窓辺の風(宮城谷昌光/中公文庫)
好きな作家の、自伝的エッセー。(エッセーとエッセイの表記は、いつも迷うが、このブログではエッセーにしている。)
タイトルは、この人の作品『草原の風』を思わせる。
第一部は、『時代の証言者』として読売新聞に連載されたもの。生い立ち、文学修行、中国歴史への開眼、作家デビュー、直木賞受賞までを26回に分けて描いている。第二部は、26回のそれぞれに対応した「おまけの記」を付け加え、当時の思いや印象的なエピソードを織り込んでいく。
そして第三部では、4月10日の記事で紹介した『孔丘』に関連して、孔子と『論語』に関する論考を披露している。ここで描かれているように、ひとつの漢字の使われ方から、歴史の襞(ひだ)に秘められた真実を読み解こうとするのがこの人の持ち味だ。
この人の商業デビューは45歳。驚きに満ちた、しかも勇気づけられる一冊である。
好きな作家の、自伝的エッセー。(エッセーとエッセイの表記は、いつも迷うが、このブログではエッセーにしている。)
タイトルは、この人の作品『草原の風』を思わせる。
第一部は、『時代の証言者』として読売新聞に連載されたもの。生い立ち、文学修行、中国歴史への開眼、作家デビュー、直木賞受賞までを26回に分けて描いている。第二部は、26回のそれぞれに対応した「おまけの記」を付け加え、当時の思いや印象的なエピソードを織り込んでいく。
そして第三部では、4月10日の記事で紹介した『孔丘』に関連して、孔子と『論語』に関する論考を披露している。ここで描かれているように、ひとつの漢字の使われ方から、歴史の襞(ひだ)に秘められた真実を読み解こうとするのがこの人の持ち味だ。
この人の商業デビューは45歳。驚きに満ちた、しかも勇気づけられる一冊である。