、
 第9巻『グローバリゼーション』(刊行予定2011.1.28)をもって完結します。

 このアンソロジーは、日本のフェミニズムの財産目録というべきもので、
 次世代にバトンを手渡すためにつくられました。
 長期にわたる関係者の尽力に感謝し、完結を記念して
 以下の公開シンポジウムを開催します。

プログラム
 総合司会:十時由紀子
 開会挨拶 編集者の立場から 十時由紀子

第1部 完結にあたって:「日本のフェミニズム」を手渡すために
 編者を代表して 井上輝子(和光大)
 アンソロジーの政治 上野千鶴子(東京大)

第2部 「日本のフェミニズム」を若い世代が読む 
 40代が読む 岡野八代(同志社大)
 30代が読む 熱田敬子(早稲田大)
 20代が読む 草野由貴(東京大)

第3部 15年後にアンソロジー改訂版をつくるとしたら?
3つの編集方針をめぐって

 日本語圏を超えて(言語ナショナリズム批判) 北村文(明治学院大)
 当事者性とヘテロセクシズム(異性愛主義批判) 齋藤圭介(東京大学)
 メディアの多様化(印刷メディア至上主義批判) 妙木忍(東京外語大)

第4部  司会 千田有紀(武蔵大)
・コメントに応えて
編者全員:天野正子(東京家政大学)・井上輝子(和光大学)・伊藤公雄(京都大学)・伊藤るり(一橋大学)・上野千鶴子(東京大学)・江原由美子(首都大学東京)・大沢真理(東京大学)・加納実紀代(敬和学園大学)・斎藤美奈子(評論家) 
・討論

閉会挨拶 江原由美子

入場料:無料(ただし資料代500円をちょうだいします)
問い合わせ:東京大学上野研究室 03-5841-3875 ueno[アットマーク]l.u-tokyo.ac.jp ([アットマーク]を記号へかえて送信)

参考
【『新版』と略称】天野正子・伊藤公雄・伊藤るり・井上輝子・上野千鶴子・江原由美子・大沢真理・加納実紀代編/斎藤美奈子編集協力2009-2011『新編 日本のフェミニズム』全12巻、岩波書店(1リブとフェミニズム/2フェミニズム理論/3性役割/4権力と労働
/5母性/6セクシュアリティ/7表現とメディア/8ジェンダーと教育/9グローバリゼーション/10女性史・ジェンダー史/11フェミニズム文学批評/12男性学)
http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/qsearch

【『旧版』と略称】井上輝子・上野千鶴子・江原由美子編/天野正子編集協力1994-96『日本のフェミニズム』全7冊・別冊1、岩波書店(1リブとフェミニズム/2フェミニズム理論/3性役割/4権力と労働/5母性/6セクシュアリティ/7表現とメディア /別冊男性学)

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