世界史を大きく動かした植物(稲垣栄洋/PHP)
この著者は、以前読んだ「身近な雑草の愉快な生き方」の著者。たぶん、我が国の植物学者の中で、一番文章のうまい人。
以前、炭素化合物が世界の歴史を動かした、という趣旨の本を読んで非常に面白かったが、この本は様々な植物が世界史に与えた影響について論じた(というほど大上段ではないが)本。一粒のはじけない小麦が農業を生み出した、とか稲が日本という国を創り出した、とか、様々な所見が表明されているが、いずれも、それなりの説得力を持っている。そして、全編に通底する、人が植物を利用したのか、植物が人を利用したのか、という問いは、単なるレトリックを超えた重みを持っていると思う。
この著者は、以前読んだ「身近な雑草の愉快な生き方」の著者。たぶん、我が国の植物学者の中で、一番文章のうまい人。
以前、炭素化合物が世界の歴史を動かした、という趣旨の本を読んで非常に面白かったが、この本は様々な植物が世界史に与えた影響について論じた(というほど大上段ではないが)本。一粒のはじけない小麦が農業を生み出した、とか稲が日本という国を創り出した、とか、様々な所見が表明されているが、いずれも、それなりの説得力を持っている。そして、全編に通底する、人が植物を利用したのか、植物が人を利用したのか、という問いは、単なるレトリックを超えた重みを持っていると思う。