saecotta's blog

折々の感動、思いをスケッチと作文で

宵闇迫れば

2012年01月30日 02時26分13秒 | スケッチ

宵闇迫れば悩みは尽きせず と言う歌がありましたが、このところ「面白さは尽きせず」の夕空です。

お天道さまが沈んで夕焼けの余韻の残っている南西の空に、細い月と宵の明星・金星と夜半の明星・木星が毎日位置を変えて輝き始めます。
夜が更けるにつれ冬の星座達の大ページェント。冷たく澄んだ空気の中で昴(すばる)の星数も数えられます。

今日のTV・日曜美術館は、日本で初めて世界記録遺産に登録された山本作兵衛さんの炭坑の絵でした。子どもの頃から母親と一緒に筑豊炭鉱で働いていた山本作兵衛さんが炭鉱での仕事、暮らしをすごい表現力で描いています。
YouTubeから概略が見られます。ぜひ見てください。

その前後だったかのニュースで女性のアナウンサーがダボス会議での渡辺謙さんのスピーチを「絆の大切さを訴えた」と報道していました。

26日、東京新聞に掲載されたスピーチの全文(日本語訳)を読むと、
前半は東日本大震災被災地支援への感謝と「絆」の大切さを訴えています。
後半は、

「日本には「足るを知る」という言葉があります。

原子力という人間が最後までコントロールできない物質に頼ることなく、再生エネルギーに大きく舵を取らなければ、子どもたちに未来を手渡すことはかなわないと感じています。

私たちはもっとシンプルでつつましい、あたらしい幸福というものを創造する力があると信じています。

がれきの荒野を見た私たちだからこそ、今までと違う「新しい日本」を作りたいと切に願っているのです。

今までやってきたことを変えるのは大きな痛みと勇気が必要です。

しかし、今やらなければ未来は見えてきません。

心から笑いあい支え合いながら生きていく日本を、皆さまにお見せできるよう努力しようと思っています。

そしてこの「絆」を世界の皆さまともつないで行きたいと思っています。」(要旨)
 
と結んでいます。

渡辺謙さんが英語で「絆」を訴えるスピーチをしたことはは、マスコミ・ネット上で報道されていました。
後半を紹介する記事はほとんど見当たりませんでしたが、とても大切な内容で、共感しました。







今日は何の日?

2012年01月26日 09時37分50秒 | スケッチ

おしたしにして食べようと買って置いたままになっていた菜花(なばな)の蕾が咲き始めてしまいました。
これは描いてねということかな。

昨年末から、お絵かき恐怖症になっていましたが、今朝早起きして描きました。

1月26日、今日は何の日? 文化財保護の日、世界一大きなダイアモンドが発掘された日等々、朝のラジオは伝えていました。
私にとって、今日は冬眠脱出記念日。そして誕生日です。

あっ、もう出掛ける時間になったので、とりあえずここまで。

三河湾の黒真珠

2011年10月30日 18時49分04秒 | スケッチ

「スケッチ旅行のかこう会」から三河湾の佐久島に行きました。
縄文・弥生時代の土器も発見され、幾つかの古墳もある歴史のある島ですが、観光化されていなくて島特有の自然・景観と暮らしに触れることのできる魅力的な島でした。
2002年から取り組まれている「三河・佐久島アートプラン21」も、良い感じで溶け込んでいました。
印象的なのは黒塗りの家々。以前から建物を潮風から守るためにコールタールが塗られていたそうですが、現在では街並み景観づくりのため黒ペンキが塗られ「三河湾の黒真珠」と称せられているとか。
一日目は黒塗りの家を描いてみたいと思いましたが、うで相応に易しい構図になりました。

夕方、宿にはいると、夕日が海面を照らしつつ沈む瞬間でした。
急いで描きはじめましたが、紙面に目をやり、空に目を上げるともう輝きも位置も刻々変わっていきます。「印象・日没」というところです。 (二日目はまた後日)


てっぺんかけたか

2011年06月30日 02時07分11秒 | スケッチ

「かこう会」6月例会は三河湖へ。
矢作川水系、巴川の上流、1962年、東加茂郡下山村に灌漑目的で造られた羽布ダムの人造湖ですが、今はすっかり奥三河の自然と一体化し、(たぶん)愛知県では一番大きな湖です。山奥の湖ですが今は市町村合併によって豊田市です。

静かな湖面に山の姿がくっきりと映り、実像に勝る美しさでした。
でも、風が湖面を吹き渡ると、さざ波が立って水に映った姿は瞬時に消えてしまいます。
絵筆を止め、風が収まり水映りの現われるのを待って、また描きました。

虚像と実像、ごまかしと真実、噂話と真意・・・どっちがほんとらしく見えるのかな。今の世相に照らし合わせ悩ましい限り。

ホトトギスが「てっぺんかけたか、てっぺんかけたか」と励ましてくれました。

今日はここまで。

助言お待ちしています。




You may say I'm a dreamer

2011年06月17日 22時32分40秒 | スケッチ

スケッチは庭に咲いていたアルストロメリア、輪郭なしで色だけで描いてみました。

友人が「人に翼があったら津波に巻き込まれなくて助かるのにね、翼が無理なら空飛ぶ絨毯があったら、みんなで避難することが出来るのにね」と言った。

人は昔から自由に空を飛ぶことを夢みてきた。
ギリシャ神話の翼を持つニケの女神(人気スニーカーブランドNIKEの)、太陽に向かって飛び翼が溶けて墜落したイカロス、レオナルドダビンチの飛行設計図、そしてライト兄弟の初飛行から100年の今、航空交通は当たり前となった。しかし、身近な災害に対処できる空飛ぶ技術はまだない。
友人の発想を夢想とは言えない。夢は抱くことによって叶えられる。抱かなければ永遠に叶えられない。

一方、科学技術の進歩と思い込んで推し進められているものを振り返り止めることも、人類にとって進歩、夢かもしれない。

原発事故の放射能汚染によって、住み慣れた土地を余儀なく立ち去らなくてはならない、農作物を廃棄しなくてはならない、子どもたちが戸外で遊べない、プールも使えない、美しい福島の村々に今後数十年立ち入れない・・・・こんなことが今、起こっており、事態はますます悪化の状態。

ドイツとスイスは政府が将来の原発停止を決めた。イタリアでは国民投票の結果、反原発票が94%、 推進派のベルルスコーニ首相さえ民意を尊重すると言っている。

なのに当の日本では、有力政治家は原発推進路線の堅持に向けて総動員。
「原発がなければ電力不足」と脅したり、「集団ヒステリー状態だ」など他国の民意を侮辱した無知厚顔をさらけ出す発言。(恥ずかしくて海外旅行に行けないよ)

最近行われたカタルーニア国際賞授賞式で村上春樹さんはスピーチで脱原発を訴え、「かつて、原発に疑問を呈する人には“非現実的な夢想家”というレッテルが貼られた」と。

つぎの世代が、放射能に怯えず暮らせる日常を保持できるよう、
脱原発の日本を目指す夢想家になりましょう。実現していきましょう。

P.S1: 6月16日 朝日新聞 「天声人語」
イタリアの人々が原発に「ノー」を選択した。その報に、かの国の天才ダビンチの手記の一節が胸に浮かんだ。
「君が手にふるる水は過ぎし水の最後のものにして、来たるべき水の最初のものである」 美しい言葉だと思う。

P.S2: 6月17日 中日新聞 「中日春秋」
「愛の反対は憎しみではなく無関心です」。 マザー・テレサの言葉をかみしめている。