saecotta's blog

折々の感動、思いをスケッチと作文で

やよいの夜空は

2012年03月26日 20時41分06秒 | スケッチ

今!見て!西の空!
金星と木星の間に月齢3.8の細い月。すてきな天体ショー上映中。

今日は冬型の気圧配置でコートなしでは出掛けられませんでしたが、うちの桜のつぼみも膨らみ始め、中からほんのり紅色が覗いていました。
明日には気のはやい子が一、二輪咲き始めそう。
庭には、なんとツクシが30本ほど現れました。少し前からスギナが生え始めたことに気付いていましたが、ツクシが出たのは初めてです。

絵は、2週間前、三重県津市美杉町三多気に行った時描いたもの。

三多気の山桜は、桜100選にも選ばれている国指定の文化財。
かこう会4月例会で訪れます。 (年に1度の当番です)

当日は、みぞれまじりのお天気。寒さに震えながら、4月下旬の満開の桜を想像しつつ下見をして来ました。
桜並木に沿って棚田が続き、棚田の水面に映る桜は、それはすてきな眺めとのこと。
桜は後日のお楽しみとして、この時は奈良方面に続く山並みを車の窓越しに描きました。
枯枝に見える2本の木はしだれ桜です。

山と山との間が白く見えるのは、靄が立ちのぼっているからと同行した方から教わりました。

すばらしい恵と、時には脅威を与える自然の中で人間も他の動植物も命をつなぎ育んできました。
しかし東日本大震災では、自然界にはなかった原発事故による放射能汚染が、さらなる被害を起こし復興の妨げになっているだけでなく、この先々まで不安を広げています。
今夕のニュースは二号機格納容器から漏れた高濃度汚染水が海に流出と報道しています。

人々の間に脱原発の願いが高まっていますが、政府は再稼働を急いでいるようです。

黙っていてはけないと思いつつ、私に出来ることは、
「脱原発ネット」を立ち上げた企業グループの「鈴廣」さんのかまぼこを買うことくらい。

とりあえず、今日はここまで。
さぁ、外へ出て、夜空を眺めましょう。


春一番

2012年03月18日 16時07分38秒 | スケッチ
昨日、福岡管区気象台は春一番が吹いたと発表。去年は観測されなかったため、九州北部では二年ぶりの春一番だそうです。

偶々、先週の風の強い日のこと、これは春一番かなと思っていたところ、
T先生から「春一番とは、立春から彼岸までの間に、その年に始めて吹く南寄りの強い風のことだそうですよ」とお聞きして、窓の外を眺めると、ビルの上に掲げられていた旗が北風にはためいていました。
ちょっと気になって調べてみると、民俗学者の宮本常一さんが壱岐を訪れたとき、海難事故をきっかけとした「春一番」という語を採集し、俳句歳時記で紹介したことから、新聞などで使われるようになり、一般に広まったという記載がありました。

これまでずーっと、春先に吹く強い風のことを「春一番」と呼ぶのだと思い違いしていました。

またひとつ、おりこうになりました。
毎日、何か一つづつ学ぶことがあります。 
あ、それは今まで知らないことが多過ぎたと言うことですね。

絵は、「かこう会」2月例会で訪れた、中仙道の宿場町、醒ケ井(滋賀県)の地蔵川です。

鈴鹿山脈北端の霊仙岳などからの伏流水があちこち湧き水となって、清流となって町の中を流れています。
というか、流れに沿って町が出来ています。
各家の前には川に降りる石段が作られています。

春から秋にかけては、流れの中に梅の花に似た白い花バイカモが一面に咲いて、それはそれは美しいそうですが、いまは緑色の藻が流れにゆらゆらしていました。
水温の低い清流にしか棲めないハリヨという魚の特別保護地でもあります。

清流を描くつもりでしたが、川辺のサルスベリの裸木に力が入ってしまいました。
後ろの線描きの家は麹屋さんです。
麹屋さんがある町、いいですね。ここで麹を買って、今流行の塩麹作ってます。

