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国を救った数学少女(ヨナス・ヨナソン/西村書店)
原題は ”The Girl Who Saved the King of Sweden”。
直訳すれば、『スエーデンの王を救った少女』。先週、紹介する本の悪口はできるだけ控える、と書いたが、タイトルにつっこみを入れるのは許していただきたい。
タイトルにかかわらず、この本は、ほとんど数学と関係がない。(物理学とは、ある程度、関係がある。)しかし、数年前、この本を本屋で見かけたとき、数学書のコーナーに置いてあった気がする。
さて、冒頭にある言葉の引用。
1970年代に南アフリカのソウェト地区で育った読み書きのできない子供が、ある日スウェーデンの王と首相といっしょに、じゃがいもトラックに閉じ込められてしまう統計的確率は、457億6621万2810分の1である。
この状況に至るまでの長い物語。クセの強い登場人物が何人も登場するが、読み終えてみると、すべて物語に必要なコマだということが理解できる。ドタバタ劇が嫌いな人には向かないが、私は圧倒的なストーリーテリングは大好きだ。
この作者には、他に2冊、作品があるようだ。いずれも、本書と同様、実在の政治家が登場するらしい。今後、読む機会があるかもしれない。
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