5日目、快晴、ドブロヴニクを出発、眺望の良い丘でカメラ休憩。
紺碧の空と海、城壁に囲まれた赤い屋根の街、アドリア海の真珠と呼ばれるこの街も、1991年独立の際はユーゴ連邦軍・セルビア勢力との戦いで街の大半が破壊されたという。
復旧は元の形を再現するように行われ、中世からの景観を守っている。(95年、国連などの仲介でクロアチア紛争は終結したが、その後のボスニア紛争、コソヴォ紛争など、バルカン半島の民族対立は非常に複雑であることを、帰ってから諸資料を読んで改めて知った)。
さて、楽しい旅を続けましょう。
ボスニアを入出国して北上、シベニクまで284km、左手はアドリア海、右手には岩山のヒオコボ山脈が延々と続く。土地は大小石がごろごろの荒れ地。糸杉、松が生えている周辺には赤い屋根の家が点在。
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シベニクに近づくにつれ、オリーブ畑、ぶどう畑、柑橘類らしい果樹園があらわれ、緑の農地も広がっていてほっとした気持ちになる。
シベニックの現地ガイドはmr.Ante、長身の青年、この旅行で初めて見たブランドバッグ(ポシェット)を身に付けている人。熱心に説明してくれるのだけど、脚の長さが私たちの肩くらい、スタスタ歩くので、説明している場所に居るためには駆け足必要。
宿はヨットハーバーに面し、夕焼けの空がダイナミック。ディナーの魚のフライがおいしかったので、魚種を聞くと、シャーク(サメ)とのこと。
6日目、快晴。早起きして海岸沿いを散歩していると、早朝にもかかわらず何人かの人が入っていく建物があった。
世界遺産「聖ヤコブ大聖堂」の裏口らしい。ちょっとスケッチして、ホテルに戻り朝食。
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今日の訪問地サダールは3000年の歴史を持つ港湾都市、ローマ時代から各時代の教会がいくつも存在。
聖ストシャ教会の鐘楼、180段のらせん階段を上ると視界270度、海、海、海。
サダールの新名所は「海のオルガン」、岸壁に開けた穴から、波の動きによって送られた空気が、パイプを通って地表に聴こえてくる仕組み。この日の波は穏やかだったが、歩道に開けられた穴から、遠くの汽笛のようなボゥー、ボゥーと、のどかな音が聴こえた。
街のあちこちに、ヒッチコックのユニークな表情の写真が掲げられている。
ここが、ヒッチコックが「世界一美しい夕陽」と言った場所だそうだ。(先回のドブロブニクの記事、訂正。ごめんなさい)
残念ながら、夕陽を待つことなく、昼食のイカのグリルを食べた後、オパティアへ向かう。走行距離304km。
18:10、オパティア着。高級そうなホテルが立ち並ぶクロアチア屈指のリゾート地。
夕食までの間、海岸に出てみると、月が水平線から昇り始めているところ。
見ている間にどんどん昇って行き、海面に映る月影が波間に揺れて美しい。
今日は満月!左下に月に負けじと輝く木星も見える。(欄上のタイトル、クリックして下さい)
月に見とれて歩いているうちに、ずいぶん遠くまで来てしまったみたい。帰れるかな?
ようやくホテルに戻り、遅い夕食。周りのカップルがみな幸せそうに見える。
7日目、朝5:10出発、ベネティアに向かう。月は西の空に沈みかけ、天空にはオリオン、シリウス、プロキオンが耀く。
クロアチア出国時はバスから降りて検問所でパスポートチェック。スロヴァキアからイタリアへはEU圏内なのでノーチェック。
7:00、日が昇り始める。右手にドロミテ山脈を眺めながら、ベネティア空港に到着。
10:45、ルフトハンザに搭乗。フランクフルトでセントレア行きにトランジット。
フランクフルト現地時間14:30(日本時間23日21時)離陸。セントレアまで飛行時間11時間20分の予定。
旅は出会い!
これまで、内戦の報道でしか知らなかったクロアチア、ボスニアを訪れ、自然・街の美しさに出会って、感動すると同時に、その歴史、現状に目を向け、改めて学ぶきっかけになりました。
パック旅行は、効率的に各所を回り、ツアーディレクターさんのおかげで気楽に旅行出来るメリットがあるけれど、現地の人との触れ合いは、お買いものの時以外はほとんどゼロ、必要ない。気楽だけどちょっとさみしい。
でも、
ツアー同行のみなさま、とりわけ昭和区のご夫妻様、千葉からのご友人の皆様には旅行中、親しくご親切にして頂きましたことを、心より感謝しています。
そして、帰路の機上、偶然隣席となった、フランス旅行帰りのyoshieさん、
嬉しい出会いです。