バイカモの咲く頃、もう一度訪れてみたいと思います。


きょうは啓蟄

2012年03月05日 23時55分51秒 | インポート

先週、醒ケ井に行った時、曇り空の中から一瞬姿を現した伊吹山。大急ぎで描いている間にも雲がかかったり、姿を現わしたり。
名古屋から一番間近に見える雪山、象の背中のようなゆったりとした山容、伊吹山は何か安堵感を与えてくれます。

今日は啓蟄。「啓」は開くの意味、「蟄」には閉じこもるという意味。
「余寒いまだ尽きず」といった天候ですが、この頃、初雷が鳴り、これに驚いて虫が土中から這い出すと考えられたとも言われています。

でも、昨日も今日も一日中冷たい雨が降っていました。
植物たちは、例年より少し遅れているものの、元気な芽を伸ばしていますが、虫は見かけませんでした。
去年の秋、ご近所から引取ったメンガタクロスズメもまだ飼育ケースの中で蛹状態。
ヤモリの黒白ツートンカラーの糞も見かけません。

明日の午後からは雨も上がって温かくなりそう。

虫たちも姿を現すようになるかな。
私の中の◎◎の虫も動き始めるかな。
元気に伸び始めたタラ、コバイモ、タチツボスミレ、君影草

このきなんのき----きになること

2012年03月03日 00時18分51秒 | インポート

絵は、おんたけ休暇村宿舎の窓から見たミズナラの樹、枝先に丸く見えるのはヤドリギです。

ヤドリギは、ホヤ(寄生)とも、トビヅタ(飛び蔦)とも呼ばれ、ケヤキ、エノキ、ミズナラなど落葉広葉樹の樹の上に寄生するヤドリギ科の植物です。

樹木が緑に茂っている頃は目立ちませんが、落葉したあと目立つ常緑のヤドリギは縁起が良いとされ、昔は髪に挿して長寿を祈る習慣があったとか。
万葉集で大伴家持が「あしひきの(山のまくら言葉)/山の木末(こぬれ)のホヨ(ヤドリギの古名)とりて/挿頭(かざ)しつらくは/ちとせ寿(ほ)くとそ」と詠んでいます。

それから10日余経って、はや3月2日。
朝から冷たい雨が降り続いていましたが、白梅がほころび始め、紅梅は蕾を膨らませ、桜の梢の先も丸みを帯びてきました。

あちこち庭の隅でタチツボスミレが紫の花を開きはじめ、コバイモも地中から勢いよく新芽を伸ばしています。

10年日記を見直すと、例年より10日ほど遅れていますが、季節は忘れず訪れています。
自然の中に生命は生まれ、恵を受け、また苦難を経ながら生き続けてきました。

間もなく3月11日。

未曾有の天災被害については語り尽くし切れませんが、今までの天災と異なる点は人間の手による原発事故の放射能汚染があります。

復興の第一段階の瓦礫の処理にしても、放射能汚染の心配から受け入れ態勢が大幅に遅れています。
汚染された地域の表土を部分的に除染して安全と言えるのでしょうか?汚染された表土の行方は?汚染された冷却水の行方は?
未来を背負う子どもたちへの安全性は?

美しい福島の故郷に戻れる日はあるのでしょうか?

メルトダウンした原子炉内の状態もまだ判っていないのに「冷温停止状態」とか、ストレステストによる安全宣言とか・・・
再稼働への声が高まっています。

一方、脱原発の声が低くなっているようで、気になっています。

福島第一原発事故後、ドイツは原発事業から撤退することを国で決めました。
安全性もさることながら、コスト面で合わないことを見抜いたからです。

これだけ放射能の被害に遭っている日本だから、
核燃サイクル推進とか、今後も起こるであろう事故後始末にかけるお金を、脱原発・新エネルギー開発にかけてほしいです。
私に出来ることは、ささやかな支援と、こうしてブツブツ言っていることだけ・・・。

今、夜空には、ややふっくらとした上弦の月が雲から出たり隠れたりしていました。

ドン・カ・ジョンさんの「WISHくん」を読みながら、やすらかな気持ちで眠りにつきます。
おやすみなさい。