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「トルコの炭鉱労働安全法はILOの基準より進んでいる」労働相

2014年05月22日 | 国内
5月22日 「トルコの炭鉱労働の安全に関する法は、国際労働機構(ILO)が提起している必要条件より進んでいる」と、301人が死んだ1週間前の事故は点検が不十分だったという批判に応えて、ファルク・チェリキ労働相は主張しました。

 Hurriyet
 
炭鉱事故後、捜索と救助活動のためにヘッドライトを装着しようとしている鉱夫。


「わが国もILOの労働安全の規則を導入する必要があると言う者がいるが、われわれが議決した法はILOの規則より進んでいる。わが国の炭鉱労働者の安全に関する法は、EUの法にじゅうぶん匹敵する」と、チェリキ労働相は、ソマ事件に関する調査委員会設立の討議中に発言しました。
チェリキ労相が言う法とは、労働安全の基準をEUの基準に合わせるために2012年に制定されたものです。

ソマ炭鉱で適切な点検が行われていなかったという批判に応えて、チェリキ労相は、「炭坑点検の新しい規則は2010年に制定され、わが国の160の炭鉱で、1年に2度の点検を指導している。ソマ炭鉱は8回の点検を行い、2010年以後、さらに8回の点検を行っている」と言いました。

「だれが点検を行うのか? それは炭鉱技術者と炭鉱安全検査官です。点検は瞬間的なものです。評価はインジケーターかセンサーが行い、もし問題があれば、報告されます。しかし、炭坑は生きものです。点検の1か月後に、いや、1週間後、1時間後に、なにが起こるかわかりません。だから、わが国の法は、労働現場に、炭坑技術者の他に、労働安全の専門家と医者を雇うことを規定しているのです」とチェリキ労相は言いました。

検察官がソマ炭鉱に関して、作業場の専門家が提出した記録を集め、どこに不注意があったのかを明白にするために分析を行っていると、チェリキ労相は言い、トルコには炭鉱労働の安全に関して、ある構造的な問題があると付言しました。

・・・人々が悲しみに暮れているとき、「炭鉱は生きものだ。点検の1時間後にだって、なにが起こるかわからない」なんてことを言う労働大臣、人々の反発を買っているようです。
 

   ソマ・ホールディングは2つの炭鉱を撤収する

ソマのエイネス炭鉱の悲しい事件を受けて、アタバジャスとウスクラルでソマ・ホールディングが運営する炭鉱が検査を受けます。ソマ・ホールディングはソマで、エイネスの他にも2つの炭鉱を経営しています。エネルギー省と労働省は2つの炭鉱の、安全、換気、ガス探知システムに焦点をあてた調査を行います。

 Sabah

ソマ・ホールディングはまた、炭坑で知られる黒海地方のゾングルダクでの事業も撤収するでしょう。ソマ・ホールディングは36年間、ゾングルダクの炭鉱エリアの特許権を所有し、2億ドルを投資してきたと、同社幹部は言っています。ここでは3000人以上の鉱夫と技術者が雇用されていると思われます。
アタバジャスとウシュクラルの炭鉱の安全対策は、今回の事故のエイネス炭鉱より劣っていると、専門家は力説しています。

トルコ政府はソマ炭鉱で死んだ301人の鉱夫の家族のための緊急行動計画を宣言しました。
保健サービス、一時的障害手当、終身障害手当、生存者の年金、犠牲者の未婚の娘のための年金、葬儀援助費などの支払いが、エルドアン首相の命令で促進されます。
604人の死者を出した2011年のヴァン大地震後に公布された規則に従って、死んだ鉱夫の家族は、30日分の賞与のほか、生存者の年金が支給されます。障害を負った鉱夫は障害年金を受けます。

 Sabah

社会安全協会(AGK)がソマの家族を訪ね、社会的安全の権利について知らせます。葬儀費用415リラも支払われます。総合的な年金計画も進行中です。
労働検察官の報告書によって、会社が80%の責任を負うことになれば、ソマ・ホールディングは被害を受けた家族に40年間、総計1億5000万リラの年金の80%を支払うことになるでしょう。

家族には物質的・道徳的な賠償を受ける権利があります。労働検察委員会のメフメト・テゼル会長と代表団が、炭坑の労働時間、給与、業務管理などの調査を行うために、ソマを訪れています。
報告書と並行して、炭坑部門の労働規則が刷新されます。新しい規則では、鉱夫の労働基準は
ドイツに合わせて国際基準にするそうです。

・・・エルドアン首相、票稼ぎでもいいから、皆さんの補償と支援、しっかりやってくださいね。


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