サバ奈子

むかし猫ブログ、いま趣味ブログ

松前町 野外彫刻

2024-07-04 05:49:13 | 野外彫刻

松前町の松前公園です。

私は松前の桜を見たことがなかったので、夫が連れてきてくれました。

桜祭りが開催されており、思いがけず彫刻を見つけたものです。

金子鷗亭先生 
圓鍔勝三

松前が生んだ偉大なる書家です。

足下にサインあり。1994春

鷗亭先生の後ろにずらっと石碑が並びます。

ひともとや春の日かげをふくみもちて
野づらに咲ける山さくら花
 若山牧水歌「山ざくら」より

見あぐれば南十字星きらめける
欄に倚りては街の灯を見る
 一九七五年夏 日本書道代表団ブラジルを訪ふ
 リオのコルコバード展望台にて 
  自詠「リオ・デ・ジャネイロ」

觀瀾(かんらん)は、紀元前三百年頃の中国思想家孟子のことばで、
水を観るに術あり、
必ず其の瀾(波)を観るべし、とあります。

水を見る時、波動がどうであるかを見るべしと解さ れますが、世の動きのとらえ方を述べているものと思われます。 

鴎亭先生68歳の作品で、力強く、奥深さを感じるものです。

潮かをる 
北の濱邊(はまべ)の砂山の
かの浜薔薇(はまなす)よ 
今年も咲けるや
函館の 青柳町こそ かなしけれ
友の恋歌 矢車の花
 石川啄木歌「忘れがたき人々」より

海雀(うみすずめ) 海雀
銀ノ點々(てんてん) 海雀
波ユリクレバ ユリアゲテ 
波ヒキユケバ カゲウスル 
海雀 海雀 
銀ノ點々 海雀   
北原白秋詩「海雀」より

松前町松前公園
かねて耳驚かしたる二堂開帳す
経堂は三将の像をのこし
光堂は三代の棺を納め
三尊の仏を安置す
七寳散りうせて珠の扉かぜにやぶれ
金の柱霜雪に朽ち
既に頽廃空虚の叢と成るべきを
四面新にかこみて
甍を覆ひて風雪を凌ぎ
暫時千歳の記念とはなれり
五月雨の 振りのこしてや
金堂
 松尾芭蕉「奥の細道」より

蘭染煙 菊承露

疎蘭尚染煙
  残菊猶承露

疎蘭(そらん) 尚(な)ほ(お)煙に染まり
残菊(ざんぎく) 猶(な)ほ(お)露を承(う)く

 唐(中国)の二代皇帝太宗(たいそう)の詩「山閣晩秋」の一節

右上
星の群が目へ近づいてくるにつれて、空は いよいよ遠く 夜の色を深めた 

左上
村は しいんと底に沈んでゐるやうだった

右下
夜の底が白く なった 

左下
萱の穂が一面に咲き揃って眩しい銀色に揺れてゐた 

 川端康成の「雪国」から4点

丘壑(きゅうがく)とは、
人里離れたところにひっそりと住むという意味を持っています。 

懐抱(かいほう)とは、心に思っている、抱(いだ)いているという意味です。   

夏雲や 巍峨の山脈 荘厳す

昭和甲辰晩夏知床の秘境を探る
この日快晴也 巉嵒半天に聳え
紺碧の海萬里の涯に展舒す

 自作句「夏雲や」

渡水復渡水
看花還看花
春風江上路
不覚到君家
 高青邱詩『尋胡隠君』

僕は今 断崖のにあ風景に窒息する
 小野十三郎詩「断崖」より

巨いなる龍の鱗を攀ぢ登る
八達嶺を指呼に仰ぎて
一九七八年九月萬里長城
 自詠「萬里長城」

金子 鴎亭記念「北鴎碑林」
平成20年、松前公園内に金子鴎亭先生の生誕100年を記念して
鴎亭先生の石碑13基、先生の仲間や門人であり、
著名な書家の石碑71基の計84基の碑林が完成しました。

門下生や仲間達の石碑がた~くさん。

全部写真を撮っていたら日が暮れてしまいます。

さて、桜を見に行くか。

松前公園
松前郡松前町松城

コメント (2)
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